ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

2010-01-01から1年間の記事一覧

アンフィニッシュド 間抜けライフ

Freedom and its owner Kings of convenience 今年は感動することが多かった気がする。 3月には数年ぶりにノルウェーに行ったし、 復活祭の後には Kings of convenience の 音楽と出会い、 7月には…

あなたのクリスマス、私のクリスマス

世界で一番虚しいイタリア在住者のブログを訪れて下さった皆さん、 楽しいクリスマスを過ごされたでしょうか? 歴史学者が残した古代ギリシャの絵画遺産記事のおかげで、 自分の専門分野でない偉く難しい本と向かい合って 神聖なる25日が過ぎようとしてい…

芸術とは何ぞや?

カミッラの絵画作品。 オスロ近郊、アスキルの冬景色を アクリル絵の具を用いて、筆一本と濡らしたティッシュペーパーだけで 数分で仕上げるという、とっても独特だけど色使いと変な遠近法に 趣を感じる一枚。 さて、古代ギリシャが西洋美術史に多大な影響を…

消えてしまったギリシャ壁画の再現

文学部史学科考古学専攻プラス中世とキリスト教選択・・・ というのが、私の取っているマスターコース。 年末の私の嘆き・・・、それは毎年簡単になるコースの内容。 読む本の数が減って、単位も一回のテストで多めに取れるので 卒業は簡単になるのだが、私…

いい男A、いい男B ソフト版

イタリアにはいい男が沢山いるのか? という質問を良く受ける。 地元の男子も、自信満々に "イタリアは女の子にとって天国だよね~、いい男ばっかりだし、女性に優しいし・・・。" イタリア人の女性が"言い寄られたら浮気も許して欲しい"タイプの男性。 イタ…

西洋美術史はリバイバルの歴史?(2)

クリスマスには嫌われ者として 登場するローマ皇帝アウグスト(在位27B.D.~14A.D.) カエサルの後を継ぎ、ローマを共和制から帝王制に変え、 更には中途半端な立場にあったエジプトを傘下に入れ、 戦い続きだったローマに平和をもたらした 初代…

保存食作り、菜食の世界へようこそ!

経済的菜食主義という、悲しい部類のヴェジタリアンな私、 肉の金額は日本のほぼ3分の1とはいえ、 プロテインを動物の命から豆にスワップするだけで、 素敵なベルゲン貯金ができるという、とってもせこい理由で菜食しているのだが、 それ以上に肉に対して、…

祝福のお菓子は呪いの味?!

朝の午前9時から午後8時までお仕事のカルメン、 お帰りは午後9時。 そんな忙しいカルメンが、毎週のように同じお菓子を焼いている、 まるで呪いにかけられたかのように! カルメンが作るお菓子は"ピオ神父のケーキ"という、自然発酵のシンプルなお菓子である…

みんな南に憧れる

Ravello(ラヴェッロ)・・・・、 セレブやぶち金持ちが大好きなアマルフィ海岸の一角に位置し、 崖に設けられた岩盤を繋げて作られた土地である。 まあ、いつ、敵が押し寄せるか分からない中世に作られた 不思議な趣味の隠れ家的、観光地。 サレルノか…

ドイツ人は変態か?

身近に感じるのに、ほとんど接触のないドイツ人。 真面目さと隣り合わせの"変態"イメージは、 一体いつ、どこで染み付いたのだろう・・・。 そんなわけで最近見たドイツ映画のお話。 NaPolA 予告編で既に見え始める変態性・・・。 時代が時代で、皆さ…

私をFretexに連れてって!

"おしゃれに興味はない、服はFretexで買ってるんだ。" ファンキーなピンクとエメラルドグリーンの縞シャツを着るKings Of Convenienceのもてない役、アーランド。 VOGUEイタリア版のインタビューでした発言だ、 ファッション誌…

身近の他人事

クリスマスのイルミネーションが点灯し、エネルギーの無駄遣いに心を痛め、 クリスマスツリー用にもみの木が伐採されるダークな11月。 ナポリは一年のうちで最も雨の多いシーズン、 今回は激しい低気圧のせいか、台風中継のような暴風雨に見舞われ、 アパ…

西洋美術史はリバイバルの歴史(1)?

"ローマ絵画史と考古学"という恐ろしい科目に手をつけると 西洋美術史はギリシャ美術を起源にした使い回しの美術史のような印象を受ける。 元ネタ発見的な面白さと人々が美術に求める価値、 そして美意識の歴史が見えてくる。 最初に簡単に説明しておくと・…

困った映画趣味

テスト期間が終了し、勉強も続けているけど、 久しぶりに"朝時間"で生活し始めたので 朝の四時からノルウェー国営放送ラジオなんか聞いている。 分かる単語は時刻とベルゲンの渋滞情報ぐらいか? 取り上げられるのはスマトラ地震の話題や音楽レビューが多い…

テストの中休み、ちょっとだけノルウェージャン・ブリーズ

まだまだハイビスカスの綺麗な南イタリア、 昼間と夜の気温差で、皆さん風邪引いております、 飽食が原因だな。 さて、テストの期間はまだ続いているけど、 ちょっと疲れたのでナポリに帰ってしまった。 数日前のテストで教授から死刑宣告を受けたので ちょ…

陶器の街デルータ

フランチェスコが輝くアッシジの側、陶器の町デルータ 前回は近所のヴィエトリ陶器について書いたので、 今回はイタリア中部、ウンブリア州の陶器のお話。 ウンブリア州は憧れのトスカーナ州より南に位置し、ローマからは電車で二時間。 中世には大好きなロ…

近所のマヨルカ焼き

ヴィエトリ・・・と呼ばれる陶器工房の集まる地域がある。 サレルノからバスで10分足らず、徒歩でも30分、 憧れのアマルフィ海岸玄関口にあたる街。 憧れの・・・、レモンとかエメラルド色の海とか脳みそ蒸発組とか、 そんなのが好きな方には憧れのアマ…

陶器VSガラス、かぶき者なノルマン人

こちら、11世紀頃、南イタリアに居座ったノルマン人、ルッジェーロ2世のマント。 真紅の布に金の刺繍、モチーフはトラ。 マントの持ち主、ルッジェーロ2世 ナポリのレアル王宮の彫刻より 活字が好きな方へ ノルマン人とは: ノルマン人の起源はデンマー…

中世のガラス工房

産業革命以前、ガラス製品が高級品であったことはご存知の方も多いと思う。 中世においてもガラスの需要は"装飾品"であった。 今でこそ、大量生産され、ビー玉を武器にする不良すら現れる時代になったのだが(そして過ぎ去っていった)、 そんなガラスがなぜ…

カレークレイジーの二週間後

9月になり、私の二週間5ユーロ生活も終わり、 休暇中だったお店も開き"元通り"の生活が始まる。 買い置きした野菜は残ったし、買い足したのはカレー用のスパイス類とココナッツミルク、 パスタ用の魚介ミックス冷凍と久しぶりのスナック菓子。 毎日のカレ…

古代と中世の間、そのときローマ人は?

最近、空腹に耐えながらも気になって読んでしまった本がある。 ナポリのあるカンパーニア州山間部、ベネヴェント県とアヴェリーノ県、 そして、私の住む海辺の街、サレルノを結ぶ3つの地域に テリトリーを築いたロンゴバルド族とその土地に逃げていったロー…

フリッパーズギター再び

大ヒットなのはノルウェー産音楽だけではないので 今回はフリッパーズギターとその影響を受けた音楽でも 記事にしてみようかと思う。 フリッパーズギターは1980年代の終わりから90年にかけて たったの3年間の活動しかしていない。 その割には日本の音…

2週間で5ユーロ、飢えない方法

イタリアの大学に留学しているというと さぞかしインテリで良家のお嬢様というイメージで見られがちだ。 確かに30歳過ぎて夢見がちな考古学なんて勉強してたら、 経済的、精神的に余裕があるように見えるよな。 将来に対する怒涛の不安や世界に対する不満と…

イタリア料理に飽きたら・・・

久しぶりに"地元"のお話、といっても2月のお話、 ナポリで珍しいオーガニックのレストランに誘われ、 いつものようにカルメンとアントニオに付いて行って来た・・・ 店の名前があまりにも地味だったので忘れたが(Gastronomia Di Piazza Bellini?とかそんな…

青い夕焼け?

ノルウェーでは夕焼けを見た記憶が無い。 あんなに窓の大きいカミッラアパートにいたのに、 気がついたら暗くなっていたことが多かった。 OSLO こちらは夏に行ったときの写真。 イタリアの夕日が舞台のセットのように バラ色のお日様にオレンジ色の空なのに…

オスロに戻った日

ベルゲンからオスロへ、夜行電車に乗る。 たかが6時間の旅に枕、ブランケット、耳栓にアイマスクまで用意されていた。 今まで、どんなに恋焦がれていた街でも 2回目の訪問で気が収まるまることがほとんどだったのだが、 やっぱりベルゲンは違う。 出発まで…

完璧な騎士物語 Arn シリーズ

ミーハーも考古学も一休みして、ちょっとだけあまり見ない映画の話。 美徳の映画 Arn Tempelridderen スウェーデンの十字軍英雄映画。 主人公のアーン(Arn)は十字軍の騎士になるべく 訓練を積んだ修道士。 愛馬シャロームと出兵したエルサレム、 偶然に…

誰でも知りたがってるくせにちょっと聞きにくい考古学の一部についてお教えしましょう

誰でも聞きたがっているかは知らないが、 誰もが勘違いしがちな考古学にまつわる話である。 真面目な記事ではないので、アホに割く時間がない方は パスした方がいいかもしれない。 1、魅惑の学問? 考古学を主題にした大衆商業映画をご存知だろうか? イン…

お墓の話

発掘に当たって、気になる場所がある。 お墓である。 どうしても掘り返したい気分に襲われるのだが、私は死体愛好家のネクロフィリーではない。 こちらは教授や助手直々の手により堀出されることが多い。 それは時代を超えた菌やバクテリーから他所のご子息…

ロコロトンド ベルゲンの妖怪たち

ミーハー記事の続きでございます・・・。 今回でこの手の話は終わりにして、明日から真面目な考古学生に戻ります。 書き足したいことを思い出しながら書いていこうかな? 発掘ラボで荒れまくりの汚い手で失礼・・・昨晩、この汚い手(大腸菌つき)を握ったアイ…