ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

カルメンとナポリ人と私の恐怖

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カルメンの実家で飼われている狩猟用の犬・・・怖い
 
復活祭明け、私はナポリ大学の図書館でコピーしなければいけない本があったので
ついでに週末をナポリで過ごす。
凝りもせずにいつものサラダ巻きリクエストがあったので、
下準備にと早めにカルメンアパートに着いた。
 
夕方、お疲れのカルメンとお茶を飲みながら、
日本の現状についてを話した。
仮設住宅が建てられていることにポジティブな気分だったカルメン
核廃棄物の話をして泣かせてしまった。
 
実はチェルノブイリ事故以前、イタリアにも原発の増設案があり、
その場所はカルメンの実家から数キロのフォーチェ・ディ・セーレというところに計画していたようだ。
以前の記事でも触れた通り、チェルノブイリ事故の翌年に稼働中だった5つの原子炉停止が決まり
現在に至る、つまり、実家の近所に原発は建てられなかった。
 
核廃棄物問題を知らなかったカルメン
使われなくなった原子炉及び使用済み核燃料の保管はコストもかかれば、
放射能を取り除くのに莫大な時間がかかる。
 
"原発はこれから生まれてくる子供たちに負の遺産を残し続けている"
 
という真実を知って恐怖に涙したのだ。
 
 
 
 
 
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ナスのグラタンと農家のパン。
 
グラタンのナスも、トマトソースもカルメンの実家で無農薬栽培された。
トマトソースも勿論マニュファクチャー、
親戚総出で瓶詰め、真空処理をして保存されたものだ。
使われているチーズも
カルメンのお兄さんチーロの契約する酪農家によるモッツァレラとベッレーチーズ。
 
パンは残念ながら、アパートのすぐ下にあるミンモの店で買ったものだ。
ベランダから籠とお金を下ろしてパンとお釣りを入れてくれるという、昔ながらの方法で未だに買物している。
 
少し昔の生活に基準を戻すのは
こういう生活をしている私には、ちっとも不便に感じないと思う。
 
 
 
ところで、皆さん聖ヤヌアリヌスをご存知だろうか?
ナポリ守護聖人で5月と9月に凝固した彼の血液が液体化するという奇跡が起こる。
 
 
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          血液の入った小瓶を揺らして液化させるナポリ大司教
←聖ヤスアリヌス、イタリア語でサン・ジェンナーロ
 
 
通常ならば、5月の第一土曜日に行われるはずの儀式が
今年はなぜか29日、4月最後の土曜日に行われ、なんと・・・
 
30年ぶりに血液が液化しなかった!!
 
聖ヤヌアリヌスの血液が液化しなかった年には、ナポリに災いが起こるといわれている。
最後に液化しなかった年は1980年、カンパーニア州大地震の起こった年だ、
現在ヴェスヴィオ火山は燻っている、私の住む街の数キロ先には
最近発見された海底活火山マルシーリもある・・・。
 
カルメンも私も落ち着かない気分で、土曜日の夜を過ごす。
サッカーの試合があった。
ナポリが勝利を収めたのにも関わらず、いつもの大騒ぎが無かった。
 
カルメンナポリから60キロ離れた実家に半年ほど避難する、など言い出して
アントニオに鼻で笑われていた、そして私も心の中で笑ってしまった。
 
日曜日のお昼。
血液が液化したというニュースが流れた。
なぜ、また行ったのかはわからないが、日曜日のミサでこの儀式が行われたらしい。
昼食中、大司教が悪いとか、この現象は科学的に解明されているとか、
なぜ聖ヤヌアリヌスがへそを曲げたのか、どうしてビッグバンは起こったのかとか
関係ないペルケ?(どうして?)にまで話しが発展した。
 
いつもと違うことが起こることは、結構恐怖だ。
 
 
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 楽焼の猫オブジェ。
糖尿病の猫を抱える飼い主さんから
獣医さんのアントニオに贈られた
感謝の印だそうだ。
 
 
 
今日の記事はナポリベッタベタなので、音楽もナポリ出身のピーノ・ダニエレと
同じくナポリ出身の俳優故マッシモ・トロイージ出演のLe vie del signore sono finiteを。