夏といえば、海なのかもしれない。
私は断然山派だなあ・・・。
ここ数年は自宅でおとなしくすることの方が多いけど、
大学に入る前の夏休みは、新しい世界に対する期待と希望で
かなりアクティブで馬鹿なヤングをしていたので、
お誘いがあれば、いくらでも乗っていた。もう何年も前のお話です。
カルメンの兄弟とそのお友達は、8月の中旬に山に行って
一日を過ごすという習慣がある。
イタリア全土でも8月15日は聖母被昇天祭ということで、
野外で過ごすことが多いようだ。
この日のイタリアは道が混んでいるので、渋滞覚悟でお出掛け。
毎年行く山は、隣のバジリカータ方面へ車で2時間弱、
Colliano(コッリアーノ)という村の一部になっている。
コッリアーノ→
山の上に微かに見える教会、
その麓にある街の水道から、水を汲んで
山道に入っていく。
途中、パン屋があるので、
タラッリというイタリアのプレッツェルを購入し、
車内で食べる。
朝食抜きだった私はこの店で、
パイとアイスティーを購入したが、その金額があまりにも安くて驚く、
50円ほどだったろうか?山間のお店では、安いのが普通なのだとか。
都市部で買ったら、2ユーロくらいはするものなんだけど・・・。
とどろき(近所の駄菓子屋)か?
ヌンツィア叔母さんとジョバンニ叔父さん、私の親戚ではないけど顔見知り。
イタリア人の山登りなので、車で目的地のキャンプ場まで到着。
ここで言う山登りの目的は標高の高いところで
汗は一滴もかかずにピクニック&バーベキュー。
頂上を目指したり、お疲れ様になりながら景色を堪能したり、
自然観察を楽しむ為のものではない。
ガンジー語録が身に染みる・・・。
死後世界に似たような怖い風景
オヤジたちはオレガノを摘みに行き、
女性たちはカルメンの悪口で盛り上がっていたので、
行き場のないカルメンと私はおマセさんな中学生たちに混じって、
薪を積みに森の奥深くに入っていった。
実は火を焚くほど、気温が低い。
標高が高いせいか、セーターが必要なくらい冷たい風が吹いている。
焼いているのはウサギと牛肉だったろうか?
皆さん、パンと一緒に美味しく食べていた。
私にはモッツァレラチーズがメイン。
折角焼くなら、肉以外も焼いて欲しい。
悪口コーナー
そして、何でこんな写真撮ったのか記憶にない。
私がイタリア語を話さないと思い込んでいるので、言いたい放題で聞きたい放題。
やっぱり年の割りには若く見えるカルメンが羨ましいんだろうな。
独り身という自由さも、妬みの対象になってしまうのだから、
人間はわがままでないもの強請りの生き物だと思う。
デザートの黄色いスイカ
イタリアでは珍しい小ぶりで黄色いスイカ。
カルメンのお兄さんが農学関係の仕事をしているので、
珍しい果物がもちこまれることがある。
日本の梨を持ってこられたこともあったが、
本物の味を知ってほしいくらい、味の薄いものだった。
古代ローマ人並みに、座っておしゃべりしながらテーブルのものをつまんだり、
遠くまで歩いていったり、昼寝したり・・・
私は写真を撮るの夢中になって、トゲトゲの植物の上に
腰を下ろしてしまった。
見えない透明のとげがお尻に刺さり、数週間しくしくと痛み続けた。
この植物オルティカといって、茹でて食べるととっても美味しいのに。
涼しくて快適な夏の山、自分の足で登れたら、
もっといいけど、方向音痴な私が一人で実行することは
ほとんど不可能だろう。
さわやかな夏の日が過ごせるとはいえ、
山に行くのはしばらくご無沙汰になってしまった。
なぜなら、8月15日はアントニオママ、アッスンタの聖人記念日。