ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

カポディモンテ王宮博物館①

カポディモンテ王宮博物館はナポリの丘の上にある
広大なお屋敷とお庭を持つ博物館だけど、
ブルボン家支配時代に狩りを楽しむ為に作られた、都会のオアシス的な館だったとか?
 
ナポレオンの10年支配が終わり、スペイン系ブルボン家ナポリを支配すると、
道路の整備や貧しい人たちを世話する救済院を設立、
前回アップした卵城に面するサンタルチア湾の整備をして、
散歩に楽しい地域にしたのも彼らのお仕事だった。
"ナポリを見て死ね!"という乱暴な言葉も、
きっとこの時代の都市計画による街の美化が大きく貢献していると思われる。
 
今回訪問した博物館は狩りの館ということで、
ブルボン家とその関連貴族が休暇に使っていたお屋敷。
 
以前にも3回に渡って記事にしたレアル王宮のような豪華さは控えめ、現在公開されているお部屋も少ない。
 
 
 
イメージ 1結構素敵な階段部分。
 
時代は古代回帰のネオクラシック、
ドーリア式の柱や植物模様の手すり、
踊り場の彫刻などが印象的。
 
それ以前に流行した、上品さをどこか取り違えた
重くてイモイモしいバロック様式
パステルカラーで乙女チックだけど安っぽいロココ様式とは
また違ったスタイル、この時代のナポリには
良い建築家がいたのであろう。
 
 
建物自体も窓が大きく明るい上、
お堀も、いかつい造りの分厚い壁もない
戦争よりも外交が主になった近代政治に見合う
機能性より見栄を気にしたエレガントなお屋敷。
 
そもそも、狩りの館はどの時代でも守りが甘い。
 
 
 
 
 
都市部に建てられたレアル王宮と違って、土地が余っていたのか
お部屋が大きいのがポイント。
時期になると貴族様が坂の上のお屋敷まで、馬車を走らせて着いたのだろうが、
飽食だったであろう紳士たちをのせて
急な坂道を登らなければならない馬さんたちの心配をしてしまう。
 
 
ネオクラシックなテーブル。はめ込まれた浅浮き彫りの肖像はブルボン家の家族写真のようなものだろう。
イメージ 6
右側の肖像画、一体どなた?
服装がナポレオン時代のドレス、巻き髪もルックスも当時の美人像。
そして、この王宮、なんといっても青い色調のお部屋が多い。
 
 
ピントがボケてしまってすみません。
3美神の黄金像がテーブルの上に乗っかってます。
イメージ 7
 
 
 
イメージ 8ボールルーム?
 
シャンデリアが2つぶら下がり、
壁にも半分だけのシャンデリアと鏡が
装着され、とてもきらびやかな様子。
 
両端には楽器席というのかな?
ロフト上になったスペースがあり、
そこで音楽を奏でていたと思われる。
 
重々しいレアル王宮とは違う
もっと乙女チックな色調とインテリアが
かわいらしいが、動物の殺戮の為の館ということを
忘れてはいけない。
 
 
美術史も歴史も考古学も中世で終わっている私には
あまりにも未知な時代なため、歩き回っていてインスピレーションが湧かない。
 
バロック時代はあまりにもナポリ的で日常的なエレメントであるため、
レアル王宮はそれなりに展示物とのコミュニケーションが取れるのに・・・。
 
 
 
イメージ 9
 
大広間にあった変な蜀台。
 
映画、美女と野獣に出てきそうなデザイン。
黄金の顔が話しかけてきそうだ。
 
夜の博物館公開があったら行って見たいな。
 
 
イメージ 10
珍しく赤いお部屋、暖炉もレアル王宮では見かけなかったエレメント。
テーブルの上のオブジェは食事の度にどかしていたのだろうか?
 
 
そんなお食事にはこんな食器でサーブされるのかしら?展示されていた食器の一部。
イメージ 11
ナポリ貴族様の食器セットらしく、これはスープ入れ。
スープをテーブルに持っていくためのエレガントな食器で、
蓋には天使(子供)、古代の憧れをしのばせるイラストつきで、ロマンチックな御食事をお約束してくれます。
そういえば、小便小僧もネオクラシックの彫刻だったっけ?
 
ちなみにカポディモンテには、マイセン焼きのような白い粘土を用いた焼き物作りも盛んで、
敷地の一画には工房と職人寮があり、技術者は閉じ込められていました。イメージ 2
この焼き物は現在も秘かにナポリで人気があり、
派手に彩色された花のモチーフなど
つや加工なしのものが生産されている・・・が、
磁器の割にはもろい上、
モチーフ自体デリケートなものが多いので、
お土産には向かないかも。
 
 
 
イメージ 12
 
お屋敷に詳しい方のお話によると、
こちらの乙女チックなお部屋は
マスター寝室だったとか?
 
水色の壁と黄色いカーテンの色合いが素敵だけど、
お母様が用意した花柄のシーツを使っている
イタリア下宿男子大学生のようなものか?
母親には逆らえないので、
男らしくないエレメントを仕方なく受け入れるのは
この時代もあったかも?
 
 
 
 
 
このお部屋の手前には小さな寝室前スペースがあり、
その横にはトイレがある。
 
 
 
広い展示室をうろうろトイレを探して小一時間。
地図のトイレはこの寝室前に設置されていたのだが、
下の写真でみれられるように、看板こそあるがどう見てもお部屋の一部のような、
ドアを開けたら防犯ベルが鳴ってしまいそうな歴史的たたずまい。
イメージ 3
中は公衆トイレにしてはとても清潔だったけど、トイレットペーパーは切れてました。
このトイレ、なんか貴族様のマスターベッドルームのプライベートトイレを使わせてもらっているような
ちょっと特別な感じを覚える嬉しいトイレでした。
 
 
ちなみにこんなすごい部屋もあります。
イメージ 4
マリア・アマリアの部屋と呼ばれる、鏡と磁器で飾られた魅惑のエキゾチックルーム。
当時は中国がどうも憧れの存在だったよう。
中国は広いので、南国っぽい部分もあろうが、
インドネシアポリネシアと勘違いしているといった感じの
エレメントも見られるような・・・。
 
 
 
この王宮、暮らし博物館としては公開されている部屋は少ないが、
絵画コレクションには恐ろしく目を見張るものが!
追って報告させていただきます。
 
あまり詳しくない私でさえ、びっくりの有名作品がこんなにも凝縮されているなんて!
大興奮で2周してしまいました。
イメージ 5
 
 
袖ヶ浦の子供達を救えプロジェクト、
オンライン署名も受け付けてます。
協力してくれた人、本当に有難うございました。
 
できる署名は私も参加しますので、
ご連絡下さると嬉しいです。
 
それでは良い日曜日をお過ごし下さい!