ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

イタリア料理に飽きたら・・・

久しぶりに"地元"のお話、といっても2月のお話、
ナポリで珍しいオーガニックのレストランに誘われ、
いつものようにカルメンとアントニオに付いて行って来た・・・
 
店の名前があまりにも地味だったので忘れたが(Gastronomia Di Piazza Bellini?とかそんなの)
古代の遺跡があるベリーニ広場に面したお店。
遺跡といってもただの穴の開いた広場で、昼間はホームレスの憩いの場になっている。
 
 
暗いお店の照明とちょっと変わったインテリア。
 
チーズをモチーフにした照明の傘(左)とリサイクルスプーンのランプ(右)
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アニス風味のビスケット、2個で2ユーロ取られた(左)、フォークのオプジェランプ(右)
 
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テーブルや椅子は70年代のものを再利用してあるのだが、デザインに統一性が見られるため、安っぽい感じよりもむしろスタイリッシュに見える。
テーブルはステンレスの淵が打ち付けてあり、足も金属製、ちょっと錆びてたな。
 
後ろの黒板にメニューとお奨めワインが書かれている。
 
脳みそをごまかして
ここがパリだと思い込みたい!
 
 
 
 
 
 
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木製の万力に立てかけられている生ハムとチーズの塊。
オーガニック素材なので
見た目がちょっと怖い・・・
安いハムの元気な赤い色は
やっぱり発色剤と色素定着剤入り?
 
ここで"オーガニック"な前菜が用意されるのだが、
イタリア料理を知らない人が見たら
岩と石の塊を食わさせると思うだろうな・・・。
 
冷蔵庫に保存されていない分、
持ちそうな青かび系のチーズや
塩気の強い、熟成に年季の入ったチーズが転がっている。
 
 
このレストラン、地下に食品貯蔵庫があり、公開されているのだが、
大きな窓付きの冷蔵庫にはハムやサラミ類がぶら下がっている、
薄暗い倉庫の中に蛍光灯で照らされる冷蔵庫の内側、
なんか、いけない科学研究所の実験室みたいだった。
 
 
 
結構な時間をかけて出てきた前菜。
前菜は地方によっては方言で"胃を鎮める物"と呼ばれる。 
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左から熟成山羊チーズ、熟成牛チーズ、燻製山羊のトーマ、ビート、
サラミ、ラード、燻製ハムの継ぎはぎ、ばら肉のハム。
 
塩気の強い熟成二種チーズはお酒のお友達、アルコールフリーの私にはパンにも合わないし、
それだけで食べると塩辛いし・・・嬉しいことに"洗練さ"が売りのこの店は前菜にジャムが付いてくる、
そう、こういうチーズはジャムと食べろと言うことだ。
 
ジャムはリンゴジャムとメロンと唐辛子ジャム、
メロンと唐辛子ジャムをこのチーズに付けていただいた・・・が、
私はベッレーという南イタリア山間部で作られるチーズの方が好きだな。
 
綺麗な四角のトーマとビートは北部のチーズのはずだが、
なぜかサレルノ山間部で家庭消費用として生産されている、
アントニオに畜産家の友人が居なければ、一生食べることも無かったろう・・・。
 
お肉の方は菜食なのでパス、いまいち食べる気がしなくて・・・。
食にこだわりのあるアントニオがおいしいって言ってたからおいしいのだろう。
 
 
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オーガニック水牛のステーキ
 
端にある粉は胡椒とクミンパウダー、
ルーコラの上に乗っかったレアなお肉。
菜食の私もルーコラ取る振りして一切れ
いただく。
お肉の苦手な感じが無くて、カジキマグロの鉄板焼きに似たテイスト、使っていないはずなのにしょうゆ味?
 
コックは日本人か?
長年染み付いたしょうゆ味の手で調理された肉には
その味が染みると考えている。
 
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シチリア風ジャガイモグラタン
ケッパーソーズ添え
 
ジャガイモを潰して、ハムやチーズを加えオーブンで焼いた料理をガットーとフランス風に呼ぶ。
 
こちらはハムの代わりになすと
ズッキーニが入っているベジタリアンライクなメニュー。
上に載ってる海苔みたいなのは
葱の揚げ物だったかな?
今回の料理で一番おいしかった一皿。
 
 
 
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リゾットのクミンソース添え、
ちょっとおしゃれなオムライスか?
 
シェフのお奨めメニューだったが、洗練された薄味のお米と
クミンソースはクリームカレーライス?
まずくは無いけど満足感にかける。
このレストラン、一皿の値段が10から20ユーロとナポリにしては高め、
よっぽど格式の高いところか、観光客しか来ないところでない限りパスタや米物に10ユーロは掛からない。
盛り付けの芸術性にお金が掛かっていることを念頭においても・・・
ちょっと高いな。
 
 
デザート
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トローネクリーム
 
 
卵白と蜂蜜を練ってナッツを入れたお菓子"トッローネ"を
固めずにムース状にしてカラメルソースと薄焼きクッキーを
トッピングしたもの。
 
皿の端にココアの粉が"デコレーション"で付いてくる。
この粉、どうしろって?
 
 
 
 
 
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暖かい梨のタルトとリンゴジャム。
 
デコレーションの粉砂糖が雪のようで
綺麗だが、点々、線になって描かれたジャム、
皿をなめるようにタルトを転がせってことか?
 
高級レストランではないとはいえ、
何処まで庶民的な振る舞いをしていいのか・・・。
ちなみに客の大半はデザイナーやカメラマン、
彫刻家といった芸術家である。
この日はフィーバーするはずの土曜の午後10時、
客は私たちを含めて2テーブルのみ。
 
こっちは正統派のカプレーゼ。
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質感の重そうなしっとりチョコレートケーキ
ブラウニー?隙間の無いチョコレートムース?
とにかくアーモンドたっぷりのナポリならではのお菓子
 
これ、直径十センチくらいあったかな?
お菓子の金額が6ユーロもするので、
このくらい質感の重いケーキでも頼まないと
ちょっと損した気分になる。
 
デザート、私はパスしたけど。
甘い物好きの皆さんには心配されてしまった。
 
 
 
ワインのストックもかなりの種類があるようで、
レストランというよりおしゃれな居酒屋かな?
 
オーガニック食材使用ということで会計の際、5人で160ユーロ程かかり、
予算には見合っていなかった代金に皆さんすっかり酔いが覚めていた。
 
このレストラン、また食べに行きたいとは思わないが、
ナポリの別の顔、芸術家の集まる街を表現しているので、
無くならないで欲しいと思う。