ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

オスロでもイタリアは付いて回る

 
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お外、晴れてます!
気温は14℃の晴れの日、起きた瞬間から行くところは決まってます。

海ですよ!

オスロで泳ぐと言ったら、フェリーで15分くらいのホヴェ島にする?
それとも
野外民族博物館やバイキング・シップ博物館のあるビュグドイにする?

“もっと近いところにビーチはある!”

と言い張ったカミッラに連れられて、
徒歩で5キロくらいの“海辺”に行くことになりました。

パリのモンマルトルを思わせる並木道があるハイソな地域
(元々住宅街を緑だらけにしているオスロではダサい界隈)、
そして、ビジネスタウンっぽい中心街を抜けて行くと
なんだか、すっごく郊外っぽい幹線道路に出ます。

その幹線道路を進むと森が・・・
海に行きたいのに、奴の口車に乗せられて森に連れてこられたんだろうか?
と、ほんとうは怖いグリム童話のような気分になる私の目の前に
イタリアでよく見る、郊外にあるハム・チーズの店が・・・
カミッラと中に入ると、匂いがイタリアの店、
かび臭さと発酵臭さと畜産場っぽい動物の匂いです。
イタリア人経営のイタリア産高級畜肉、酪農品店でした。

サンドイッチを注文しようとすると、
“昨日イタリアから戻ってきて、今日は祝日だし、パンは用意してないんだ。
妻がそういうのに全く無関心で、品切れ中なんだよ。”

・・・いいなぁ、こういうの。

期待していたサンドイッチが食べられないのに
幸せな気分なのは、“儲けること”に必死でない生き方を
垣間見るからだと思います。

幹線道路から森へ入ると、海の匂い。
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海は近いんだろうが、ここはこんなに緑だらけじゃないか?!
すれ違う人たちも、脇の下が汗でびっしょりの服を着ているし、
ランニング人間やサイクリング人間もいる。
海の近くで、重力に逆らって運動ですか?
私なら浮力を利用した水泳をするぞ。


木の間を歩き続けていると、いきなり目の前に開けてきたのは
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クルーザーの港とビーチです。
子連れの家族も多く、早速砂浜に降りようとすると、
カミッラが泳ぐのは、左に見える林の裏手らしく、
更にそこまで歩きました。

私は汗だくです。
写真には写っていないが、林の裏手は岩石ビーチになっていて、
人気のない海を楽しみたいなら、岩を下っていかなければいけません。
サンダル履きの私は、またもや、
自分とカミッラの命を心配することになりました。

無事に降りた後も、復路のロッククライミングに気が重くなり、
泳いで、体力を消耗したくないと、岩場でムンクの絵画のように
海を眺めることにしました。
こんな感じで↓
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カミッラは私よりずっとスポーティなので、
鞄も服も置いて、すぐに水に浸かっていました。

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目の前を小型のクルーザーやカヌーが行ったり来たり、
岩ビーチなんで、裸足で歩くのは少し痛い。
でも、お日様を浴びたくて水着になり、
遠ざかったり、近づいたりするカミッラを眺めながら
ぼーっとしていると、やっぱり暑い。
ついでにサングラスでトップガントム・クルーズになっている自分が
かっこよすぎる。
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結局私も海に入ったけど、
水温が低すぎて、オシリを水に浸ける勇気がわかず、
膝上のところで陸に引き上げることにしました。

その後、黒い雲が立ち込め、夕立が始まったので
海を後にすることに・・・。
折角命の危険を冒してまで来たのに、いたのは30分程度。

実はこの後、会っても嬉しくないイーヴァルの誕生会に招待されています。

イーヴァルって誰?

こいつです。
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4年前にドメニコ会の修道士になると言って、
お試し修道士をしていたカミッラのお友だち。

別行動をしようと提案もしたのに、
カミッラは私にも来てほしかったらしく、
ミサに行かないとまで言い出す。
決め手は奴の友達がハンサムぞろいだったことを思い出し、
行くことにしました。
 

イーヴァルは現在、中心街から北にある学生アパートに住んでいて
初めて行くカミッラも、道が分からずに
地図で場所を確認しながら2時間かけて着きました。

アパートに入るなり、カミッラはイタリア語であいさつをしていた。
な、何事?
と思いきや・・・

イタリア人がそこには一杯(5,6人)

イーヴァル・・・本当に27歳ですか?って言いたくなるくらい老けている。
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イーヴァルは7月にイタリア系の女性と結婚するそうです!
ケーキを切っているのが、その婚約者、セレーナ。
お客さんはセレーナの家族で、お父様はローマ人。
そして、イーヴァルのママもいます!

イーヴァルのママは再会をとても喜んでくれました。
病院食堂のオバちゃんなり、ヨハンネスなり、
4年たっても私のことを覚えている人はいるんだと思うと、
泣きそうです!

・・・で、修道士になるんじゃなかったっけ?

セレーナと出会ったので、辞めた上に
精神的な問題から耳鳴りが始まったので
現在無職とのこと。
それでも結婚をあきらめなくていい上、
同棲しているアパートは大学生用の国の施設です!
フ、福祉国家って希望を分けてくれるのね。

セレーナの家族はとってもフレンドリーで、
イタリア語を話せると言うことで、
随分、私を会話に混ぜてくれました。
だた、兄嫁は私がカメラを持っていることが不安だったしく、
私に聞こえない声で、
“日本人は何でも写真に撮るから、子供たちが心配。”とか
言っていたらしい。
そう言うことは、私にハッキリ言ったらどうですかね?!

ケーキはセレーナの手作りで、ブルーベリークリームの
プリンセスケーキでした。
私はヴィーガンなので、味見すらしなかった。
イタリアのコーヒー機で出してくれたコーヒーは
とっても薄くて、ちょっとショック。
これ、イタリアのコーヒーだと思ってますか?
なんて質問はしてはいけない。

それにしても、ノルウェーでこんなに
イタリア語を話すことになるなんて思ってもなかった。
セレーナのハンサムなお兄さんは、
誰かとイタリア語をこんなに話せるのは幸せだと言ってくれた。
確かに、アジア系が南アクセントのイタリア語を話すなんて
想像できないよな。

イーヴァルも自分の修道士になろうとした過去を知っている
私が来たことで、少し居心地が悪そうに見えた。
 
本名を変えさせるほど、暗い過去があったと後で知ったけど、
それって、日本人のクズ男が普通にやってること。
罪償いのために自分の人生をお祈りに捧げたかったようです

そう言うわけで、期待していたハンサムなお友だちは
誰一人来ませんでした。

“今日はペンテコステだ!ミサに行かなきゃ!!”

ペンテコステって日本語でなんて言うの?
キリストの死後、最後に起きた奇跡と言われるもので
キリストの教えを使徒たちが聖霊によって多言語で教えを説いた日を
記念したキリスト教で重要な日。
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聖オラフ教会、ポール神父が怖いので、引っ込むのを待っていた。

万歩計を付けていたら、すごい数がカウントされただろうと思う。
往復10キロは歩いたかな?

家に着いて、すぐにでも寝てしまいたかったのに・・・
トイレから出た私を待っていたのは・・・


丁寧に体に良いという白茶(どこが白いのかわからないが、半発酵茶か?)
と、椅子にクッションまで用意してくれました・・・

これから、“オスロ中央駅の死者”という、
都会の闇とそれを救った高校生のロマンス映画を上映予定。

もう、2回も見たけどね・・・。