庭で飼われているニワトリさん。
"どのニワトリがいい?"と聞かれたら、
それは間違いなく、夕飯の食卓に上がるニワトリさんを選べということである。
秘境の街カンパーニャ滞在中に、そんなことがあったのだが、
肉だらけの保存食作りに参加して以来、お肉がもっと苦手な私は
野生のチコリアという野菜の油いためがご馳走なので、
鶏肉選びには参加せず。
しかし、この家族のご馳走なので、私が選ばなくとも
ニワトリさんは殺されてしまう。
家の息子が鳥小屋に入ると
おとなしく捕まるニワトリさん。
パパにニワトリを渡し、
家の裏にある作業所へ。
喉にナイフを入れ、信じられないほど
騒がず抵抗もせずにあっけなく死んでいった。
血抜きの為、しばらく逆さにされるが、
その間、台所では大きな鍋でお湯を沸かす。
お湯が沸くと血抜きされたニワトリさんの
羽を抜く作業に入る。
お湯につけると、簡単に羽が抜けていく。
羽の処理を終えると、食べない鳥の頭や足を切り落として
犬の餌に、人が食べる部分は解体して
塩、ローズマリー、ニンニク、酢に漬けて
臭みを抜くのだそうだ。
9時過ぎ、日が傾き始める頃に
庭にあるバーベキューセットに火を入れ、
漬け込んでおいたお肉を焼き始める。
横では長いテーブルがセットされ、
サラダやモッツァレラチーズなどが前菜として並び、
パンもカットして置いてある。
しばらくして、焼きあがったニワトリが
食卓に上がる。
食べながら、皆さん、ニワトリの脂肪分の話や
調理法について語りだす。
モッツァレラチーズばかり食べる私に
勧めてくるのだが、胃袋はNOと言っている。
遠慮している振りをし続けたら、
いつの間にか無くなっていたのでセーフ!
食べずに済んだ・・・。
"日本人は奥ゆかしいから"、
鶏肉に手を伸ばせなかったことになったが、
無くなったモッツァレラチーズの数を数えたら
真相が分かるだろうな。
この家族は古代ローマ人なんじゃないかというほど、
いろいろなものを出してくる。
"残しても全部食べろ"
なんか矛盾しているようだが、
胃袋に合わせて、全部味わいなさいということだ。
そして、夜も深けて、12時を廻る頃に
大きめカットのスイカが出てきて
鳥バーベキュー夕食はお開きになった。
ここの家族は肉食のようで、
昼夜二回、必ずお肉が振舞われた、
当時は今ほどお肉の苦手意識は無かったものの、
カルメン家で調理される美味しい野菜料理が
とても恋しい一週間だった。
カルメンの野菜料理、ズッキーニのチーズ詰め
夏になると食べたくなる贅沢品。
ズッキーニを茹でて、中身をくりぬきクリームチーズとくりぬいた中身をまぜ
ペースト状にしたものに、ベッレーチーズ(パルミジャーノ風味)と
モッツァレラをのせてオーブンへ。
この子たちは肉食だから鶏肉ご飯に大喜びだろうな・・・
そうでもなかったりして・・・
カルメンの猫、長毛種なせいか
猫サラダ(雑草)がお好きなよう、
食いつきが違います。