ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

#歴史

隠者生活再び

6世紀後半に発生したべネディクト派修道会は 教皇グレゴリウス1世の力添えもあって勢いのあった コロンバヌス派のアイルランド、ケルト教会系の修道院を押しぬけて 西洋キリスト教の基本戒律として定められる。 9世紀頃、地位を利用した教会汚職に腐敗聖…

クリュニー修道会 ベネディクト派発展

自分の陣地ではないので、うまくまとめられるか少々不安ではあるが・・・。 10世紀にフランスを中心に発展したベネディクト会からの派生修道会である。 本題に入る前に: 8世紀後半、カール大帝により修道院は学校としての機能が大きい部分を占めるように…

ベネディクト修道会 発展そしてクリュニー修道会へ

ベネディクト修道会は6世紀にイタリア中部で生まれ、西洋キリスト教世界における修道院生活の根本を築く。 後に教皇となり、ベネディクトの戒律を修道院の基本概念に制定したグレゴリウスもまた、 貴族階級であり、執行官になるべき教育を受けたが、神に身を…

ベネディクト修道会 派生

西洋におけるキリスト教を語るに当たって、いくつかの修道会とその戒律を紹介せずには ただの歴史的出来事を並べているだけに過ぎず、触った程度のことしか書けないので ここで少々、いくつかの修道会について触れておきたい。 ローマン・カトリックにおいて…

2人の教皇 西方教会大分裂

西方教会第4期は権力を増したフランスの言いなりになる教皇と教会民主制の時代。 フランス国王及び、国家形成、 ドイツの領主制の存続とドイツ王すなわちローマ皇帝という形式の確立(教皇から戴冠させることなく皇帝にさせるための図式の確立)、 教会の最…

アビニョン捕囚

西洋キリスト教史も第4期(1300-1500年)に突入。 前期では教皇と皇帝の力比べ、教会権力の拡大からフランスにおける政権の成長に アヴィニョン捕囚という事態を招くイントロで幕を閉じた。 敵であったスワビア権力はフランス貴族のアンジュー家により断絶し…

インノセンティウス3世とボニファクトゥス8世

教皇と皇帝の地位争いが始まる12世紀から13世紀にかけて教皇領を守り、 またその地位と権力を皇帝に見せ付けた教皇であるこの二人、 独自の軍隊を持たなかった教皇領では外からの圧力に対し、 皇帝に頼らざるを得なかったわけだが、カール大帝、オットー1世…

大学の出現

西洋における大学とは日本の認識とは少々違っている。 大学をイタリア語で Universita’ degli studiと、書く。 ユニバーサルに勉強するところというわけだ。 つまり、国籍や文化を問わずに学問を学び、発達させていくところというの本質…

托鉢修道会

托鉢修道会とは・・・ 清貧思想をモットーにすべての世俗の欲を捨てて慎ましい生活を送る修道僧たちの団体である。 13世紀初頭に生まれ、教皇から認可を受けることに成功し、現在に至るまで その団体の名前は残されている。 フランチェスコ修道会とドメニコ…

異端裁判と清貧思想

清貧思想はクリュニー修道院及び、オットー1世の時代に聖職者の特権を利用して私腹を満たしていった教会関係者に対し、キリスト及び12使徒たちの貧しい生活を手本にした聖職者の生活見直しにより広まった。 それまでの経緯 ザクセン王でローマ皇帝であった…

十字軍遠征

十字軍遠征は聖地奪回という名目の下、 あまり御行儀のよい行為も数多く行われてきたことは周知の事実であろう。 実際、何がここまで民衆を掻き立てたのか、一種の集団催眠術であるとも言われている、 私の興味でオカルトサイトを検索したなら世界の怖い話に…

東西大分裂

1054年に西側のローマン・カトリックと東側の正教会が分裂した事件である。 この二つの教会は政治的に二分され、いくつかの道のりを経て、組織化に違いが見られる。 統一はむづかしく相互破門で決着をつけたというものだ。 ローマの下、東西に分かれて政治を…

二つの剣

中世ヨーロッパ西側において、2つの権力が存在していたことは既にお気づきであろう。 これを"二つの剣"と称した。 それは宗教的な世界を司る教皇と世俗の権力を持つ皇帝をさすのだが、 この時代の2つ剣は両方とも教皇に帰属する解釈がある。 世俗の権力は教…

オットー1世"再編成"

カール大帝の時代が終わると、少々頼りなくなるカロリング朝。 教皇もその動きを読んで、より強い従者を付けるべく、新しい皇帝選出にかかる。 イタリアの歴史教科書ではカール大帝が第一代目として大きく書かれているのだが、 地域によってはそれが認められ…

カール大帝のクリスティアニティー

初めに歴史の勉強をするに当たって、年代丸暗記法という最後の手段が残されているのだが、 歴史を聞いてそれだけが手段のように思われがちなので、 今回は冒頭に有効な歴史の勉強法を書き出してみようと思う。 歴史の年表が頭に入っていると勉強に役立つが、…

ヴィンフリッドの努力

西洋キリスト教の第二期700年から1050年までの約300年間について書き始めよう。 この時代は教科書で触れる中世の始まりであり、そこには欠かすことの出来ない要素として キリスト教があることを念頭に入れていただきたい。 先に述べた次代に比べ、学校の教材…

ブリテン島の二人

ヨーロッパ世界のキリストは地中海世界から北上する形で押し上げられ、 中世期の西洋を形成に多大なる影響を及ぼした。 今回はその初期、第一段階の最終回、ブリテン島のキリスト教について。 ブリテン島はずばり、現在のイギリス領土である島であり、 4世紀…

島ケルト人のクリスチャンランド

アイルランドのキリスト教のお話である。 ゲルマニアより先にキリスト教が伝来し、独自のルールが築かれた当時の辺境地。 ブリテン島は古代ローマの植民地であったため、すでにカトリックとして司教区が築かれていたものの、 スコットランドやアイルランドは…

クローヴィス、洗礼の目的

ドナウ、ライン川に引かれた境界線を破って流入してきたゲルマン民族。 ここで少々疑問に感じるのはどのように教会が生き延びて行ったかである。 古くから司教区の置かれたガリアとゲルマニア、現在のフランスとドイツのあたりでは いくつかの司教区が生き延…

西洋キリスト教の歴史 アリウスとアタナシウス

中世のキリスト教を語る上で忘れてはいけない存在である 2人の宗教家、アリウス(Arius)とアタナシウス(Atanasius)。 古代末期にはこの2人の教義が対立し、現在のカトリックにおける基盤が築かれたのだが、 その経緯について話しておく必…

西洋キリスト教の歴史

この話題はローマを中心とした教皇との関わりに重点を置いて 展開して行こうと思う。 西洋社会にこの宗教が入り込んでいったのには著名な宗教家や思想家における 数多くの功績もあり、古代多神教の世界であったイタリアおよび、地中海、北方ゲルマン世界に …

リーセ・クロステル修道院跡 西ノルウェー

ベルゲンより南数十キロ、隣県オス(OS)との間に残る 修道院跡は1146年建立。 当時は"リーセ聖母マリア修道院"の名で呼ばれていた。 フランスより派生したチトー派の修道院である。 ご存知の通り、ノルウェーのキリスト教はイギリス伝来である、 この…

アドレナリン分泌促進の地、ギスケ島

記事にして、あほな観光客に踏みにじられたくないので 触れずに自分メモリーとして閉じ込めておきたいのだが・・・・。 ギスケ島はオールセン沖に浮かび、12世紀に建てられた教会がある、 12世紀といえばオラフ・トリッゲヴァソン王によるノルウェーバイ…

中世ラテン語文学 中世前期まとめ

中世ラテン語の定義 ラテン語はローマ時代からの名残として当時の支配層、または教会関係者間で交わされる 書簡に使われてきた文語にゲルマン民族諸語が混じり、 中世ラテン語が完成されていった。 文学と出版について グーテンブルグの活版印刷まで、書物の…

7世紀のヨーロッパ 中世ラテン語文学

7世紀のヨーロッパはゲルマン民族による境界線の誕生と陣地争い。 政治的にはフランク族、メロビング朝がフランスを治め、 西ゴート族、スワビア族はイベリア半島を イタリアはロンゴバルド族とビザンチン帝国によって支配されていた。 未だに落ち着かない…

6世紀のイタリア 中世ラテン語文学

6世紀のイタリアといえば、476年事実上のローマ帝国崩壊からわずか24年、 ショックから立ち直れぬ状態であった。 例えて言うなら、南アメリカ人がアメリカ合衆国に押し寄せ、 オバマ大統領を監禁し、天下を取ったつもりでいるところ、 中国が武装してオバマ…

中世ラテン語文学 ラテン語と中世の定義 ラテン語編

ラテン語と聞いて・・・ 理系の方なら学名に使われている言語、 文系の方ならどこかの国で使われていた言語、 キリスト教の方ならバチカン市国の共通言語で 特にカトリック教会における聖職者様及び神学生には 必須科目であった、神の言語。 考古学的にはロ…

中世ラテン語文学 ラテン語と中世時代の定義、中世ってなに?

一言で中世といってもはっきりとした年代で区分することは 未だに定義されていないため、ヨーロッパ諸国内においても 多少のずれがある。 イタリア人の得意のエティモロジア(Etimologia)言葉の意味論で この言葉を分析するなら Medioevo=中間の時代=時代…