ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

プレ・クリスマス

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サン・グレゴリオ通りのプレゼーピオ売り場
 
 
 
この道はキリスト生誕の様子をミニチュアにしたクリスマスの飾り"プレゼーピオ"用の
素材や人形などが売っている、イタリアでは割と知られた地区になっています。
 
クリスマスの飾りつけ市は、オーストリアが有名だけど
ナポリのプレゼーピオ市もなかなかの賑わいがあります。
プレゼーピオを飾る日が12月8日のインマコラータの日に当たるので、
この時期になると、北イタリアから観光でいらっしゃる団体さんで一杯です。
 
 
参考までに、カルメンの作ったプレゼーピオ
お人形さんたちは勿論、この辺で売っている出来合いのもので、
馬小屋などに使う素材、電球などもここで買うことができます。
大切なのは、キリスト生誕のシーンをどう表現するか。
 
つまり、シルバニアファミリーでもプレゼーピオを作ることが可能で
どう飾るかはあなたのセンス次第というわけです。
 
 
安価で大量生産の作品が多いなか、真面目な職人工房も健在です。
 
その一つがこちらで、右側でピーク時用の臨時屋台設置中。
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工房の入り口に展示されていた家の模型。
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キリスト生誕の様子は馬小屋がスタンダードですが、
中には、馬小屋周辺の民家を再現する人も居たりして、
こんな家の模型も売り出されていますが、
ここまで大掛かりなものを使うのは教会に展示するものがほとんどかな?
 
店先にあるのは、ほとんど商品見本みたいな感じです。
 
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こういう真面目な工房で
じっくり作られた人形たち。
 
お魚屋さんです。
 
魚はキリストのシンボルで、
ローマ時代、及び聖像破壊運動時には、聖堂を飾るモチーフとして
大活躍していましたが、
カトリックの概念として魚は
水の中で自然発生するという
植物的なイメージがあったため、
命を奪って食べるものという扱いを
受けておらず、肉食を禁止されている
クリスマスイヴや復活祭前日に
いただくことが多いです。
 
つまり、イタリアでベジタリアンというのは、
哺乳類及び鳥類を食べない人のことを指します。
 
私は魚も食べない変人ですけど・・・。
 
 
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ファンキーなお魚屋さん。
 
手前の白い短冊のようなものは
鱈の塩漬けです。
 
この食材はクリスマスの
ナポリ家庭には欠かせない一品で、
水で戻した後
パプリカ、人参、玉葱の
酢漬け、オリーブで和えて
サラダになったり、
天ぷらにして24日の
ディナーで食べられます。
 
 
 
ついでに鱈の塩漬けは
ノルウェーバイキングの保存食として
彼らが世界に広めて行きました、本当です
 
イタリア統一で有名なガリバルディさんも
一仕事を終え、アメリカに移民した際も
鱈の塩漬けを持って、船に乗り込んでいったと言われています。
同じキャビンを使う人たちはきっと足の匂いよりきつい
お魚臭に悩まされたことでしょう。
 
小道に設けられた屋台、割と安価な量産系のものが売っています。
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量産といっても、かなり凝っていて、水の流れる噴水やら、
ちょっとした仕掛けのあるものが並んでいます。
 
 
 
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ナポリのシンボル"プルチネッラ"
 
17世紀ごろから出てきた
即興劇で大活躍のピエロのような存在
 
白い衣装と鷲鼻マスク、
シンバルを持って、大騒ぎするだけの
おっさん道化師です。
 
こちらは、プレゼーピオ用というより、
この時期にいらっしゃる観光客の
衝動買いを狙った便乗商品です。
 
 
 
 
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ナポリらしいプレゼーピオの人形
 
ピザ職人。
 
電気仕掛けで血色のよい
富の象徴メタボ親父が
モクモクとピザを出し入れ。
  
 
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無表情に空を眺めながら焼くバージョン
 
上のおじさんと同じ顔なので、
作ったところが同じと見られる。
 
このおじさんは静止バージョン。
 
 
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こちらのピザおじさんは
上目遣いで、何かを企んでいそう。
 
きっと商工業議会一揆でも
企てているのだろう。
お仕事も上の空なのか、
ピザも置き場がないほど
焼きすぎている。
 
 
以前も陶器でできた職業表札を紹介したが、
イタリア人は職業を形に具体化するのが好きなのか、
プレゼーピオ用に、全く関係のない職業模型も沢山ある。
 
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学校の先生とレッカクーロ(ゴマスリ)
落ちこぼれ学生。
"先生万歳"のプラカードを持っているが
黒板には3×3=7という表示が気になる
 
横のかなづちを持った男は
鍛冶屋だろうが、アホ学生を
後ろから突っ込むおっさん風だ。
 
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チーズ工房。
 
いろいろな種類のチーズに加え、
バター用の桶もあり、
珍しく勤勉そうなおじ様ですが、
左隣には賭博場があり、
一通り仕込んだら、あとは一日中
ナポリカードで遊ぶのが
日課のようにさえ見えます。
 
 
 
 
 
 
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六法全書を備えた弁護士。
 
ナポリ大学の法学部は
何処よりもマスターしにくい
といわれている分、
こちらの方も卒業までかなりの時間を
掛けたのでしょう。
その苦労がいつまでも学位の
見せびらかしてきな、
卒業帽を脱がないという行為で
体現されています。
 
 
 
 
ご覧の通り、ナポリのプレゼーピオは、
キリスト生誕の再現ジオラマの枠を大きく超えて、
懐かしさ溢れるブルボン王朝時代のナポリを忍ぶ
街の再現をしているのです!
 
他にも肉屋、サラミ屋、八百屋などもあり、
それ以外にも有名人や世間を湧かせた人物の人形も売っています。
 
イタリアの元首相ベルルスコーニをはじめ、
ナポリのサッカーチームを優勝に導いたマラドーナ
喜劇俳優トト、マイケル・ジャクソンまでありますが、
私の大好きなハリー・ポッターやアーランド・オイアはありません。
 
 
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人出の多いところには、
不思議な商売が付き物で、
靴下セールスや揚げピザ歩き売りの
おばちゃんに混じって、
 
ロトくじ番号売り
というお仕事があります
 
手のリインコと箱を抱えたおっちゃん、
こちらのインコがランダムに
箱の中にある番号を選んでくれます。
 
随分前に、こういうお仕事で
小銭を稼いでいるジプシーのおじいさんを
よく見かけたので、
その度にナケナシの小銭を
"インコの餌代"として差し出してしまっていたことがありました。
お爺ちゃんっ子だった私には、
できなかった爺さん孝行をこういう形で
してしまう変なクセがあるのです。
 
 
 
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ついでに、こんなポスター発見!
 
スウェーデン企業として、闇仕事の多いナポリでは
救世主的な仕事場を提供していたイケア。
 
"安く買った家具を組み立てるのはあなた、
労働法を解体するのはイケア"
 
というキャッチフレーズ。
 
イケアではストライキを行った人を解雇しているという
お知らせで、既に107人が被害に遭っているそうです。
 
日本の飲食店でバイトしているとき、
労働基準法はほとんど無視されていたので、
私はそれに対していつも疑問に感じていた。
一緒に働いている人たちに話しても
"怠け者"で終わっていたので、
イタリアの労働者を守ろうという動きは好きだな。