ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

聖夜の後で・・・

クリスマスはキリスト教徒でない私でも、
浮かれ気分になるような不思議な空気を感じる。
 
"一人で過ごすけどハッピーよ!"なーんて
別に強がっているわけではありません。 
やっぱりカトリックのお国柄、家族の神聖なる会食の日というわけで、
あまり人様のお宅にはお邪魔したくありません。
というのは嘘ではないけど、誰からも誘われないのは事実です。
 
アパートの同居人も正教会の方たちなので、
彼女達のクリスマスは今月の31日なんだとか。
今年はチーズ饅頭を作るレーラちゃんもお菓子作りの名人ピグ郎ちゃんも
故郷に帰っているので、特になにをするわけもなく、
前々から作ろうと思っていたお菓子を夜中に作って過ごした。
 
 
ブラウニーときな粉クッキー。
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去年はピグ郎ちゃんがチーズクリームのケーキを作っていたけど、
今年は私好みの苦めブラウニーと甘さの少ないきな粉クッキー。
ブラウニーはアメリカのレシピで、中身がどろっとしないといけないけど、
砂糖の量を大幅に減らしたせいか、普通に美味しいものができてしまった。
 
 
そんなんで、映画などを見ていたら夜が明けてきたので、
朝の散歩に出てみた。
イブの晩は大雨が降っていたせいか、0時の花火は聞こえなかった。
 
 
時刻は朝の7時頃、雨は上がったけど雲が立ち込めている。
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昨晩の雨で空気が澄んでいるため、アマルフィ海岸側の山々がきれいな緑色、
低い雲がかかっている様子はちょっとベルゲンを思い出して嬉しい気分。
電気の浪費芸術よりも、こっちの方がよっぽどきれいで感動的。
 
 
丘の天辺に見えるアレキ城。
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あのお城は南イタリアの歴史を見張ってきたともいえる、
ちょっとシンボリックな存在。
右側に見える建物はファシスト政権時代に建てられた
ムッソリーニ建築の一つ、左側のものはリバティー様式。
 
海辺は散歩している健康おじさんたちに加え、
昨晩お寂し飲み会を一人でやっていたような人たちも少々。
 
私にはいつもの日曜日と変わらないけど、
人と過ごすことが定義づけられている日に
一人を強要されてしまった人たちも数多くいるのだろう、
伝統行事、家族の絆はある意味残酷だ。
 
日本人留学生の中には、一緒に過ごす人がいなくて泣いてしまう人もいるとか?
街がクリスマスムードに包まれる時期には、誰かとこの日を過ごす為に
友達作りに励んだり、逆に一人のクリスマスを哀れんで落ち込んでしまったりするらしい。
 
普段はお堅いので厄介者な私も、この日を一緒に過ごして欲しいというオファーを受けたことがある。
残念だが、この日だけを過ごすお友達は私にとって必要ないのだ。
 
 
誰もいない朝の街、前記事に載せた光のクリスマスツリーも暗くなければただの白い円錐。
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しっとり雨の朝、開いているバールもちらほら、
ナポリだったら朝ごはんでも・・・とカプチーノコルネットを食べてしまいそうだけど、
サレルノのバールはコーヒーが美味しくないので、財布の紐はしっかり締めて。
 
幸せの定義は人それぞれ、笑って過ごせればキリスト様も喜んでくれるだろうと思う。
 
 
 
 
意地悪な私は、昨晩の様子を良く観察できそうな、若者が集まるイルカの噴水広場に足を運んでみた。
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うーん、想像通り、ゴミだらけ!
シャンパンやビールの瓶が砕けて飛び散っている、
プラスチックのコップとペットボトル、紙ごみ、吸殻など
まるで戦争の後のような殺伐とした様子。
 
 
広場にはに朝一番のミサを告げる鐘が鳴り響いていました・・・。
皆さん、朝はゆっくり起きて午後2時ごろから始まる
大昼食会に向かいます、25日はラザニアと子羊が定番メニュー、
カルメンのラザニアは食べたいけど、24日の日程からして作れなかったろうな。
 
 
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最後にナポリで最初の教会
レティストゥータ教会のモザイクを。
初代キリスト教の世界では
偶像破壊運動を恐れて、
キリストをシンボルで示した時期があったため、
このような十字架が聖像の代わりをしていた。
 
寒~い教会のミサに行かなくて済んでよかった・・・・。