ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ダニーとカミッラと秘密の部屋

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今回の記事は歴史と下品のフューチャリング記事です。
 
 
 
ローマ美術と考古学テストを終えた後に再訪したナポリ国立博物館
白黒の写真でしか見たことのなかった実物の絵画や
本の中で出会った古代の文豪さんたちとのオフ会のような
懐かしい気持ちにさせてくれる石像で一杯だった!
 
一人ひとりとの再会を紹介するより、カミッラが過剰反応する
あの部屋のお話をしてみようと思います。
 
ナポリ国立博物館には14歳以下立ち入り禁止の
完全予約制"秘密の部屋"が存在する。
 
展示品はローマ時代に崇拝されていた、生産の神プリアポリスの偶像や
ルパナーレ(売春宿)などで展示されていた壁画の一部など。
 
 
 
こういうやつです↓
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私は訪問したときは来館者は少なったため、予約なしで入場することができたが、
学芸員のおじさんがとても辛そうな表情で何も言わずに入り口まで退場していった。
きっと外国人の娘が一人でこんな部屋に入ることに対して申し訳なく感じたのだろう。
テレビで裸の娘が踊っているのに、古代の習慣を恥ずかしいと思うメンタリティーの方が信じられないけど。
 
さて、どんなものが見られるでしょう?
 
 
すごいビジュアルのランプ
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頭の上から油を注いで、すごいところから火が灯されます。
ローマ時代にはすでに蝋燭の存在が確認されているが、
使用する際に不快なにおいが発生するらしく、オイルランプが好まれたそうだ。
現在私達が使っているような蝋燭は19世紀前半に製造されるようになったそうです。
 
 
 
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そういえば、以前ポンペイ遺跡のガイド用テキストを翻訳していて、
その時代の幸福のシンボルが男性器のフォルムで、
家や公道に記されているという記述があったな、
笑い転げすぎて翻訳に手が付けられずに期日を守れなかったっけ・・。
 
←この写真も家庭に飾る
幸福を呼ぶお守りの一つのようだ。
もしこの風習が続いていて
子供がこういうのをお守りがわりに
ランドセルなんかにつけてたら
どうしよう・・・。
 
 
 
 
 
墓標
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いつの時代のものか説明が曖昧だけど、まだラテン文字が成立していない頃かな?
刻まれた文字はエトルリア文字とギリシャ文字が混じっています。
どっちにしろこんな墓標の下に眠る人はどんな人?
 
 
小さなスペースに展示されているものも、最初こそ興味深いけど、
流石に感覚が慣れてくるのか、古代の文化として大理石像や
青銅器でできた芸術品を見ているのと同じ感覚になってくる。
 
"秘密の部屋"なんてタイトル付けて入場を制限したりするから、
"そういう"興味を誘ってしまうことに気づいたらどうかと
ナポリ考古学協会に言いたいところだ。
 
 
 
↓私的にはこっちの方が秘密の部屋行きだと思う。
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牧羊の神パンと少年アポロ(?)説明パネルがないので、定かでないけど、
ギリシャ神話パンとアポロの笛競争のエピソードがある。
これを注文した人はどんな用途を想像していたのだろうか?
トロンプルイユ装飾の部屋のインテリアとして?
 
 
 
古代ローマの日常生活コーナーの展示品たち。
 
こちらは家庭に必ず2像はあったラーレス像。
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古代ローマにおいての家内安全祈願にテーブルに置くのが習慣だったとか、
双子の神様とのことで2体がスタンダードらしい。
夜中に台所に行くのが嫌になりそうな不気味さだな。
 
※写真の展示品はテーブルに置く偶像ではなく、ドアノブとして使われていたそうです。
 
 
 
鍵と錠前。
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どんなに鍵をかけてもドアが木製だから、入られるときは入られる。
こそ泥対策にはなるかもしれないけど。
 
 
 
 
古代ローマのたこ焼き器
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ローマは関西圏と聞いていたけど、こんな時代から?
と思いきや、残念ながら鉄器のお皿だそうです。
一皿で色々な味を楽しめる小鉢料理用の器だとか、
食道楽民族だったらしいので、なんとなく納得。
 
 
 
下半身だけの像
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妙に恐怖心を誘う作品だけど、上半身は街の補強用としてロンゴバルド族にリサイクルされたんだろうな。
 
"Silenzio(静かに!)"の看板があったけど、
一番うるさいのはコーヒー飲んで
集まっている警備員のおっさん達だ。
各部屋で見張りをするのがお仕事のおっさん達が集って
楽しい午後のコーヒーパーティを楽しんでいるおかげで
内緒写真が撮れたんだけどね・・・。
 
 
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ついでに、こちらはミネルヴァの鎧に
付いていたメドゥーサの彫刻。
見た人を石にしてしまうので、
戦争では効果がありそうだが、
こんなコミカルおっさんチックな
メドゥーサだったら
面白おかしくて戦争放棄になりかねない
 
 
 
イタリアには沢山の博物館があるのだけど、
ドイツやイギリスのものに比べて随分不親切なので、
ある程度の知識がないとただの古物回収品にしか見えないかも。
 
ノルウェーやイギリスの博物館はあんなに面白いのに・・・。