と言うわけで、曇り空のオーレスン。
オーレスンなんて地名を知っている方が建築マニアなんで
今回も昔ダウンロードした地図をどうぞ!
西ノルウェーにある、電車も通っていない
フィヨルドの突端にある街で、規模で言ったら5,6番目の都市だそうです。
歴史的興味から二度も行っているのに、
今回はカミッラのお友だち(女の子)が去年から
こちらに家を買って住み始めたというので、
行くことになりました。
このお友だちはユールンと言って2013年に、
カミッラの通っていたイタリア語翻訳者養成講座で
知り合っているので、英語の話せなくなった私にはとっても嬉しい。
とっても素敵なユールンのお家
ノルウェージャン・ホスピタリティというのか、
私たちが到着するまで仕事に行かずに待っていてくれました。
その上、オーガニックの中国茶を入れてくれて、
朝ごはんの心配までしてくれました。
“ねえ、朝ごはん食べた?”
“食べてきたよ、海の近くの店でダニエラ(モンクちゃんのニックネームです)は
フライドポテトを朝っぱら食ってた。”
“カミッラ、あんたはソフトクリーム食べてたじゃないか。”
そう答えた後、しばしの沈黙があった。
後で分かったのだが、ユールンは食べ物にとてもこだわっていて、
発がん性が認められているフライドポテトや
白い麻薬と言われる白砂糖たっぷりのソフトクリームを
朝っぱらから食べる私たちの悪食具合にかける言葉がなかったらしい。
とても気の利いた方で、2時半に起きて旅してきたことを知ると、
しばらく休んだ方がいいと、寝室を用意してから出勤して行った。
フレックス制の仕事・・・いいなぁ。
ダダーン! ええ!?カミッラとダブルベッドですか?!!
いえいえ、ただで泊めてもらっているので、文句はありません。
眠れるはずはないけど、隣でカミッラはすぐに深い眠りに就いていました。
そして、10分後には起き上がって、無人になった家の中をウロウロしたあと、
メールが届いて、イタリア語の電話通訳の予約を受けたそうだ。
そのいきさつをイチイチ覚えているあたり、私は目をつぶっていたが
一睡もできなかったということになる。
通訳は二時間の予定なので、その間に一人で街をうろつくことにした。
まずは図書館でトイレを借り、観光案内所でステキな写真のパンフレットを探し、
スーパーで水とヴィーガン対応らしきビスケットと林檎を買った。
スーパーでの買い物は必須です。
ノルウェーは物価が高く、コンビニやキオスクで水を買うと三倍はするし、
空腹時に魅力的なペストリー類やファラフェル屋台の前を通ると
無駄な出費をしてしまうので、安いビスケットやリンゴで
ある程度、胃に入れておいた方がいろいろと安く済む。
私は経済サバイバルキットと呼んでいるが、
カミッラからはケチの小銭蓄えキットと呼ばれている。
一人の二時間はあっという間に過ぎて、
家に戻る途中、私を探しに来たカミッラに見つけられる。
変な彫刻が一杯のオーレスン。右側に見える白いジャケットの彫刻も変。
ユールンの仕事が終わるまで、時間があったので、
近くにあるお二人のお気に入りカフェで、遅いお昼ご飯を頂きます。
ユールンは足の治療中なので(水虫ではない)、
三か月間の半日勤務期間中。
ノルウェーは週30時間がフルタイムなので、
一日に働くのは3時間だけ・・・
彼女のお仕事は簡単に言うと街の美化活動。
ちょっと詳しく話すと、
歴史的建築物の再生、環境への配慮、住民の心理的な作用を研究し、
皆が幸せに住める街づくりをしている。
これ、大好きなKOCのアイリックのお仕事と同じです。
ついでにユールンは、ベルゲンの都市計画家たちをとても評価している。
ランチのシラク―サ・サラダ
このサラダだけで2千円越えです。
一皿の量が多いとは言っていたが、二人で食べるには少ない。
私はスーパーで買ったサバイバルキットもあるし、
飛行機の後は食欲がなくなるので、遠慮して少しだけ食べた。
ヤギのチーズが塊で二つも付いてくるし、
南イタリア食品もたっぷり入っているので、金額相当ではあるが、
私はそのお金で別のことがしたい。
一番安い300円のエスプレッソすら注文しない私だけど、
カミッラもノルウェーも素晴らしくて、そのことに文句を言ったりはしません。
そして、よっぽどこのカフェが好きなのか
ユールンが仕事から戻ると、ここで一息つきたいと言うので
また行ってしまいました。
面白い造りになっていて、テーブル席の段差も板張りの床も素敵です。
ついでに入り口からカウンターまではバリアフリーです。
基本的にセルフサービスのカフェ。
水もフォークもナイフもタバスコもお好きにどうぞと
置いてあります。
ノルウェーの水無料サービスはとってもありがたい!
古い家具も水道栓も良い雰囲気で、
この店のインテリアデザイナーはなかなかのセンスだと思う。
この店でユールンのお仕事の悩みを聞きました。
まあ、日本でよくある長く勤めている人が
職場の人間をコントロールできるって勘違いするというもので
ストレスの多い職場なんだと思いました。
日本だったら、異質なものを排除する無言の攻撃があるけど、
ユールンの場合は少し“私は偉大”という自信オーラが
ババアの気に障ったんじゃないかな?
実際にユールンは新聞に美術史のコラムを書いたり、
歴史的建造物の修復活動を行う決定権があったり、
地方紙には数ページ単位で顔写真付きの記事が載るほど
この地方の文化人として活躍している。
そんなにすごい人と知り合えるの?!ってお思いでしょうが、
アイリックが世界的に有名なミュージシャンでも
ベルゲンで普通に生活を送っていることを思えば、
ノルウェーでは、そういった人たちとの距離が短く
身近な存在なんだと思う。
誰にでも平等なカミッラパワーのおかげもあるけど。
その後、ユールンが半年乗っていなかった車の調子を確かめたいと
オーレスンの展望台まで車で連れて行ってくれました。
展望台の上はとっても寒くて、二人とも顔がこわばってます。
美意識の高いユールンには不本意な写真だったろう・・・。
この展望台は前回、階段で上がって死ぬほど息切れしたんですが、
今回は裏手の車道から車で来ました。
駐車場には団体用のバスが数台、
以前、ジジイとババアがここまでどうやって登ってきたのか
不思議に思っていたけど、車やバスで来ていたんだと知りました。
この後、北アフリカ系の郷愁漂うオッサンのピザ屋で
痛い出費をしてしまい、ユールンと地方都市の経済について
深く考えさせられたのでした。
・・・カミッラ、あんた口座の残金大丈夫?
出発前に数万円程度しか残っていないと嘆き、
母親からおこずかいまでもらってきたが、
奴の残高がゼロになり次第、
必要に応じて肩代わりをしないといけなくなる覚悟を
・・・させられたが故に、自分のための出費を更に削ることに。