ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

祝福のお菓子は呪いの味?!

朝の午前9時から午後8時までお仕事のカルメン
お帰りは午後9時。
 
そんな忙しいカルメンが、毎週のように同じお菓子を焼いている、
まるで呪いにかけられたかのように!
 
カルメンが作るお菓子は"ピオ神父のケーキ"という、自然発酵のシンプルなお菓子である。
 
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見ての通り、シンプルで癖がないので
お手製ジャムを塗って食べるもよし。
 
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 危険なへーゼルナッツクリーム、ヌテッラを塗ってアレンジするもよし。
 
 
お砂糖控えめで美味しいかもしれないが、そんなに連続して焼いていたら流石に飽きるはず。
そんなお菓子をそこまでして焼く理由は・・・、
 いわゆる幸福の手紙、チェーンレターシステムが原因だった!
 
小学生の間でよく回る"不幸の手紙"をご存知だろうか?
 
"この手紙と同じ内容の手紙を3人に出さないと不幸が訪れます。"
 
とかいうやつ。
 
 
このお菓子は焼く前に3カップ、別に取って置き、
次に焼くときの種とするのだが、
 
3人のお友達におすそ分けすると幸せになれるそうだ
 
どっちにしろ、一回焼いただけで
3カップ分の自然発酵の種が自動的にできてしまう。
 
食べ物が捨てられないカルメンの場合、
上げ損ねた種で、ケーキを焼き続けなければならないという
責任を負ってしまったわけだ。
 
更には、お菓子を作るに当たって、いろいろとめんどくさくて、
非合理的な掟がある。
 
1.プラスチックの容器は使ってはいけない。
2.木べらで混ぜること、ミキサー使用は厳禁
3.焼くときは金属の焼き型を使うこと(シリコン不可)。
4.冷蔵庫に入れてはいけない。
5.食べる前に感謝の気持ちを込めてお祈りすること。
6.お菓子を進められた者は断ってはいけない。
7.捨ててはいけない。
8.第一日目は日曜日にすること。
 
10日間かけて作り上げるそうだが、
ピオ神父の典礼、お仕事が日曜日なので、日曜日に作り始めなければいけないそうだ。
 
一日目は小麦粉を量って終わり、二日目は砂糖を加えて終わり・・・・
六日目、触るな、7日目、放っておけ、8日目・・・10日目、オーブンに入れる前にお祈りをすること。
 
実質的には材料を加えて、混ぜるだけ。
自然発酵のため、時間をかけて作るのだろうが、
お仕事でお疲れのカルメンにはちょっと重荷。
 
ちなみに5日目に混ぜるのを怠ったカルメン
六日目にはしっかりダマができて、ハンドミキサーを使う羽目に。
お菓子の生地をミキサーにかけている途中、ミキサーから煙が出てきて壊れてしまった。
"昨日、生地をかき回さなかったから、神父様がお怒りになった!"
 
と、言うカルメン
 
・・・一日サボっただけで、こんな災害が!
それとも、使ってはいけないハンドミキサーを用いたからか?
なんと恐ろしいケーキだろう・・・・ってカルメン、あんた今いくつ?
 
 
先週の日曜日、自宅に戻ろうとする私に
 
 
 
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"ねえ、この種、一カップ持って行かない?"
 
 
 助けてピオ神父様!
 
責任が取れないのでお断りしました。
 
・・・インターネットで調べたところ、
このケーキの種は友愛の印として
友達にあげるそうだが、実際にこのケーキを作った方の体験談では
悲しいレポートが多かった。
 
-毎日、ケーキの世話を焼いて、十日おきにケーキを焼き続けるのはうんざり、
2回目、3回目には誰も種をもらってくれません、最後は捨てました。
 
-もう、誰も食べてくれません。
捨てても不幸は訪れませんでした。
 
-娘の誕生日とケーキを焼く日が重なりました。
神父様のケーキの他にも3つのケーキがあり、
減りません、捨てるのは怖いのですが、何か良い方法はないでしょうか?
 
 
 
こんなところで名前が使われちゃって、かわいそうな神父様・・・。
 
このケーキのレシピは不幸の手紙同様、
多少の違いが見られる。
 
リンゴ入りだったり、アーモンドいれたり、自然発酵なのにソーダを足したり・・・。
下に貼り付けたビデオのケーキは豪華版、リンゴ、レーズン、レモンの皮まで入っている。
手前に3カップの種が見える。
このおば様、誰におすそ分けしたんだか・・・・。