ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

フリッパーズギター再び

大ヒットなのはノルウェー産音楽だけではないので
今回はフリッパーズギターとその影響を受けた音楽でも
記事にしてみようかと思う。
 
フリッパーズギターは1980年代の終わりから90年にかけて
たったの3年間の活動しかしていない。
 
その割には日本の音楽界に大きな影響を与え、
洋楽性の強い音楽ジャンル"渋谷系"を生み出した。
 
彼らがリリースしたオリジナルアルバムは以下の3枚。
 
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Three cheers for ourside 海に行くつもりじゃなかった
 
全ての歌を英語で歌い、夏を意識したさわやかさ溢れる
カフェ音楽テイスト。ついでに当時のメンバーは5人。
 
ボーカル、小山田圭吾(現コーネリアス)の完成されていない
歌唱法はせつなく、日本語発音英語もあまり気にならない。
洗練された音はメジャーデビュー後もリメイクをしなかったとか・・・。
ジャケットからはスタイル・カウンシルの影響を
真正面から受けていることが見て取れる。
 
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カメラトーク
 
小沢健二に嫌気が差した3人のメンバーが抜ける。
日本語で歌いだした彼らの歌詞には
スミス並みのセンスの良さを感じるが、
おしゃれ加減はポール・ウェラーがお手本。
スタイル・カウンシルも2枚目のアルバムではパリを意識していた、
そして彼らもパリでビデオを撮影するなど、ジャパン・マネーを
見せ付ける。
 
 
イメージ 6ヘッド博士の世界塔
 
最後のアルバムは当時、イギリスにブームを起こした
マンチェスター産のアーティストたちは、あまりおしゃれに
興味の無い不良、または文系オタクだったため(って、前者はストーン・ローゼスで後者はスミスのモリッシーだ)、
アートワークはヒッピーを意識している。
洋楽ファンの集大成アルバムとして完成度の高さが歌われているが、
聴いた当時は何がいいのか分からなかったな。
 
 
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こちらがフリッパーズギターのお二人。
 
メンバーはボーカルとギターの小山田圭吾(左)、
リードギターとサイドボーカルの小沢健二(右)。
 
小山田君は解散後、コーネリアスとして音楽活動を続け、
現在はアメリカツアーもするほどになり、Kings of convenience にリミックスを頼んだり、
日本語で歌ってもらうなど、つながりがある。
 
私が小山田君の音楽に恋していた頃は高校生だったのに、イメージ 9
長いときを経て、こうやって変な形で戻ってくるんだな~。
 
 
現在の小山田君。
今も素敵なまま。
最新アルバム、Sensuous ではKings of convenience の二人が
日本語で歌う"Wataridori"が収録されている。
音もちょっと、アーランドのドイツユニットに近いものがある。
 
 
 
 
小沢健二は一時期、脳細胞が壊れたかのように"危ない歌"を歌っていた。
最近コンサートがあったらしいが、彼の音楽は好きになれないな。
 
アートワークまで洗練されていた彼らの欠点は
面白くないことである。
音楽誌のインタビューなどではかなり目を覚まされたことを覚えている、
音がよければいいんだけどね。
 
さて、かれらの影響を受けた音楽を少々紹介させていただこう。
 
 
 
電子音は使われていない変わりにピュアなテイストのメロディー、
そしてボーカルのロディーの突き抜けた歌唱法は
小山田君も真似するほど気持ちが良い。
 
アートワークからは想像もできないほど、心に突き刺さる。
残念ながら歌詞は聞き取れないけど、きっとちょっと不良なこと
歌ってるに違いない。
 
 
Still on fire
All I need Is Everything
Walk out To Winter
Pillar to Post
 
これらの曲は聞き覚えのある部分が多い、というのもフリッパーズのみならず、
ピチカートファイヴもちゃっかり使っているからだ。
街角で聞いても耳なじみのよさに気づくだろう。
 
 
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特にカメラトークでかなり盗作したであろう。
元ウェラー婦人、デイジーのバランス仲良し音楽。
 
彼ら、こんなにおしゃれでも社会的現象に対する不満を
音楽にぶつけている。しかも、こう見えても労働者階級出身。
時代的にビデオの製作も多く、当時にしては珍しく
ストーリー仕立てだったり、細部にまで凝っているが、
先にフリッパーズギターを知ってしまうと、素直に楽しめない。
 
 
カメラ!カメラ!カメラ!
 
My ever changeng moods               
With Everything To Lose
Walls comes Tumbling down
Our favourite shop
他にも拝借した音があるはず・・・。
 
↓こちらとペアでどうぞ。
 
 
 
 
 
 
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偉大なるスミス、アルバムのThis Charming manビデオは
彼らの手によって、ほとんど同じ設定で撮影されている。
 
モリッシーがちょっと気色悪い若者なのに対し、
スタイリッシュで素敵な小山田君がジェリービーンズを
散らかしているという、メルヘンなビデオだった。
 
音よりもモリッシーの書く、正直な根暗ライフに影響を受けた
小沢健二が、持ち前のプレッピーキックスで日本語にアレンジ、
Heaven knows Im miserable now とかを日本語で歌われなくて良かった。正直なところ今でも"なめんなよ"って思うことがある。
 
 
Joy Ride 
  
やっぱり農耕民族にサングラスはちょっとね。
 
スミスのビデオを元にしているのに、
不潔そうなはだけシャツではなく、
スタイル・カウンシルチックな 黒尽くめのルックス。
 
あのサングラスもポール・ウェラーのものと同じ?!
 
 あのゼリービーンズ、食べたのかな。
 
 
 
 
 
まさか、こんな不良バンドをおしゃれな二人が?!
と思われるかもしれないが、89年発売のこのアルバムは
イギリス音楽界に90年代を連れて来た、
とっても偉大なグループである。
 
特に目立つ類似部分が無いとはいえ、フリッパーズギターの3枚目、
ヘッド博士の世界塔では、
彼らのシンポジウムテイスト(限界付きトリップ)を
取り入れているのが分かる。
 
 
 
 
 
現プライマルスクリームの彼が結成した80年代なバンド。
ソフィー・コッポラ監督、"Lost in Traslation"でも
使われた音楽だが、フリッパーズのお二人にも
そのサイコ具合やいくつかの節はしっかり拝借されている。
 
この時代、無気力な若者が新モテモテくんだったのだろう、
不良好きの私にも、この不良はちょっと美徳にかけるなぁ。
そういえば、同時期、日本でもこのニューウェーヴルックの
バンドがいたっけ、"夢工場"とか言うやつ、見る度に嫌な気分がしたっけ
 
 
 

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Haicut 100
 
イギリスのおしゃれな若者バンド、なのにちょっと西海岸テイスト。
日本でも割と知られて存在らしく、渋谷のレコード屋では
中古のビニール盤にかなり高い値が
つけられていたのを覚えている。
ヒット曲、My favourits shirt は小山田君のライブでカヴァーした。
 
とってもお行儀のよさそうなメンバーたち、
ボーカルのニック・ヘイワード以外は
音楽とは関係のない職業についている(というドキュメンタリーをみた)。
 
 
 
 
彼らの大好きな音楽は私も恋したように聴き入った。
パクリをやっていると指摘を受けてもやっぱり良いものは良い。
 
そして、彼らと同じような音楽シーンの中で育った
ベルゲンの2人組み、Kings of convenience もまた、素晴らしい音楽を作る。
そんな彼らが私の初恋音楽、フリッパーズの小山田君とお仕事をしてたなんて、
何という偶然だろう!
 
アーランドとアイリックが仲直りして"依存宣言"というアルバムを製作したように
2人がまた一緒に音楽を作ってくれたらっておもうよ。
 
 
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