ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ノルウェージャン スパルタクス散歩

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カミッラがママとサレルノ散歩に来ました。
 
スパルタクスとは、古代ローマ時代に剣闘士として活躍した奴隷の名前ですが、
それよりも聞き覚えのある"スパルタ式教育"という言葉、
スパルタとはギリシャドーリア地方にある都市の名前で、
幼少期から軍隊教育に力を入れていた軍事ポリスのこと。
 
イメージ 2こちらの図でも明確にわかるの→
一番左側の飾り気のない柱、
スパルタのあるドーリア地方で建てられていた神殿の柱である。
物理的に一番頑丈にできている柱
であり、神殿の重い屋根部分を支えるのに丁度良いつくりになっている。
 
 
そういうわけで、軍隊に身を捧げたスパルタ市民の厳しい教育から
こんな風に表現されているのだけど、
今回の記事は私にぴったりの
スパルタ式ノルウェー語練習だったカミッラとのお散歩の話。
 
前置きが長くてすいません・・・。
 
カミッラのお母様は英語も話すけど、折角の機会なので、
全てノルウェー語で話しながら、地元を闊歩することにした。
 
こうすることで、イタリア語を話さないことによる
孤立を感じなくなってほしいと思って・・・。
 
 
 
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先週末に行ったプーリア州旅行では、私のプランは全く役に立たずに
アルベルベッロにも行かないで、そのまま、カンパーニア州の海岸で過ごしたのだとか。
何もない田舎街に、少々うんざりしたので、結局ナポリに引き返したらしい。
 
イタリア語を話さないことで、観光客になった私達は
いろいろなところでボッタくられて、イライラしながら、
偶然会った、カミッラの旧友マルコの働くバールのお邪魔した。
 
暑くてもカプチーノを注文するカミッラと大卒バリスタ、マルコ
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最近できたばかりの文学カフェ、沢山の本が置いてあるので時間つぶしにはいいかも。
 
私はあまり覚えていないマルコ君だけど、
大学の中庭でお友達とよくおしゃべりしていた気がする。
 
童顔でかわいいと人気者だった彼も、ここ数年でおっさんになってしまった。
彼の親切でコーヒーはおごり。
 
"日本語学部を卒業したのに、どうしてバールで働いているのか?"
 
カミッラママからの質問に、イタリアの失業事情と
権力者によって独占されてしまう就職事情を説明するのが大変!
彼も学士号なんて意味を持たないと口を挟むし、
カミッラの厳しい発音教室も混乱を招くので、
最後まで頑張って話していると、恐ろしいほど時間が過ぎていく。
 
"God(英語のGood)"と"Gud(神様)"の発音の違い、
日本語の"う"しか知らない私にはその違いを知覚することができない!!
 
 
得意分野では上手に説明できるかと、中世教会へ。
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パラティン礼拝堂、中世前期にロンゴバルド族によって建設された、
ローマ浴場のリサイクル礼拝堂。
簡素な外見がいかにも、その時代のものを表現している。
 
大学最初のテストで、扱った遺跡なので長話に、
途中でカミッラが飽きてきて、切り上げられる。
専門用語は一度覚えてしまえば、繰り返し使えるので、日常会話より楽かも。
 
 
続いて、信心深いカミッラを中世ノルマン起源の大聖堂へと連れて行く。
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モザイクの礼拝堂とヒルデブラントのミイラ。
ヒルデブラントとは、中世の歴史的出来事"カノッサの屈辱"で有名な教皇グレゴリウス7世です。
 
全ての装飾や棺おけにイチイチ説明してたら、
母子ともにあきれられ、カミッラのカプチーノ禁断症状が始まったので、
さっさと、聖マタイのお墓のある、地下礼拝堂へと向かう。
 
 
聖マタイの墓前
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お祈りを捧げ、お布施を置いていくカミッラ。
 
コーヒーブレイクにて、日常会話に戻り、
私のノルウェー語はしどろもどろに、
彼らには休憩かもしれないが、私には試練だった。
 
その後、最近偶然見かけたナポリ時代の友人ナディアの働くお店へ。
 
ナディアはかなりくせのあるタイプで、
カミッラと縁を切りたがっていたのを知っていたけど、
ナポリで一緒に勉強をしていた友達の中でも
カミッラが一番崇拝しているお友達だったので、
連れて行くことにしたが、働いているお店がフェンディだったこともあり、
身なりの汚い私達がお店に入ることを嫌がるだろうと、
私は外でお母様と待っていた。
 
"ばかばかしい金額で、どうしようもないものを売っていて、
変なプライドばかり高いスノッブな店"
 
なーんて表現したカミッラママと、お店やナディアの文句を言い始めると、
"ある日突然外国語が話せるように!"といった語学教材のキャッチコピーのように、
急にノルウェー語が話せるようになってしまった!
 
ポジティブであれ、ネガティブであれ、何かを伝えようとする気持ちは強いのね・・・。
 
ナディアが店から出てきてカミッラママに挨拶していたけど、
困った人を連れてきた私にあからさまな嫌悪感を示し、
私の存在を無視して仕事に戻っていった。
 
格式の高い店にカミッラを連れてきたことが、
ナディアにとっては、嫌がらせだったのだ。
 
その様子を見ていたカミッラママが心を痛めているのが
私には辛かった。
 
デザイナーズブランドに対して、興味がなかった私だが、
今回のことで、大嫌いになってしまいました。
ダッサイ布や皮切れにマークが入ってるってだけで、
血なまこになって買う人の気が知れません、
同じ品質のものを買って、節約したお金をどこかに募金して下さい。
 
これで終わるのも後味が悪いので・・・
 
先日誕生日を迎えた同居人の差し入れケーキ
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土台はパイ生地、チョコレートクリームと生クリームにスポンジがサンドされている
甘ったるいけど、冷たいアイスケーキ。
暑いので、舌がしびれて甘さ加減が麻痺してます。
 
結論: 
 
途中、ヨハンネスのどうでもいい話が出てきて、
膝が震えだしてしまい、しばらくショックで話ができない状態になったりもしたけど、
何かを伝えようとすれば、多少の不便はあっても、言葉は通じる
だから、文法や発音を気にせずに堂々と外国語を話しましょう!
 
 
最後にカミッラママから、
"楽しかった有難う、ノルウェーにもっと遊びに来て!"なんて
ありがたいお言葉をもらって、嬉しくなってしまいました。
 
 
 
追記
カミッラのお友達に私そっくりな人がいるとのことで、
写真を見せてもらうと、のっぺりした金髪のかわいい若い男でした。
嬉しかったけど、男に似てるって言われてもね・・・。