ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ナポリのミステリーツアー

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いわく付のスポットを訪れることで有名なロンドンのミステリツアーを
ご存知の方も多いと思われるのでそれに近いものを南イタリアナポリでやってみよう。
陽気なイメージのナポリローマ帝国の崩壊以降、
地中海各国よりその肥沃な土地柄か領地の取り合いが繰り広げられ、
少なくともスペイン王家、アラゴン家到着までの約千年間を不安定な政治と領主の争いに
巻き込まれてきた暗い歴史を持つ。
歴史のある地域には付き物となっている怪談話、
観光客にはあまり知られていないのでこの場を借りて紹介してみようと思う。
ほとんどが歴史的中心街に集中しているので,
時間のある方は一日かけてあるいてみてはどうだろうか?

 

メルカート広場
聖カルミネ寺院の前に広がる広場、少し前まで駐車場として利用されてきた広場だが
17世紀には公開処刑場であった。
ナポリ貧困層が住む地域の一角にあり、昼間でも陰気が雰囲気が漂っている。
ここで気分の悪くなった"繊細"なイタリア人がいる。
見えないものの存在より悪ガキや強盗の心配をしてしまう地区である。

 

フォルチェッラ
数年前にマフィアの銃撃戦により関係のない少女が犠牲になった、
貧困地区の一つであるが駅から観光地に出る便利な通路なので,
何も知らない観光客が強盗に見舞われることも多い。
こちらも公開処刑場の一つであり、
"首をくくる"という意味が含まれた,
この地区の名前からもわかるように処刑方法は絞首刑であったのだろう。

 

サン・セヴェーロ礼拝堂
こちらはセヴェーロ公の礼拝堂である、
ガイドブックではベールに包まれたキリストなどの彫刻品で紹介されているが,
礼拝堂横の階段を下りると血管の残る二体の骸骨が展示されている。
どのようにして作られたかは不明である。
このサンセヴェーロ公はマッドサイエンティストであったと噂され、
夜な夜な生体実験を行っていたことでも知られている。
昔、日本の怪奇番組でこの礼拝堂が取り上げられ霊能者による霊視が行われた。
内容は上記の通り、生体実験の犠牲者となった霊たちがさまよっている様だ。

 

不治の病の病院
と、ガイドブックにはある、ターミナルが日本で使われる適切な表現か?
さて、病院は施設自体が古く窓のない病室、恐ろしく鈍いエレベーターなど,
あきらめ加減が見え隠れしているが、歴史的に危ないのはその横に位置し、
現在消防署がある地点である。
この地点はペストで亡くなった遺体を埋める処理場であった。
また、死期の近づいたペスト患者も生き埋めにしたという話が残る、
少し歩くとペストの終焉を記念して建てられたプルガトリオ教会が見える、
骸骨のモチーフを用いた装飾とカタコンベで近日公開が決まったものだが、
ペスト菌とは意外としぶといのでお越しの際は要注意。
この教会のおかげか怪しい雰囲気はかなり緩和されているように感じる。

 

以上が良く知られているいわく付のスポット、ここからは個人の体験談。

 

カプアノ門
ノルマン人により建てられたカプアノ城への入り口となるこの門は現在城壁が取り壊され、門だけが残っている。この地点に着いたとたん、霊感少女の友人は謎の胃痛を覚え、門をくぐることを恐ろしく否定した。
彼女は感じると胃に重みを感じるそうだが、
歴史的な逸話としてこの門に関する記述はない。

 

ドゥオーモ
聖ヤヌアリヌスの奇跡で知られる教会だが、この側廊左側に初代キリスト教美術史において重要な聖レシストゥータ礼拝堂がある。
切符売り場に気味の悪い劇場のような壁画装飾が施されている、
この空間に入ると急に頭痛が始まるので礼拝堂に入る前に退散している。
この教会では上記の友人も胃痛を覚え、ゆっくり拝観したことがないそうだ。

 

聖マルティー修道院
ケーブルカーを使って丘を登ると有名なナポリのビュースポットに出る、
ここでは聖エルモ城と修道院を開放した博物館が見られる。
城の方は12世紀に建てられた城砦であり、
迷路のような通路にいくつものトラップが仕掛けられている、
暗くて雰囲気はあるのだがとてもすっきりした印象だ。逆に修道院の方は明るく、
海に面しているといった清々しい条件がそろっているのだが、
入った瞬間、不気味な静けさに違和感を感じた、まるで時間を逆行してしまったような、
今にもシスター達が仕事に精を出していそうなそんな雰囲気である。
そちらかといえば修道院長が見張りをしてるという感じだが・・・。


ジェズーヌオーヴォ教会
歴史的地区のメインとなるスパッカナポリより伸びる道沿いにある、
スペイン統治時代のバロック様式であるのだが、
この教会の奥には聖ジュゼッペ・モスカーティ礼拝堂がある。
この聖人は奇跡を起こしたお医者さんで病気の人の守護聖人なのだが、
ここに巡礼に来た人々の持ち寄った銀細工が壁一面を覆っている。
この銀細工は体の具合の悪い部分を模ってあり、その形状によりそこが悪かったのがかわかる。
心臓、足、肺などがほとんどであるが変色しているものや写真、
髪の毛なども展示されているため、気味が悪いのだが、
ここで嫌な空気を感じたことは一度もない、
むしろ落ち込んでいるときによく来たものだ。
教会に入ってすぐ左側に天使の彫刻があるその下には本物の人骨が祭られている。



レアーレ王宮では夜になると当時の住人が歩き回るとか、
地下鉄沿線沿いには首のない男爵が馬に乗って走っているとか、
この手の話で具体化される霊の話はスペイン統治時代のものが多く,
それ以前になると極端に数が減る。
それどころか古代ローマ人古代ギリシャ人の霊の話は一度も聞いたことがない。
トーガを着たおばさんが教会の前でオリーブのつぼ探してた!とか、
こういうのは全く話題に上がらない。

 

歴史的地区にある建物には必ずいくつかの怪談話が付き物だが、
実害がなければ何の処置のしない。
学生アパートによくある出入りの激しい部屋に当たったことがある。
3ヶ月と持たずに住人入れ替わる部屋である。
何も知らず借りたところ毎晩金縛りにあい、
深夜の勉強中には耳元でささやき声、
電話のベルの音が明らかに部屋の中でしていた。
そのベルの音も電子音でなく昔の黒電話みたいな音で鳴り続けるのである。
そんなことより私が一番怖かったのは,同じアパートをシェアする100キロはあろう40歳半ばの女の子2人組みによる出会いサイトを活用した今晩のお相手探しである、
連れ込んだ男の中には関係のない私まで巻き込もうとするものもいたため
勉強どころではなくなり、4ヶ月でこの物件を去ることにした。
そのアパートを去る引越し数週間前、
一番長くアパートを借りている女の子から意外な話を聞いた、
彼女は不在がちなためあまり話す機会がなかったのだが、彼女が引っ越してきた頃、
私の部屋のドアが開いていたので声をかけたら女性が挨拶を返してきたらしい、
その後いつも閉まりっぱなしの部屋を不思議に思い、
大家に問い合わせをしたところその部屋は長いこと空室で鍵がかかっているはずだ
といわれた瞬間、怖くなり、一人でアパ-トにいることを避けていたらしい。

 

中にいたのは女性らしいが、出会いサイト二人組みの性欲の方がよっぽど恐怖である。