ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ナポリのおフランス、アンジュー家の城

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Castel nuovo(カステル・ヌオーヴォ)
通称アンジュー家の城と呼ばれる
ナポリの海沿いに建つ3つのお城の一つ。
 
 
おフランスなんて言ったら、ロココ
 
残念ながら、今回の記事はフレンチゴシックなお城のお話です。
 
お城を建てたのはフランス貴族のアンジュー家から来たシャルルさん、
イタリア語だとカルロさんです。
 
歴史の豆ちしき
教皇神聖ローマ帝国も恐れない、海の暴れ坊バイキングの末裔ノルマン人、
子宝に恵まれずに、イタリア大好きドイツ人の権力者ホーエンシュタイン家と
政略結婚によって、やっと子孫を残すことに成功するが、
事実上、ドイツ人にのっとられたことになる。
 
ちょっと変わった人道的な政治を行う家系の変わり者フリードリッヒ2世の時代に
弱体化した隙ができ、1266年イタリア好きのフランス王家、
アンジュー家にテリトリーを根こそぎ持っていかれてしまった。
 
イタリア半島の南半分とシチリア島という、広大な土地を持っていた
シチリア両王国、首都はシチリアに置かれていたが、
フランスの方々は、海運交通上、港をナポリに置き、
首都を移すと、ナポリ王国を正式名称にして
自分達の文化である、ゴシック建築で町を埋め尽くそうとした。
 
 
そのゴシックなお城の入り口部分
 
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なんだか小さい窓に、入り口はこちらのみ。
 
 
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こちらの写真、
見張り用の歩道になっていて
壁には細い縦長の窓が見えますが、
ここから、ボウガンなどを
用いて城を守っていました。
 
ちょっと分かりにくいですが、
お堀で囲まれていて、
入場の際には、人の出入りが確認できる
一つの門で守られていました。
 
 
 
門に彫られた装飾
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植物模様や天使、仮面のモチーフを見ると、
こちらは中世でなく、バロック以降の古代回帰芸術仕様、
18世紀ごろに、グランドツアーで来るイギリス人貴族の宿泊所になっていたのだろう。
 
 
門のアーチ部分にもこんな装飾が!
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紋章もブルボン家っぽいので、ネオクラシック時代だろう。
花と天使の顔が交互に並べられているって、どうなの?
 
 
門をくぐって、チケットセンターを通過し(勿論私は学生証の通行手形で無料)、
中庭へ。
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左側の階段上が入り口になっている。
入り口が沢山あるので、何処から入るのかよく分からないが、
右には、礼拝堂跡、こちらでは、教会の浪費自慢アート展示があった。
 
 
階段下のアーチ部分にも、古代の遺跡展示があり、
城見学ツアーはここに集合する。
 
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別にガイドなど必要ないのだが、
新しい発見を求めて、私も参加。
ツアーの開始を待っていたポーランド人の学生グループに
眼鏡のキュートな男子がいたからではない。
 
待ち時間で、出窓の下にあった浅浮き彫りを撮影。
 
この辺は同じ植物文様でも
トキメキが違う中世風味。
 
しかし、こんな大理石、何処から持ってきたのかしら?
 
 
 
 
 
 
 
ツアーのはじまり、はじまり・・・
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中世に建てられた城の中はとても暗いのでよく映らない。
右の得意気なおじさんがガイド。
中世の話はしてくれず、近代に入ってからの城の様子だけ説明。
 
"このツアーはスペイン王朝時代からの話しかしないって言ったでしょう、お嬢さん!"
 
私、このツアーの営業妨害に近い質問攻めで、ガイドを困らせてしまいました。
参加していたイタリア人夫婦にも、横から随分歴史の話をして、
まさか東洋人から自分の国の歴史を聞かされると思ってなかったのか、
目が点になっていた。
 
登らせてくれなかった、螺旋階段
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皆さんはエレベーター使ってください、私はこの階段で皆さんの下へ参ります・・・
と、提案してみたところ、ガイドの顔色が変わったので、辞めました。
ナポリ人は冗談好きだけど、
東洋人が自分よりきつい冗談をいうと思っていないんだろうな。
おとなしく、黙って付いて来い!ってところかな?
 
 
 
議会所の天井、ビバ!ゴシック美術!
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星型の複雑な構造が興味深いけど、
その下のお部屋は8角形ではなく、長方形の普通のお部屋。
議長席の後ろには大きな暖炉があったのが印象的。
暖をとるのが、当時の特権だろうね。
 
 
エレベーターで上り詰めて、4階へ。
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眺めの良いテラス、当時の住人はここからの景色を楽しめた?
政情不安定な時期だったから、その辺は謎です。
 
写真は、カプリ行きのフェリーが丁度出発するところ。
こういう日は青の洞窟は見れません、でもパッケージツアーで申し込むと
時間つぶしのために、ボートで洞窟の入り口まで連れて行かれます。
 
 
別方向では、遺跡の発掘中。
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古代のギリシャ人住居区だったので、
数年前にナポリ開催オリンピック石碑が出てきて、
植民地になった年代に新たな仮説が建てられました。
 
ここで、ナポリに初めて来たというイタリア人旅行者に
美味しいピザ屋情報を押し付け、
"ご親切にどうも"
ではなく、彼らも目が点になってました。
 
ガイドも逃げるように去っていったけど、
私の勉学に対する情熱を分かってくれたのかな?
ツアーの最後に、中世のお話を私の気が済むまで聞いてくれたのでした。
 
 
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おまけ
 
物品収納所。
流石、考古学で名高いナポリ東洋大学
お膝元、きれいに整列された
発掘品の数々。
 
誰もいないときに
こっそり中身をみてみたい。
 
 
 
こちらのお城、近代美術の展示や教会関係の展示もあったので、
また気が向いたらアップしようと思います。
 
お付き合い下さいまして、有難うございました。