ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ロコロトンド ベルゲンの妖怪たち

 
ミーハー記事の続きでございます・・・。
 
今回でこの手の話は終わりにして、明日から真面目な考古学生に戻ります。
 
 
書き足したいことを思い出しながら書いていこうかな?
 
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発掘ラボで荒れまくりの汚い手で失礼・・・昨晩、この汚い手(大腸菌つき)を握ったアイリック、お腹壊してたりして
 
 
少しだけ冷静になってカメラのメモリーをチェックしてみた。
すると、ボケボケのライヴ中の写真とビデオが記録されているではないか!
アブディクションじゃなかったのか?
 
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ボケていなかった写真の一枚
初めて私のブログを訪れる方へ・・・・左の赤毛がアーランド、右のハンサム役がアイリック
 
 
 
 
 
こちらがカメラに収まっていたビデオ。
なんとも意味不明な内容である、アイリックがボーダーのシャツを着て"似合う?"ってところ、
演奏中のビデオで無いところが非常に不気味。
 
さて、舞台を駆け足で去っていくアーランドの後姿で目覚めた私、
一体何が起こったのかわけがわからないまま、椅子にとりあえず腰掛けて持参の水を一口。
 
目の前の人だかりと舞台を片付けている人たち、
しばらくするとステージ脇の人ごみがうるさい。
 
アイリックがファンサービスに出てきた模様だ。
 
日本のファンと違うのは用が済んだらさっさと帰る、
そしてファンじゃなかったのにコンサートが良かったことを伝えるために待っていたりする、
後をつけたり、変な注文を付けたり、動物園のパンダのように扱ったりはしない。
 
一つ前の記事で書いたとおり、私もアイリックの親切で写真を撮って退散した。
 
実はアイリックと写真を撮るとき、逃げて回ったことにはアホな理由がある。
 
彼に対して少女マンガに出てくる素敵な男性像を重ねているため、
どうでもいい不安が付き纏っていたのだ・・・・。
 
"彼のわきの下が匂ったらどうしよう・・・
 
彼の汗がべっちょりと自分の衣服に付いたらどうしよう・・・
 
玉ねぎ臭かったら・・・"
 
いくら嗅覚が鈍感とはいえ、こういうシュチュエーションでは生存競争に関わるため、
結構敏感に働くものだ・・・あほな妄想のために少々逃げ回り、躊躇し、
一緒に居た親切なイタリア男アンドレア君に連れ戻されて、何とか写真を撮ったのだが、
やっぱり完璧だった!
無臭で親切、いや爽やかな汗の香りはサッカー部の花形スターだ。
ここまで完璧だったとは!
 
実はポーの一族の生き残り?
 
 
記憶が無いとはいえ、コンサートも見れたし、未来のベルゲン市長とも握手できたし
満足、満足・・・、去り際に唯一アーランドのサインをもらったおっさんファンの写真をとって、帰路に着く。
 
珍しく何か買って飲みたくなり、ビアホールへ立ち寄る、
普段だったら、小銭を出し渋るケチな私はホテルに買い置きしてある水で過ごすのだが、
この晩はなぜか無性にファンタが飲みたかった。
 
ビアホールのレジでちょっと待たされた、そしてもらったストローの袋を2回もごみ箱に入れ損ねた
やっと拾ってストローを缶に差しておいしく飲もうとしたところ、
赤毛トロールと目が合った!
 
ベースのライブバンドメンバー連れ添って足早に去っていく猫背
ノルウェー人はイタリア人に比べて歩くのが早い、1分、1分だけ考えた。
あんまりファンに邪魔されたくないだろうな、とか、プライベートタイムだから断るだろうな・・とか
そうしているうちにトロールはどんどん遠ざかっていく。
 
意を決して走って追いかける、
 
"すみません"
 
ノルウェー語で声をかけると振り向いたのはアーランドだけ、
そりゃそうだ、彼以外はノルウェー人じゃないからね。
 
写真撮ってみたいなことをノルウェー語で言うと普通に
 
"Ja,(いいよ)"
 
・・・・私のノルウェー語は通じたのだろうか?
 
"ちょっと待って、あんた私のノルウェー語わかったんじゃないでしょうね?"
 
"・・・Ja"
 
カミッラでも理解不能な私のノルウェー語の発音・・・しばらくアーランドを見つめてしまった。
 
ベースの男がカメラを構え、写真を撮ってくれたのだが、
あわててメガネをはずした私、もう一枚撮ってくれることにはなったが、そのとき、
記憶の全く無い写真で埋め尽くされている私のカメラのメモリーはフルに。
 
ベースの男はあきれて消えたそうだった。
一方アーランドは私にいらない写真を消すように言うのだが、
以前にも書いた通り、新しくしたカメラのため、使い方がわからずあわてる。
 
"ごめん、ごめんね。"
 
"大丈夫だよ、待ってるから"
 
待っててくれるやさしいアーランド、気になるのは奴の鼻息が妙にうるさいことだった。
こっちの彼はアイリックと違って変な妄想を抱いていないので、
獣臭かろうが、汗がべっちゃリ服に付こうが、ポルノ雑誌もって歩いていようが全くかまわないが、
この鼻息、一体どうしたの?呼吸障害?
 
使い方がわからないなどイタリア語でぶつぶつ呟いていると
 
"イタリア語話すの?"
 
・・・何も答えず、危ない微笑で返す。
 
撮った写真の再生をしてみると写真はきちんと撮れていたので
 
"ほら、ちゃんと撮れてるよ、いいよこれで。"
 
本当、これでよかったのだが。
 
"だめ、撮りなおし、待ってるから一枚消して、もう一枚撮りなさい。"
 
と言うアーランド。
 
ベースの男がイタリア語で話し始めたので、
私も図々しくなり、いろいろ注文を付けた。
 
話し方がインタビューのときと全く同じ、静かにゆっくり話す彼は眠りの粉をポケットに忍ばせているのか、
この数分のやり取りですっかり睡魔に襲われ、その場で眠ってしまいそうだった。
 
ただ、一枚目に撮った写真がまずかったかどうか、今とはなってはわからないが、
時間に追われる芸能人が親切で私の間抜けに付き合ってくれたことや
一緒に写真を確認したときに聞こえた、あの荒い鼻息は宝物である。
 
もう一枚撮るための消去してしまった一枚目は何がだめだったのか、
アーランドは足元のプレイリストすら読めないほどの近視メガネ君であり、
私は月がUFOの襲来に見える乱視メガネレディである、瞬時に確認してよく見えるわけが無い。
 
たった数分の時間をシェアしただけだが、目の前に大好きな音楽を作る人がいるのに対し、
興奮より安心感を覚える変な自分。言ってしまえば似たもの同士?
 
 
取り直した写真を確認した後、"やだー!これ太って見えるじゃない。"など、
イタリア語でつぶやいたため、イタリア人であるベースの男はイタリア人らしく逃げるようにして
アーランドを連れ去って行った。
 きっと、"太って見えるのでなく、実際に太っているんだ"とでも思ったのだろう。
 
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左・本人、こんな雰囲気 
右・混乱の末に撮った一枚、これでも営業スマイル。今流行の心霊写真風にいじったのは私です。
 
泣き出した子供たち、このゆるい感じに恐怖を感じるのだろうか?
 
わかりやすく説明すると、彼、ガラスの仮面北島マヤを極端にしたようなタイプ。
 
後日、この会場で知り合ったファンと連絡を取り合うとこんな意見が。
 
彼と未知との遭遇をしたイタリア人はステージの上とはまるで別人の彼に
驚きを隠せないようだった、そしてそのほとんどが皆さん、アーランドの名前すら知らない方たちでした。
 
しかし、あの時、ファンタが飲みたくならなかったら、ストローの袋が一発でゴミ箱の放り込まれていたら・・・
そしたら、こんな偶然はなかったんだよね。
 
 
Using the Guardian as a shield

To cover my fat against the pic.

I do not mind about your breath