イタリア最終日、カミッラ親子が私を訪ねてサレルノまで来てくれました。
後回しにしていた本の整理を済ませて、郵便局で郵送したあと、
電車でローマから来た二人とまちあわせをして、
最後の日を楽しませてもらいました。
大学の教授の自慢話授業や暗号だらけの教科書と向き合わずに済む
それだけれで、かなり解放され、住み慣れた町を去っていくことに
ちっとも名残惜しさを感じてはいない自分は少々ショックでしたが、
ノルウェーに気軽に行けない距離になってしまったことは
悲しくてたまりません。
カミッラは私がノルウェーに来ることを予見して
大きいアパートを借り、どこかにお店を出して
私にワッフルを作らせて売りたいなどの夢話が始まり
最初っから付いていけないくらいだったんですが、
そんなの話を受け流すこともしばらく無くなるのは寂しいです。
今回も私の最終日なのに、カミッラリクエストで海水浴に行くことになりました。
夏になると出てくるかき氷屋台。
シロップはレモンやミント、アーモンドが主流ですが、
この屋台には怪しい”トロピカル”というシロップがあり、
カミッラはさっそく注文、お金を出したのは私です。
味のほうはブルーハワイを期待していたのに、
ミントとアーモンドの変な味で、カミッラは二口で食べたくなったようです。
私は水着を既にスーツケースに入れていたので、
泳いでいるカミッラを砂浜から見ていましたが・・・
海辺から見える、懐かしいアレキ城
このお城は大学で最初に考古学的見地を聞かされ、
自分の足で資料を集めてテストに臨み、満点をもらうという快挙を得た遺跡、
あの時の自分の努力が認められた瞬間は
忘れられません。
こちらは、ドゥオーモの鐘楼
ノルマン人のアラブ趣味を全面に押し出した
中世南部ロマネスク様式の代表のようなもので
よく頑張って勉強していた思い出と伴に、
年代を巡って、友達とけんかしたこともあるくらい
地元民の言うことがあてにならないことを知った
マイセルフ・ライフのシンボルみたいな建造物でもあります。
そのあとは、搭乗券の印刷とスーツケースに付ける鍵を買いに
町に行きますが、店員の怠慢でただ印刷、支払うという簡単な作業に
二時間も時間を無駄にしてしまいました。
最後にピザを食べておこうと行ったレストランは
失敗した!と思うほど、待たされた上にまずかったので
割愛するにしても、食後のバールでカミッラが恒例の落書きをします。
カミッラの旧友が働いている読書バールなんですが、
壁一面が黒板になっていて、カミッラは謎の日本語を書き込むことが楽しいみたい。
私が“ホーヴァル、愛してる”と書こうとしたら、きつく止められました。
か、感情表現は個人の自由だ!!
イライラさせてほしかったけど、
イタリアに来て嬉しいカミッラは、私にいじわるをする余裕なんてありません!
私はすこぶる懐かしい気持ちになって帰ることになってしまいました。
翌朝、5時半のバスでローマの空港へと向かう私に
最後のあいさつをしに来ると言っていましたが、
まちあわせがうまくいかずに、結局一人で重い荷物を引きずって
バスに乗り込みました。
感傷に浸れるかと思いきや!
私には数時間後の心配事が大きすぎて、
悲しむ暇なんてありません!
なぜかというと・・・
これだけで分かる人、いるかな~?
ここはモスクワです。