ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ドイツ人は変態か?

身近に感じるのに、ほとんど接触のないドイツ人。
 
真面目さと隣り合わせの"変態"イメージは、
一体いつ、どこで染み付いたのだろう・・・。
 
そんなわけで最近見たドイツ映画のお話。
 
NaPolA
 
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予告編で既に見え始める変態性・・・。
時代が時代で、皆さん真面目に自己主張を抑えている。
身長や体重だけでなく、鼻の長さや髪、目の色まで記録。
 
 
あらすじ:
第二次世界大戦中、ドイツ軍エリート養成学校にて。
主人公、フリードリッヒはボクシングの腕を買われ、
エリート養成学校NaPolA(National Political Academy)にほぼ、特待生として入学する。
生まれも出身も関係なく、キャリアが積める上、
今までに経験したことのなかった特権的な立場に、
しばしの栄光を感じつつも、彼の中で少しずつ、
違和感が生まれていく・・・。
 
 
 
農家出身のフリードリッヒ、戦時中に彼がのし上がれる方法は
やっぱり軍人として・・・かな?
学校で知り合う生徒たち、みんな同じ価値観を植え付けられ、
異議を唱えるこという選択肢がない。
そんな中で唯一人、背も低くて、やせっぽっちのアーベリヒトは
軍人でエリートのパパを持つため、この学校で特別な扱いを受けるが、
誰よりも真実を見極める目と自分の価値観を持ち、
それを表現することのできる生徒、
現在の私たちには"普通な"彼も時代が違うと異端者なのね。
 
・・・生徒指導役の上官、立場を利用し、生徒に嫌がらせをしたり、
気に食わない主人公に対して、食事中にもにらみを利かすんだが、
その様子があからさまな上、かなり気味悪い。
視覚的にエッチなシーンは一つもないのに、
・・・なんだか、ゲイ兄ちゃんが好きそうな映画だな。
 
 
 
 
 
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ブログでお世話になっているmoさんお奨めの一本。
ポスターからは想像できないほど面白かった映画。
そして、エモーションがひねくれている私が
恐ろしく何度も泣いて、何度も共感した作品。
 
あらすじ:
東西分裂時代のドイツ、スパイ活動や尋問官として利き腕の主人公ヴィースラー。
国家に身を捧げた彼はある作家をスパイするうちに、
少しずつ人間性を取り戻していく。
 
 
こちらの作品は日本でも十分入手可能なので、
コメントは控えめに・・・。
 
ポスターを見た限りでは、盗聴趣味のおっさんの話みたいに見える・・。
しかも、イタリア語のタイトル"他人の生活"だし、
いや、ドイツ語の原題を訳したらそうなんだけど・・。
 
最低限のものしか置いていないヴィースラーのアパート、
街の人々がバーで注文するのはミネラルウォーター、
共産圏という政治体制の中で、自粛しなければならない自己・・・。
 
主役がおっさんで、素敵な作家と美人の女優カップルの家庭を
スパイしたいと無表情で申し出る辺りに
一種の変態趣味を感じたが、
彼にとってはこの行為、紛れもなく
国のため、自分のキャリアのためであり、誰かの物音を聞いて心をときめかせていたわけではない。
 
 
ただ、この映画の状況よりひどいことが、現在も続いている国家が
私たちのすぐ側にあるというのに、その状況を何にもできない無力な自分、
とても悲しく思う。
 
 
 
というわけで、ドイツ人の変態性に関しては
上記の映画で多少見え隠れするのだが、
真面目と正反対の隣り合わせる"変態"、
もし、イタリア人が同じことをしていても気にも留めないであろう。
 
 
ちなみにイタリア人におけるドイツ人の定義は"つまらない人間"、
私がイタリアで知り合った数少ないドイツ人、女の子はみんなスケベで
男の子は古代の同性愛について語り、年上の教師に恋する
魅力的な方たちでした。
 
その中に一人だけ、東ベルリン出身の方と知り合った。
面白い顔と親父ギャグのペーター君、
11歳のときにベルリンの壁が崩壊したそうだ。
彼の話によれば、共産主義の素晴らしさを学校で叩き込まれ、
家族は政治に関して一切口にしなかったとのこと、
ロシア語は少し話せるのに英語の知識は全くなく、
ほかヨーロッパの友達よりロシア人と仲良くしていたのが
印象的だった。
 
"イタリアの魅力は美味しく食べれて幸せなところ"
 
・・・彼の言葉、重みがあるんだよな。
 
 
最後にSMの逆さ吊りはドイツ人が始めたそうです。
 
 
 
ヴィースラーに捧げる、スタイルカウンシルの一曲。
もし私が彼だったら、"余計なお世話"。