ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ベルゲン大学博物館

イタリアで考古学を勉強してるってだけで、
イタリア国立博物館及び遺跡の入場料は全て無料になる。
まあ、係員と知り合いというだけでも勿論無料になるのだが、
そんな交友関係が無い私にとっては学生証が黄門様の印籠に近い役割をしてくれる。
 
ノルウェーではすべてが無料というわけでなく、
一割程度の学割を下さる程度なのだが、
なんと、ベルゲン大学博物館は入場無料になるではないか!
 
そういうわけで、そういう特権は迷わず、利用させていただく・・・。
 
 
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船舶博物館の入り口、左の黄色い建物が歴史文化博物館。
 
ベルゲン大学博物館は3つの建物からなり、テーマごとに分けられている。
 
自然史博物館
歴史文化博物館
船舶博物館
 
 
自然史博物館
 
大学本部の目の前にある黄色いネオクラシック様式の建物がそれだ。
 
皆さんは子供の頃、郷土資料館、博物館などを訪れたことがあるだろうか?
 
 
 
怖い! 入場券をもらって入ってすぐ、生き物の頭の剥製と骨。
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これ見て泣き出す子供がいるはずだ。
 
この博物館では世界から集められた動物の剥製があり、
ノルウェー語と英語、ラテン語で表記されている。
 
特に、鳥の骨などはほとんど見分けがつかないので、ラテン語で書かれた学名でその生前の姿を知る。
 
ここでは鉱物学や地質学に関わる展示もあり、地震体験コーナーでは子供が楽しそうに振動していた。
 
売店ではフィヨルドで採れた水晶や地層塗り絵など
知的な土産物が売られていたのが印象的だ。
館内は閉鎖中のスペースが多く、次の博物館へ。
 
歴史文化博物館
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ベルゲンの歴史を先史時代から展示する博物館である。
先史時代に関しては映像と写真パネルのみでの展示、
そういえばスカンジナビア諸国では現品なしの模型や写真ばかり展示しているバーチャル博物館がいち早く取り入れられた土地だったなー。
 
バイキング時代は王の住居地だったため、
ブローチやらマント止めやら、織機の一部であった石など、興味深い展示の品々。
 
左はバイキング時代の一住人模型。
薄暗がりの中からライトアップされる姿に一瞬のけぞる。
"こういう服装で、こういう住居に住んでました"ということが良くわかるが、こんなに暗い展示室、子供は一人で来れない。
昔一人で行ったリバプールのマリタイム・ミュージアム
思い出した・・・。
 
 
 
 
男性像のすぐ裏には家の模型とその中で仕事する女性たち
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バイキングの女性たち、機織気は縦型で、
壁に掛けられた糸の色から中世時代の派手ブームは
こちらにも届いていたことがわかる。
 
 
 
二階へ上がるとキリスト教の展示。
 
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木造教会の一部や装飾品など、
ほとんどが木でできている。
 
しかし、展示室、暗い、暗すぎる、
これじゃ、パネルの説明も読めない。
 
バイキングの展示室には大興奮の子供たちがいたのに対し、ここは無人だ。
 
 
しかも暑い、暖房の温度設定高すぎる、
いくら石油採掘国だからってエネルギーの無駄だ。
 
 
 
これ何?
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アーチ状の天上部分に描かれた聖書の一部。
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3階はハンザ同盟都市時代の街の模型やビンテージセーターの展示と編み方の説明、
子供が退屈しないように体験学習コーナーがあり、無人だった。
 
4階は現代における文化の展示、劇場の舞台模型やベルゲン出身の芸術家の展示など、
現代に生きる音楽家、Kings of convenience や Royksopp については触れてもいなかった。
彼ら、高額納税者なんだけどね。
 
このあたりでベルゲンについてのネタが尽きたのか、
いきなりアフリカ原住民やアメリカ大陸の原住民文化の紹介、
紫外線による分子配列が変わるようなものが 
展示されていないためか、展示室はすこぶる明るくなったが、
既にベルゲン歴史文化とはあまり関係なさそうな展示パネル。
 
階段で一気に地下まで駆け下りるとベルゲンとは全く関連の無い
古代エジプトに関する展示。
 
 
 
 
 
船舶博物館
 
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バイキング時代から続く船の歴史を展示、
こちらは目潰し攻撃?太陽が一杯。
しかし、船のマスト部分の装飾、こうやって見ると怖いな。
 
船の中ではプライバシーがないので精神鍛錬が必要だとか、
風呂が無いので不衛生な上、臭気が立ち込めているとか、
船員さんのドキュメンタリービデオが流れていた。
 
 
これら博物館3館を通して、人口が少ない割には子連れの家族が多く、
イタリアの博物館と違って本物の展示物こそ少ないが、
それに代わる説明や写真、模型を使っての展示は日本の博物館にも似てるかな?
 
イタリアの博物館は観光客以外はいないんじゃないか?
観光地でない私の街にはエトルリア博物館があるのだが、
立派な展示物と説明パネル、近所には本物の遺跡があるのにもかかわらず、
無人である。
 
管理費のほうが気がかりだ。