上の写真は水のお祭りが行われるカンパーニャの教会に描かれた
プルガトリオ(煉獄)のイラスト。
カトリックの概念にプルガトリオという世界がある。
死後、天国に入れなかった者が修行を(苦行)積んで
天国に行くことを約束されるところで、天国と地獄の中間に位置する。
仏教の概念でいう、現世ともいえるかもしれない。
ちなみに地獄には出口がない。
一度地獄に入ってしまった者は救済されることがないのだが、
イニャーヴィと呼ばれるキリストを知ることがなかった者が行く場所があり、
強制労働や苦行を強いられることもない代わりに、
神の言葉を知らずに永遠にいる場所のようだ。
古代ギリシャの著名人がいらっしゃる場所となっている。
前置きが長くなってしまったが、隠蔽の街カンパーニャ記事の続き。
イタリアの収入はほとんどが観光であり、都市部はそれなりに資金を持っているのだが、
どう考えても観光資源など見込めないような田舎街も(田舎街ほど)
教会などの宗教施設はなぜかよく管理されている場合が多い・・・気がする。
Chiesa Del Monte Della Morte(死者の山教会)
そのカンパーニャにある教会の一つには
先ほど述べたプルガトリオを取り扱っている教会がある。
教会入り口、橋の下には川が流れている。
プルガトリオと言えば、死を意識するので
入り口横には骸骨印の水道があり、
作られたのは2004年。
田舎街にはもてあました年金を
寄付に当てる方が多いのか、
教会が新しく見える、
つまり、大掃除と修復工事が
頻繁に行われているのだろうと思われるのだが、
ナポリに比べて古臭い感じがしない。
ナポリにも1700年代の終わりに建てられた
プルガトリオ教会があるが、
そこも骸骨モチーフで飾られ、
地下にはカタコンベ(地下墓地)があり、
ネクロフィリーな方たちがお金を払って
消えてゆく・・・(冗談です)。
ペストの終焉を感謝する為に建てられた教会なので
そのカタコンベにはまだ、そんな病原菌が
眠っている可能性があるとか?私は行きません。
教会内部
地方教会らしく、小さめだが、建立はどう考えてもバロック期(16~17世紀)以降。
聖堂を取り囲む棚の上に並ぶ煉獄の炎に包まれ苦悩する人々。
右下に見える立ち入り禁止の文字、無作法な観光客が来るとは思えないので
その地域の人たちは相当お行儀が悪いのだろう。
パソコンが普及していなければ、こんな看板などは司祭や下っ端修道士の
虚しい達筆で書かれ、宝島で連載されていた"VOW"に投稿できるような
面白いものが見られたろうに・・・。
教会を建てるに当たって発掘されたもの
市役所員の息子が言い張る"ローマ時代"の遺品。
左上:11世紀~13世紀に流行ったノルマン人趣味な派手陶器。
上薬の保存状態から15世紀以降・・・私の勘では17世紀くらいのものに見える。
右上:骸骨のイラスト入りのお皿、"メメント・モリ(死を覚えよ)"の文字入り。
"好き嫌いは駄目だよ"というメッセージ入りのあさりちゃんのアニメつき
お茶碗みたいなものか。
左下:私がワクワクする中世の金属製品:-)
ベルトのバックルはロンゴバルド族のものにそっくりだし、
コインはビザンチンかな?ペンダントヘッドも
きっと中世のゲルマン文化とキリスト教の融合が見られるような
モチーフが見られるのではないかと思う。
右下:ご覧の通り、骸骨です。教会の端っこに小さな扉があり、
遺骨を保管してあるのだが、
たまたまいた教会管理人にお願いしたら、嬉しそうに見せてくれた。
何気に並べてあるところを見ると、この街では死んでからも役割があるようだ。
読んでくれて有難うございました。
ついでに・・・
どちらのケーキが美味しそう?
左はお友達の親戚のおばさまが作った手作りケーキ、
右はお菓子屋さんに注文したものでシュー生地の中にカスタード入り、
周りにはサバランがシャルロットのようにくっついている。
左の手作りケーキはお代わりしたけど、
注文したケーキは味気ないシューに固いクリームとラム酒くさいサバランが
きつくて残したいほどでした。