会場も聖オラフの司教館から、新しく出来たばかりの
マリアゴード館に移り、2010年から参加している私にも
顔見知りあり、初めて会う人ありの出会い広場になってます。
カミッラママもここで交流を深めているので
毎週金曜日には電車で20分程の地域からオスロまで来て
お友だちと楽しく会食しているようです。
以前はノルウェー人のオバちゃんが料理を担当していたけど、
今はチリ出身の女性二人が中心になって
準備しているようでした。
過去記事
私の人でなし具合がうかがえます。
だから、メニューがちょっとラテン系。
パスタサラダとカマンベールのカナッペ。
飲み物はリンゴベリーの果汁数パーセントと水と砂糖のジュースです。
数日前まで暑い日が続いていたらしく、
爽やかなメニューを作ったようです。
前のように肉団子とか、ポテトサラダとか、フィッシュグラタンのような
ノルウェーで良く食べるメニューと違う上、
調理するのは一品のみになった。
豚肉をトマトで煮込んだシチューとお米というメニューの日もあり、
チリ料理だとボランティアスタッフは言っていた。
今でも思い出すのが、カミッラがこのボランティアをしていたときのこと。
ニンジンポタージュを作ると、前日から材料を買ってはいたが、
そんなに簡単に作れるわけではないので、
スパイスを焦がしすぎて、会場が辛い煙で立ち込めてしまい、
その場にいた人たちが外に避難していたこと、
ミキサーがないので、スープがポタージュ状にならないばかりか
材料の分量を全く無視していたので
ニンジンだらけの激辛トマトスープに出来上がってしまい、
お年寄りの多かった当時のランチでは、
誰も食べたくないスープになってしまったこと。
カミッラママは心配して、それ以降は冷凍食品のピザを
持って行くように勧めていたらしい。
野菜スープとパンのランチ。
野菜をこれでもかと煮込んだスープと
ノルウェーの胚芽パン、ベリーとバナナのデザートメニュー。
会食の前にお祈りがあって、その後にボランティアスタッフが
勝手にサーブしてくれるという、
以前のセルフサービスとは違い、強制的に皿に盛られます。
ラテン系のサービス精神はさすがだ!
このスープはナポリババアが作るような野菜ドロドロスープで
幾らでも食べれます。
・・・私がオスロに着いた日から、雨続きの寒い日が多く
温かいスープの有難味を感じました。
このソーシャルディナーの素晴らしいところは
聖オラフ教会に従事する神父さんが、お顔を出されることです!
カルロ神父
かわいいお爺ちゃん神父のカルロ神父は
イタリア人で9歳のときに日本へ赴任し、
九州、東京、札幌と長い間住んでいたということで
日本語もお話になります。
そのときの話も懐かしそうにしてくれました。
・・・ただね、アルツハイマーなので、どこまで本当かはわかりません。
カミッラの話では日本にいるときに、
日本人女性と極秘で結婚したとか話したこともあったそうです。
私たちがイタリア語で話している最中に
急にスペイン語やフランス語になってしまったりして、
アホの私でも何故か、ラテン語圏の言語は理解できるので
そのまましばらく黙ってましたが・・・。
話の最中に自分が生まれたフランス国境の村と
イタリアの南北問題を話し出したり、
まるで志村けんのジジイコントを見ている様で
不謹慎な私は笑いをコラえるのが大変だった。
そこへ、カルロ神父の症状を知らないチリ人の男性が入ってきて、
“神父、それと今の話に何の関係があるんですか?
それ、さっきも同じことを言っていましたよ。”
なんて、真面目に横槍をいれるので、
それはもう、“笑ってはいけない”状況を更に重くし、
ポーカーフェイスがいつまで持つか心配すらした。
横でカミッラが爆笑しているしね・・・。
地球の全人種集合ビンゴ大会。
このランチはビンゴ大会(くじ引き大会かな?)があります。
数字を一枚250円ほどで買ってもらい、
集めた収益はランチの実費と教会への寄付となるようです。
数字を読み上げているのがボランティアスタッフ。
チリ出身のお二人で、金髪の女性はカミッラと毎回ランバダを踊ります。
自分のくじが当たったかイチイチ誰かに確認しなくても良くなりました。
図々しくもカルロ神父の隣で食べることが多かったんですが、
このくじ引きが始まると、なかなか良い話を聞かせてくださいます。
“このランチは聖書の楽園風景に似ていると思うんだけど、
君はどう思うかな?
ここには国籍も人種も言語も違う人たちが集まって
一緒に食事をしたり、くじ引きを楽しんだりして、
みんな一つになって一緒に時間を過ごすんだ。
ここに来ると、いつも元気をもらえて
いつお迎えが来ても、幸せに終われる気がするんだよ。”
確かに、以前よりも沢山の違う国籍の人たちが
お互いに混じりあって親睦を深めている。
私もこの会場に居ることに対して、全く違和感を感じない。
それに、くじ引きの景品がこれだしね。
中身は全部確認してませんが、
雑誌は確実に、ご婦人が読み終わった後のバックナンバーです。
覚えている景品は、祝福入りのろうそくとか、
額縁に入った聖オラフ教会の写真、
今回は消耗品の台所用ふきんや緑茶のティーパックもあった。
陽気に番号を読み上げるチリ人の女性たちと
カルロ神父に気に入られて、立ち上がれなくなった私。
ノルウェー人のお婆ちゃんたちも、
私にノルウェー語を教えようと必死だし、
ベトナム系の女の子たちもちょっとシャイで人見知りするけど
何度も顔を合わせる内に昔からの知り合いのように
話してくれるようになった。
“いいカメラがあるなら、撮って!”と言われた一枚。
真ん中の女の子は日本語を勉強したいと言っていた。
こんな体験をしている私だから言う!
今、日本ではアジア諸国の人たちに研修生という名のビザを発給し、
人手の足りない現場の仕事を、低賃金のひどい条件下で働かせ、
仕事になじめないなどの理由で帰国する際は
奨学金の全額返金を要求するという
人身売買のようなことを行っているらしい。
国連からもこの制度を廃止するように要請されているそうだが、
今のところ、改善、撤廃などの動きは見られません。
未だに沢山の人たちが、ひどい職場環境で
精神を病んでいるのに、金銭的な問題から
無理して働いていると言うではないか!
彼女が日本に来る頃には、いい国になっててもらえませんかね?
私はカルロ神父の言う“楽園”にいて、
自分の国籍を今まで以上に恥じました。
中々話が終わらないカルロ神父に、
カミッラのママが呼びに来てくれました。
私が帰ろうとすると、
“年寄りの話相手になってくれてありがとう。”
と、言ってくれました。
多分、自分がアルツハイマーを患っていることを知っているのだろうな。
神父さんと落ち着いて話が出来たことに喜ぶ私ですが、
このソーシャルランチには、もう一人顔を出す神父さんがいます。
“Viva!け・ん・りょ・く!”のポール神父です。
いや、悪い人ではないんだけど、
神父というより、ちょっぴりやり手の地方議員的な存在です。
私は苦手なんで、あまり近寄らない・・・
でも、憧れのオーレ・マルティン神父と仲良しなんだって!