ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

考古学者の敵?

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オスロの素敵な教会跡公園。
聖マリア教会跡。
上の写真は夏に来たときの写真、土台がきれいに残っているので
スケッチ&見取り図を想像することができる。
(もう少し詳しい説明は考古学の話書庫にて)
 
冬のノルウェーはスキーやスケートに出掛ける人で賑わっている。
平日の夜に人影はなかろうと、マジカルな雪景色が不思議な光を反射していて、
とてもきれいだ、その上、寒さを感じることは少ない。
その名の通り、スイート・ノルウェージャン・ウインターなのである。
しかし、私にはこの素敵な雪が障害となることがあった。
 
遺跡が見えない!
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上の写真のヴァージョン・イン・ホワイト。
 
きっとベルゲン大学の有名な考古学者、バッゲ博士は雪の厚さから
土台の地図が頭にイメージされるのであろう。
冬にこんなところに来るのは変わり者か酔っ払いだろう、
足跡すらない野原にある遺跡、どうしても近くで見たくて腰まで雪に浸かって行ってみた。
 
雪にはまっって動けなくなり、勢いで転ぶ。
一緒に来たカミッラは数百メートル先から見ているだけで助けてくれず、
雪に溺れる感触を覚えた。
やっと抜け出して何とか車道に戻ったもの、カミッラに怒られた。
 
イタリアでも発掘は5月から8月にかけて行われる。
それ以外の時期は天気や日照時間などの関係により、作業がしにくいので中断するのだが、
雪に埋もれたりはしないので、土台の観察くらいはできる。
 
 
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こっちは修道院跡とノルウェー教会の事務所があるため
比較的雪がはけている。
それでもやっぱり何も見えない。
あるのは空のビールグラスとマフラーのみ、
酔っ払いがここで寂しく飲んだのであろう。
 
スカンジナビアの発掘事情は厳しく、掘っても掘っても何も出てこないという。
私の専門外だが、実習で掘ったエトルリア人の住居跡は、
とりあえずでるものは出た。
陶器辺などはあまりに出るため、捨てる対象にもなっていたほどだ。
 
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遠くから怒るカミッラ。
 
”このアホ、マッド・サイエンティストガリ勉!”
 
練習ができないために優勝するのが難しい東北の高校野球児の気分だ。
現場好きの考古学者には冬のノルウェーは厳しい、
図書館と文書室で古ノルド語と向き合うのがよし。