前回のノルウェー旅行、たった一日だけの雪の日に
一人で海辺をお散歩してみた。
カミッラは娘との面会日だったので、私はここぞとばかりに
アンニュイな風景を求めて、海に降る雪を見に行った。
Aker Brygge(アーケル・ブリッゲ)という海辺の界隈、
ヨットハーバーと近郊の島行きの船の発着場、
ショッピングモール、レストランがあり、
近くには県庁もあるため、人が集まるはずの立地条件は揃っているのに、
観光シーズンを外すと、不気味な無人地帯。
去年もあったかもしれない新しいレストラン。
中で飲食している人が見える。
こんな雪の日は外にいるより、自分のアパートで濃いコーヒーを飲みたい。
無人のショッピングモール、勿論営業中。お客さんより店員さんのほうが数が多い。
夏はお日様が眩しい吹き抜け天井だけど、こんな日は灰色が見えるだけ。
ここのトイレは無料で清潔なので、おススメ。
ノルウェー、及び北欧では基本的にトイレは有料なので、
ショッピングモールのトイレが無料というのは嬉しい。
トイレといえば、私の姉、トイレセンサーがついているのか、
初めて来た場所でも、トイレの場所を当てることができるという特技がある。
お姉ちゃんについていけばトイレの心配はないので、便利な特技。
初めての海外旅行でスウェーデンに行った際も、
住宅街で緊急需要があったが、商店を見つけ出して無事に借りることに成功している。
それがきっかけで、その店の売り子さんと今でもクリスマスカード交換をしている。
真っ白になっていく景色を見ていたら、妙にもの寂しくなったりする。
お昼の一番明るいはずの時間帯に灰色の空を見て、
物音のしない街、いるはずの人間の気配のない様子、
嫌でも向き合わされる"一人"と"孤独"。
太陽の眩しい南イタリアにいたって、一人を噛締めることは多い。
逆に、女の子のお一人様がほとんどない土地柄、
もっと強く感じさせられるかもしれない。
雪の積もった明るい夜
先月末から少々アンニュイを通り越して、頭のお休みをしていたのは、
カミッラからのちょっと困った質問に答えられなかったから・・・だったりする。
ヨハンネスを怒らせたらしく、その原因を聞かれた。
建物をさして"これ何時代の建物?"と聞かれたら、その答えを導き出すのは簡単だけど、
部外者の私がどのように、お友達を怒らせたか、
その場にいたわけではないので、分かるはずはない。
可能性としては、親切に勉強を見てくれる彼に対し、
自分の概念を押し通そうとしたのだと思う。
アスペルガー症候群の特徴の一つらしく、
丁寧に説明すれば、理解できるのだが、
ヨハンネスはかんしゃく持ちなので、流石に耐え切れなくなったのだと思った。
私はヨハンネスにキリストを重ね合わせていたのか、
カミッラにキレたヨハンネスに対して、恋心がみるみるしぼんでいった。
それから・・・・
見たくもない夢を見るようになり、ちょっと困っている。
被災して、避難所にいる私のお見舞いに来て、
今後のことを一緒に考えてくれるという
都合が良くて縁起でもない夢。
起きた後に、自分の過去の記事を読み返して
そのときの思い出がエキスプローションして無駄に神経を疲労、
いい加減、10代の恋の夢は卒業したいんだけど・・。
ついでに、カミッラにはヨハンネスを怒らす原因候補を挙げておいた。
ニキビを気にしているから硫黄の石鹸をプレゼントしたりしないとか、
彼の音楽の才能を傷つけない、音痴は禁句とか、
考えた私が怒られそうなことを言って、
電話の向こうのカミッラが悪魔のように笑い転げていた。
そういえば、ヨハンネスはお笑いが嫌いだった。
理由は"誰かが悲しい気持ちになる"からとか。
まだ夏だというのに、アンニュイな気分になってきた、
私はこうでないとね。
随分前の写真ですが夏のオスロ、参考まで。
奥のほうに見えるのが、15世紀(?)のお城。
アントニオママの成人記念日
こういう中にいると、アンニュイになりたくてもなれないが、
一人ぼっちは十分噛締められる。