ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

私はUFOにさらわれた!

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コンサート会場、後方に見えるのがこの地方の伝統住宅トゥルッリ
 
お待ちかねのKOC(Kings Of Convenience)のライブに行って来たのはいいけど、
始まってから終わりまでの記憶が無い。
 
私の今回の目的は最前列で見ることだった。
 
自由席とはいえ、きちんといすが用意されていたので入場するなり
皆さん真ん中の席ばかりをとる。
アーランド側左端が空いていたのでいとも簡単に最前列で見ることが出来た。
 
こちらの席は運良く、会場に入るメンバーをチェックできるのでうれしいところ。
 
開演は22時、5分前くらいに芸能人の乗るようなバンから下りてきた2人、
アーランドが黒猫を抱えていたのが謎だ。
彼ネコ好き?そいえばネコっぽいもんね。
 
始まる前にイタリア恒例のバンド紹介を兼ねた挨拶、
赤いドレスのイタリア姉ちゃんが出てきて、かしこまって何か言ってたが、
私は舞台のすそに見える二人がアルプス一万尺やってる方に釘付け。
 
 
 
 
そして・・・
 
何も覚えていない、まるで記憶を消されたかのように!
 
気が付いたら2人が舞台を降りるところだった。
 
時計の針は0時を回っていた。
 
時間の喪失・・・Xファイルで言うところのアブダクションってやつか?
 
横で見ていた母親に抱っこされている子供が、赤毛の悪魔が怖いと泣いていた。
 
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後でカメラを見ると、写真はきちんと撮っていた。
二人お揃いのボーダー、おじさんフリッパーズギター
 
 
ベルゲン星人に時間を盗まれた!
 
 
記憶が無かろうが、彼らから伝わってくるのはスターでない雰囲気、
趣味の延長が成功しちゃいました的なおじさんバンド、
私が期待していたのは生徒会パンクス学生バンド、
34歳で学生も何もないか・・・。
 
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でも、アイリックは結構かわいい。
 
右はじの一枚はライブ後、少し帰り始めた観客席に出てきてファンサービス中の彼。
あんなに集られているのに一人ひとりに丁寧に答えていた、
その横に出てきたのがアーランド。
観客席でなく、舞台のヘリに乗り出し、そこに来たお客さんと一方的なおしゃべりを始める。
 
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サインにも写真にも応じず、どうでもいい質問をお客さんに投げかけ、
ファンも愛想が尽きて少しずつ離れていった。
唯一したサインがビニール版を持ってきていたおっさん、
このおっさん家族は隣の席に座っていたので、お互い顔見知りである。
 
アーランド君にはなつかしのレコード盤を持ってきたことがうれしかったのか、
結構いい感じでサインをしている。
 
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大満足なご家族。
 
私は目の前にいるアイリックのお色気に当たった・・・、
彼のお色気に当たって抱きついたり、泣き出す女子もいたくらいだ。
 
彼はファンの気が済むまで写真にサインに随分付き合っていたが、
唯一つ、写真を待つギャルを待たせておいて、
"ちょっとごめん"
と、カメラを取り出すとレコードのサインに応じていた舞台上のアーランドを撮りだした。
 
そんなにアーランドが好きなんか?
 
 
私も寝不足なので、そろそろ宿に帰ろうと帰路に着く。
途中のビアホールでファンタを買っておいしくいただこうとした瞬間、
目の前を猫背の長身赤毛が通っていった・・・、
ベースとバイオリンのライブバンドメンバーを連れ添って・・・・
 
めっちゃくちゃなノルウェー語で話しかけると振り向いたくれたアーランド、
写真をお願いしたらOKしてくれたけど、カメラのメモリーが一杯でシャッターが下りない状態になっていた。
 
"いらない写真を消しなさい"
 
と言う赤毛トロール
 
このカメラ、買ったばかりで使い方がまだ良くわからない、
混乱しているのでもっとわからない、助けて!!
 
謝る私に待ってるからと、静かに答える彼、
実は才能溢れるアーランド君に対し、性格上の恐怖を感じずにはいれなかった私は慌ててた。
 
その間、イタリア語でぶつぶつ言っていた私に
 
"君イタリア語話すの?"
 
この一言は私が最も言われたかったことであった。
 
イタリア語の生活が当たり前の私に、自分が苦労して得た語学力をなんとも思わず、
間違いばかりを指摘されたり、文法をきちんと使えていないという理由で
言語学とは何の関係も無い教科で減点を受け続けている。
それが当たり前でない私のイタリア語に気づいてもらったような気がして、すごくうれしかったけど・・・、
それを涙ながらに感動するわけもなく、危ない微笑みを浮かべてしまった。
 
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私を感動させたベルゲン星人。
 
赤い円に注目していただきたい、
手に持っているのはマルボロと私と同じモデルのノキア携帯電話である。
 
彼ってやっぱり人を寄せ付けない雰囲気がある。
 
イタリアのファンはあっさりしていて、彼らをスターとしてみる前に
人間としてみているようだ、ほとんどの人はアイリックの人柄に惚れていたよ。
 
ここで白状してしまうと、私は彼らの音楽が好きなのは事実だが、
ライブに来たのは彼らから少しでも、ベルゲンを分けてもらえないかという
別の目的も持ち合わせていた。
彼らが纏うベルゲンブリーズを少しでも感じたかったのだが、
何だかそれどころじゃなかったな。
 
続く・・・