ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

粉チーズとパスタ

ご飯がおいしいともっぱらの評判である南イタリア
流石にケチャップで炒めた何でも野菜パスタを
ナポリの伝統料理と思う人はいないと思うけど、
意外と知られていないイタリア(南部カンパーニア地方)の
御食事に関するお話を少し。
 
 
 
 
 
 
イタリアご飯は塩味イメージ 5
 
 
イタリアに来て驚いたのが、
胡椒を日常的に使わないことだった。
日本では塩、胡椒が基本だった気がするのに、
ナポリの家庭では胡椒のストックはあるものの、
塩とセットで使ったりはしない。
イタリアに着たばかりの留学生には
パスタのソースにトマトを使わないことも
あまり理解してもらえないが、オリーブ油、ニンニクで
野菜を炒め絡めたものが家庭料理の
スタンダードなのではないか?
野菜炒めと白飯のの方がイタリア人にとっては
不思議な風景なようだ。
 
 
 
 
 
 
粉チーズイメージ 6
 
 
粉チーズで有名なのは中部で作られるパルメジャーノとか、
パダーノだけど、南部ではベッレーやら、リコッタチーズを
乾燥されて粉にしたもの、
山羊の乳で作られるペコリーノなどが挙げられる。
 
パスタにかけて食べると思っている方も多いのではないかな?
ナポリでは食道楽なのと、トマトが大陸より伝わってくる以前には
パスタの調味料として使われていた手前、この習慣が残っている。
 
しかし、ナポリからカラブリア、バジリカータ方面の地域では
パスタに粉チーズをかけて食べない習慣もある。
 
上記の2品は私の台所に常備していない。
 
 
 
 
シンプルなトマトソースに粉チーズをかけるな!
 
バジルやイタリアアンパセリ入りのシンプルなトマトソースは
ニンニク、オリーブ油、トマト缶だけで作る。
これに粉チーズをかけて食べたら、トマトの風味がなくなる。
 
 
イメージ 2
スパゲッティ・カッペリ・エ・オリーベ
 
イタリア料理好きにはプッタネスカで知られている、
意味は"娼婦風"、
信心深いマダムの多い南部の家庭では、
お子様の教育上言葉に気をつけるため
"ケッパー&オリーブのソース"と表現する。
アンチョビをニンニクと油で炒めて
ケッパーとオリーブを煮込んだトマトソースのパスタ。
アンチョビの代わりにツナ缶を入れてもOK。
勿論、両方入れなくてもOK!
 
 
安上がりでテイスティーな一品、オリーブの風味がしかっり移ったソースに粉チーズをかけてはいけない!
この一品に合う調味料は生の唐辛子。
 
 
 
 
 
 
イメージ 1
 
魚貝のパスタ
 
これに粉チーズ?!
アメリカ人と思われる人の横でお食事すると
必ずこれでもかとかけて食べている。
こういうパスタに合うベスト調味料は生唐辛子の辛いやつ。
ニンニクとオリーブ油、パセリだけのビアンコソースで食べる方がスタンダード、パスタに対して魚介の量が少ない場合のみ、トマトを少量足してごまかし作るのがロッソ。
写真はプチトマトを少量入れたロッソ。
 
 
 
基本的に魚のパスタやぺペロンチーノなどオイルニンニクベースのパスタには
粉チーズをいれては風味が台無しになるので、かけない。
 
逆にたっぷり掛けていただくのは、肉で出汁をとったトマトソース"ラグー"や
日本で言うところのミートソース。
 
 
 
オレキエッテ・バレーゼ
 
イメージ 4
そして、イタリアのかかとに当たる地域プーリアで
よく食べられるブロッコリーのパスタ料理。
ブロッコリーをクタクタに煮て、
ニンニクとオリーブオイルで炒めるとペースト状になる。
それに耳の形をしたオレキエッテというパスタを
チーズと唐辛子と一緒にいただきます。
 
日本のイタリア料理店で注文した際、
チーズなし生ソーセージ入りで悲しかった。
コックさんの修行した地方がきっとプーリア圏ではなかったのだろうな。
 
 
 
 
イメージ 7
イタリア料理は地方色豊かなので、
ナポリから少し南下したサレルノ県では
ブロッコリーの代わりに"チーマ・ディ・ラーペ"
と呼ばれるものを絡めて食べられることが多い。
 
苦味とニンニクの風味、唐辛子のハーモニーを
壊さないよう、こちらにはチーズはかけないことが多い。
 
 
 
 
 
 
イメージ 8チーマ・ディ・ラーペ(Cima di Rape)
と呼ばれるお野菜、見た目は菜の花そっくりだけど、
日本で食べた菜の花となんだか違う。
なんの野菜でしょう?
 
この野菜もニンニクと唐辛子で炒めると
ご飯を何杯でも食べられる
イーペルアペティートなおかずになります。
数年前、カミッラと一緒に一日で3キロ食べました。
 
 
 
ちなみにイタリアでは野菜の呼び方も地方によって違う(だから引越しできない)。
この野菜、ナポリではフリアリエッリ(Friarielli)と呼ばれ、
サレルノ地方でブロッコリーといえば、この野菜を差す。
カルメンの実家ではナポリ風にフリアリエッリといえば、シシトウが出てくる。
 
 
 
 
ナポリといえば、これまたティピカルで粉チーズをかけないものがあった。
イメージ 9
 
パスタ・エ・ファジョーリ
 
インゲン豆とパスタをあわせた料理で、
ナポリではご馳走の一つ。
いろいろな形状のパスタを入れていただきます。
これだけは私も上手に作れない。
 
ビジュアル的にはあまりきれいではないけど、
胃にどっしりくる重た目な一品で
食後に胃薬を飲む人もいるくらいだ。
胃がもたれてでも味わいたいという
古代ローマの血統を見ることができる
ある意味フォークロアなお料理。
 
古代ローマ人は沢山のものを食べる為、
満腹になると吐いて胃にスペースを作っては
また食べるということを繰り返していたそうです。
 
 
イメージ 10
 
こちらの液体っぽい写真は
インゲン豆とパスタのバリエーションの一つ。
山間部で食べられるものはパスタ少なめで
もっとスープに近い。
ここにニンニク、野生のアスパラガスをオリーブオイルで
炒めたソースでいただきます。
 
 
 
日本に帰ったときにびっくりしたものを発見。
"バジルソース"とかいうもの。
 
 
イメージ 3
 
カンパーニア州にはそれに似たものといえば、
ものぐさ学生のお助けメニューであるジェノベーゼペーストか?
うちのアパートにいたデンマーク人が何かと勘違いしていたのか、
パンに塗ってやせ我慢しながら食べていた。
 
ちなみに何年も前に食べに行ったサレルノのピザ屋、
生地がパリパリというニセモノ具合に見かねてタバスコを掛けたら、
カルメンに怒られてしまった 。
"ピザはピザらしく食べろ!"とのこと・・・カルメンのご両親は食べ物に対する
信仰があるため、この辺は結構厳しいが、
カルメンパパとは唐辛子ファンクラブ仲間だ。
 
・・・イタリアは不便で、インスタント食品は不味いと相場が決まっている。
お惣菜などを売っているスーパーも近所にできたが、魅力に欠ける見た目に
どうみても自分で作ったほうが安くて美味しいそうなので、
未だに手を出したことはない。
 
 
 
本当に美味しいものは家庭にある!
(勿論お料理が苦手な家庭もございます。)
 
 
私の食事に対する美徳でした・・・・。
 
 
 
Unitli you understand
Kings of Convenience
 
 
今回の写真はすぺてインターネットからお借りしました。
あんな沢山の品数作れるわけない。