ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ギスケ・リベンジ

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フィヨルドの玄関口にあたる、面倒くさい地域オーレスン。

電車をバスを乗り継いでまで行こうと思ったのは、
ユーゲンスタイルの街並みではなく、沖合に浮かぶ2つの島を訪問するためです。

また地図の登場。
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緑で塗られた小さな島、Giske島が今回の訪問地。

この島にはノルウェーで最初の石造りの教会が建てられ、
当時の有力貴族ギスケ族により守られてきたそうです。

前回の訪問では、バスの時間を気にして、
教会を見ただけのトンボ帰りだったので、
今回はこの島を少し散歩してみることにしました。

とりあえず、クビの皮一枚で大陸と繋がっているようなオーレスンから、
海底トンネルを二つくぐり、ギスケ大橋を渡って着きます。

群島のバスターミナルのあるノールストランまで、
とりあえず徒歩でたどり着ける場所にあり、
そこまで行けば、バスの本数がグッと増えるので
前日のアールネス灯台と違って、
帰りのバスの心配をしなくも済む場所になっています。

ギスケの教会
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現在は日曜日だけミサがあり、夏には入場料&ガイド付きで
中に入ることができます。
ヨハンネスの姉ちゃんが結婚式を挙げた場所らしく、
去年はその話を嬉しそうにしてくれたことを思い出します。

教会の周りはナポレオン勅令だった“お墓は人里離れたところに移動”は
ノルウェーまで行きわたらずに済んだので、
ギスケ姓のお墓で埋まっています。
小さな教会ですが、地下には遺跡がこんもり、
そして、聖職者控室がなさそうなので、
司祭さんの着換えルームの心配をしてしまいます。

ここで、イタリア人のグループがうるさくて雰囲気台無し。
私にとってはエルサレムより、ずっと神聖な場所なので、
必要以上の騒音にイライラ。
お前ら、文句つけるならさっさと帰れよ!


教会裏のボートハウス
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夏の準備が始まる様子。
ボートの手入れをしている人も発見!

前回はまだ雪が残っていたので、歩行をあきらめた埠頭を歩き
前日訪問した灯台を確認。
埠頭で釣りという拷問死刑ゲームをしているジジイ、
釣れる魚が小さいと文句をつけていて、気分が悪くなる・・・
こいつもイタリア人でした。

通り際に“中国人”とつぶやかれて、海に突き落としてやろうかさえ思いました。
ここで断っておきますが、私は中国人には個人的な恨みはない。
イタリアで中国人は悪い民族というイメージがあり、
私がそこに括られることで、
悪口を吐き捨てられている感覚を感じるので、怒るのです!
 
教会裏のビーチは前回、涙が止まらなくなった場所です。
今回は、イタリア人の存在が、私の感動に蓋をした感じ・・・
中国人はどこに行ってもいると文句とつけるけど、
お前らイタリア人だって、どこに行ってもいるじゃねーか!!


教会から少し離れたところに野外劇場ができていました。
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ギスケ・スピル(Giske spill)という、アーサー王伝説のような
時代劇を行うための劇場ですが、使われるのは年に一回だけ。
島の経済は潤っている。

収容人数は50人弱かな?
こんな島にこれだけの人が押し寄せることはなさそうです。

お墓の前でサンドイッチを食べ、島の反対側にあるビーチへと向かいますが・・・

こんな一本道をひたすら進みます。
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道幅が狭いので、バスが通ると、対向車はよけて待つ。
右側に半円形のスペースがあるのが見えますでしょうか?

土地の大きさの割には、集落ができてますが
まだ整備を整えていない畑や馬小屋を見ながら、数キロの道を歩いていきます。


道すがら、先史時代のお墓も発見。
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地味すぎる・・・・。
千葉の加曾利貝塚よりわかりにくい・・・。



そうしている間に、ギスケ大橋が見えてきて、
私有地らしき草地を抜けてビーチへ。

どこぞの南の島と思わせるような風景。
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黒く見えるのは海苔です。

どうして、こんなに水が澄んでいるのか、そしてこの色!

実は私・・・ここで泳ごうと水着と間違われる下着を用意してきました!
東大の大橋教授はプルトニウムは飲んでも大丈夫!と断言していたので、
ちょっとの汚染くらいなんのその!と思い覚悟を決めていましたが
午後4時、私の息が白い。

冬用のコートを着て、その下には誰かが捨てていくつもりだった
カシミアのカーディガンを着ています。

心臓発作を起こすと、誰もいない場所なので確実に死にます。
ノルウェー政府のお世話にはなろうと思っていますが、
こんな形でなると困るので、足だけ水に浸かって波打際をひたすら歩きました。
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足首までならばっちりさ!
と歌うフリッパーズギターの曲が頭に流れて欲しかったけど、
水が冷たすぎて、KoCのSurprise iceがBGMになってしまいました。

どれくらい冷たいかというと、5秒水に浸けただけで、
足の感覚が無くなって行くくらい。
この写真を撮ってすぐ、足を水から救出したほどですよ!

波打際を何度も往復して、石に腰掛けてはぼーっとして・・・

オーレスンの山の方に低い雲がかかり始めたので、引き上げることにしました。
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少し曇ると暗い。
 
 
 
ついでに帰りのバス停がちょっと遠くにあったので、
トイレを借りることを含めて、
イッテルランドのバスターミナルまで歩くことにしました。

ギスケ大橋を渡っていくだけなので、簡単そうに見えます。
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夏ならまだしも、この時期は人がいないので、
橋を歩いているのは私だけ、歩道はあるけど、橋の上は強風。
お日様はカンカン照り照り、そして飛ばしていく車・・・。

怖い・・・。

無事にターミナルまで着いて、オーレスン行のバスを待ちます。
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こんな英語の看板を発見したけど、歴史うんぬんより
きれいな景色とのんびりとした空気が何よりも素晴らしかったと思う。

本来は歴史探索で来た私も、すっかり人間の罪深さと
それを繰り返さないために生きていこうと
魂と洗われて帰ってきたのでした。

なので、私はプロテスタントの牧師になります。

詳細は次回の記事で。