大理石で埋め尽くされた宮殿玄関。
ナポリには7つの王宮が存在する。
ノルマン人の建てた卵城、カプア城とエルモ城、フランス王朝アンジュー家の建てたヌオーヴォ城、
そしてスペイン支配の時代に建てられたカポディモンテ王宮と、このレアル王宮。
権力者の住処とは、その時代を象徴している。
つまり、その建築様式から、どんなものだったか垣間見ることができるのだが、
今回はちょっと面白おかしい優雅な宮廷博物館を紹介。
この王宮が完成したのは17世紀の半ばだったかな?
素敵な宿を用意したのがその始まり。
中庭に面した廊下と休憩用の御椅子
明るくて広い廊下、ここから展示室に通じている。
椅子もロココで座れない。
当時のものを公開しているのだけど、そのお部屋の様子が、その調度品がお上品すぎて
なんだかベルサイユのバラをもじった嫌味な漫画みたい。
全て本物な分、当時の人たちの生活がどんなものであったか想像すると
私には漫画"アンジェリク"の世界もまんざらでもなさそうで、可笑しい。
ドアを開けるとまたドアが!一体何部屋あるの?
王座の間、とっても荘厳な雰囲気です。
この王宮の主がお客さんを迎えるときや、外交に関する儀式を
この部屋で行っていたのだと思う。
もちろん、ここに座って何にもしない日もあったのだろう。
横を見えれば・・・
サンタルチア湾を一望。
雲がちょっとかかったヴェスヴィオ。
17世紀からこの自然のパノラマを楽しむことを設計に入れて
この王宮が建てられたことは、私にとってちょっとびっくり。
こういう、すごい置物もございます。
こういうゴテゴテしたものや、高そうな時計、全ての部屋には大きな鏡もあり、
どれだけスペイン支配時代のナポリが潤っていたかがうかがえる。
海に面した、光が充満しすぎて目が痛い王宮、
ここに住んでいた皆さん、あまり陰気にならなくても済んだかもね。
カルロ3世による良い政治で知られている。
沢山の興味深いインテリアや絵画、壁画など、
写真に収めきれないくらいの芸術品で溢れているので、
何回かに分けて紹介させていただきたい。
実は館内の写真撮影は基本的に禁止。
ナポリでもここ数年、観光に力を入れ始めたせいか
いつもはいくらでも撮れた写真を禁止する傾向が
あり、特に教会に入るとすぐに
"撮影禁止"の看板を見るようになってしまった。
私の場合は大学の学生証が黄門様になる。
教授の名前を出したり、論文を言い訳に許可証が
降りるのだが(勿論フラッシュなしの条件で)、
スラブ系の女の子2人組みが展示室に入るなり
急に写真を撮りだした。
フラッシュを点けていたので、
学芸員のおじさんが急いで駆けつけると
どうもイタリア語は通じないよう・・・。
おっさんは諦めてフラッシュだけは焚かないように
厳重に注意して去っていった。
その後、彼女達はエスカレートして
展示品に手を触れたり、寄りかかって撮ったり・・・
人間由来の脂分と塗料の成分を分解する
化学薬品について考え込んでしまった。
上の壷の下部にはかわいい天使。
壁はトロンプ・ルイユ仕様。
今回は修復中で入れなかったけど、
とっても怖い雰囲気の大広間や
日の当たらないお部屋もあって、
ちょっと不気味、終わった頃にもう一度
写真に収めに行きたい。