ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

陶器の街デルータ

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フランチェスコが輝くアッシジの側、陶器の町デルータ
 
前回は近所のヴィエトリ陶器について書いたので、
今回はイタリア中部、ウンブリア州の陶器のお話。
ウンブリア州は憧れのトスカーナ州より南に位置し、ローマからは電車で二時間。
中世には大好きなロンゴバルド族が仕切っていたが、そのうち教皇領として、
伝統的にもローマ及びイタリア色が強い地域である。
 
カール大帝のパパ、ピピンがロンゴバルド族を追い払って
教皇に土地をプレゼントしたので、ゲルマン風なモチーフと
古代ローマが同居しているような街。
 
現在におけるウンブリア州は外国人に対するイタリア語教育と
中田君が所属していとこもあるサッカーチームで有名な
ペルージアが県庁所在地。
 
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陶器の街デルータ(DERUTA)
 
なんでも無理やり陶器で町興しな
この街は、ペルージアからバスで20分、内陸部の街のお約束、
街の中心部に出るには
バス停から細い坂道を登って10分ほど、
他人の家庭事情を覗きながら着いた先には数十メートルの広場兼メインストリート。 
 
 
 
 
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窓の飾りも陶器。
 
広場の銀行もバールも肉屋も
看板は全て陶器でできているが、
観光客など来るのだろうか?
 
さらにはメインストリートの裏側は
駐車場があり、ちょっとした展望台。
ウンブリア平野が見渡せてよい景色、
きっとフランチェスコもこんな景色を見ていたのだろうな・・。
 
フランチェスコって不良仲間のように気軽に書いてるけど、
清貧思想を貫き通した聖人、アッシジのフランチェスコのことです。 
 
 
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道端のありがたいイコン画も陶器の上、ポンペイ遺跡の
"犬注意モザイク"をもじって猫注意の看板。
 
キリストの十字架は磔という恐ろしいシーンにビジュアル自体が怖いが、マリア様のひじ付近に見える天使の顔は心霊写真的に怖い
 
 
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陶器の板に描かれたイコン画
 
有名な絵画作品の一部をコピーしてるんだけど、いくつ分かるかな?
 
私はジョットのフランチェスコとフィリッポ・リッピの聖処女、
ラファエッロの聖家族と・・・
作品は知っていても作家の名前が出てこないものがいくつか・・。
 
  
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こちらは食器兼飾りの素敵なお皿。
 
ヴィエトリ陶器に比べて
細かい模様に手の込んだ丁寧な
彩色、ここまでシンメトリーな模様が手描きなら、人間の器用さには
底知れない素質があるんだろうな。
 
ヴィエトリは筆の線をわざと残したり、へたうまな果物や魚をモチーフにしているので、
もし、骸骨画家(お墓のレポート)の
私が明日にでも見習いという名の
ただ働きをしたいといっても
すぐに採用されるであろう。
 
青と黄色が基調な色の使い方がイケア
スウェーデン観光客を狙ったものか?
 
 
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デルータでは大人気の職業表札。
 
左はお医者さんで右は獣医さん。
こちら二枚ともいい年の大人の職人さんが描いています。
この平面的な表現や職業に対する先入観、
これを芸術と呼ばず、どう呼ぼうか?
 
猫の"やれやれ"が聞こえてくる。
お医者さんはしょっちゅう
半裸の女性と接しているということか・・・。
 
 
 
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街の博物館にあったそろばん、玉は勿論陶器製。
 
この街は本の数十メートルしかないのにとても立派な陶器博物館があり、
3ユーロという安い入場料の割りには
素敵な建築物(旧修道院)と
冷房が効いた明るい展示室、
ビジュアル的に楽しめる陶器が
ずらりと並んでる。
 
薬局で使っていたらしき、ハーブ保存瓶や貴族から寄付されたアンティー
陶器でできた大人のおもちゃもあり、
説明パネルがなくとも、イタリア語がわからなくとも、楽しめるが迷子注意。
 
 
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本物のデルータ陶器アンティーク。
ペルージアの外国人大学廊下に置かれているが、
一体何回壊され、修復されたことだろうか。
 
明日、ヴィエトリに行きなおしてくるので、
もっとまともな記事を書けるといいな・・・。
実は昨日、考古学のテストが受かってしまって、
中世のテスト勉強は締めくくられてしまい、ちょっと抜け殻症候群。
この脱力感、カルメンに誘われたのでしばらくナポリに行ってきます。