ミーハーも考古学も一休みして、ちょっとだけあまり見ない映画の話。
美徳の映画
Arn Tempelridderen
スウェーデンの十字軍英雄映画。
主人公のアーン(Arn)は十字軍の騎士になるべく
訓練を積んだ修道士。
偶然にも商人に成りすましていたスルタンを砂漠の強盗から
助け、お互いを認知しつつも良い交戦相手として
お互いの任務に就く。
将来を誓った婚約者セシリア、
女子修道院に身を置く彼女は修道女でありながら
アーンの子を身ごもってしまう。
そのため、院内で陰湿ないじめに遭い、彼の帰還を待ちわびている。
いち早く任務の終了を願うのだが・・・。
こちらの予告編を見ていただければ、
大体のプロットを想像することができるであろう。
話の進み方も終わり方も特に工夫は見られず、
野外博物館ファンに向けての大掛かりな中世再現に感動した
・・・というのが正直な感想。
退屈はしないけど、ちょっと美化しすぎ?
アーンって完璧な人間?
山田太郎ばりの四角デブで、素敵なナイト、アーンの良い引き立て役。
実際のノルウェー語は美しいのに、こいつが話すと一気に花が無くなる。
セシリアが受ける修道院内のいじめもキャンディキャンディ並みだし、
そこに助けに入るのがアーンの幼馴染のスウェーデン王、王妃候補・・・
シリーズとしてもう一本、
Arn The Kingdom at Road’s End
こちらはアーンが帰還して地元の問題に立ち向かうお話。
十字軍は聖地奪回に関係の無い地元民を犠牲にする、
そんなけしからん輩に憤慨する完璧な主人公、
素晴らしい騎士であるため、
なかなか帰宅許可が下りず、戦い続けるのだが、
前回助けたスルタンの恩返しにより、
無事、スウェーデンに帰り、自分の生まれた村で
普通の人生を送る彼だが、
ここにも問題が・・・。
バラしてしまうとXジャパンのコンサートで
ヨシキがするような結末です。
アラブ語を解するアーン、スルタンとは常に彼の言語で会話を、
モデルはフリードリッヒ2世か?
もう一本、興味深い作品を。
Das Jesus Video
こちらはドイツの映画。
2回に渡って放送され、短縮版として3時間のものが出回っている。
エルサレムで発掘するドイツ人考古学生ステッフィンと
遺跡の中から見つかった意味不明な2千年前のソニービデオパックと現代医学の治療が施された骸骨。
これをきっかけに遺跡の発掘が打ち切りになるばかりか
謎の団体に襲われる。
・・・ちょっとバロック?
ドイツのテレビ映画は妄想とスクールウォーズが同居しているものをいくつか見たが、
こちらもその要素はたっぷり、ただ、考古学が絡んでくるあたり、
結構面白い。
しかし、変態性?
金髪の素敵なおにいちゃんがパンツ一丁で街を逃げ回ったり、拷問にかけたれたりする辺り、
ちょっと見物・・・。
古代のキリスト教に関する知識も面白いし、
謎解きも複雑で興味深い、ただの学生も知識とひらめきでお金をかけずに
ここまで研究できるんだなぁ・・・と言う関心映画、彼らが払った犠牲はあまりにも大きいけど。
一緒に見ていた人たちから"射撃練習せよ"とのアドバイスを受けた。
それだけそういうシーンが多かったのだが、
実際ここまで追われるような研究にありつけたら
それはとても幸運なことである。