ナポリにあるサン・セヴェーロ礼拝堂にまつわる怖い話をお届けします。
よっぽど目的意識をもって出向かなければ、見逃してしまうような場所にある礼拝堂ですが、
歴史的、芸術的に価値のある小さな礼拝堂で、
私が小学生の頃だったろうか?
なんと霊能者の故宜保愛子さんも霊視に訪れている。
サン・セヴェーロ礼拝堂
16世紀末にサン・セヴェーロ家により、
安らかに眠る場所、つまりお墓の礼拝堂として
建設されたのだが、18世紀に7代目当主ライモンドによりバロック様式に改装され、その時代、地下には人体実験場があったとか?!
近年壁の塗り替えが行われたので
随分きれいになったが、
私が行った当時はお化け屋敷の入り口的だった。
礼拝堂の中にはベールや編みマニアかと思うような、精巧な彫刻たちがあり、
その中でも左下の"ベールの下のキリスト像"はこの礼拝堂のメイン彫刻となっている。
この礼拝堂、階段を下りて小さな廊下に出るのだが、
そこに展示されているのは、なんと2体の不思議な骸骨。
怖いから小さめで。
左は男性、右は女性のもの。血管のみが残る骸骨だが、
どうして血管だけ残されたのか、ちょっとした逸話が残っている。
ミイラを作る実験に男女2人を生きたまま実験にかけていたといわれる。
実際、女性の方は右腕を上げたポーズのまま固まっている上、
胎児がいた証拠としてへその緒らしきものが残っている。
男性の方は心臓が通常よりも大きく残っている為、
実験のために肥大したという説もある。
宜保愛子さんのお話では
セベーロ公に仕えていた下働きの2人だという。
記憶によれば、生きているときに注射した水銀により、
血管の保存に成功したとか。
こちらの骸骨は現在でもその方法は明らかになっていないが、
文献によれば、ミイラを作ろうと蝋に漬け込んだそうだが
その過程では科学的に解明することができない。
ランモンド・デ・サングロ
(Raimondo de Sangro)
この骸骨を作ったとされる人物が
7代目サン・セヴェーロ家当主であるライモンド。
学問に長けていた王子様はマッド・サイエンティストな面を持ち
人体実験にも手を染めていたとか・・・。
言い伝えによれば、枢機卿7人を殺して、
その骨を皮で椅子を作って座っていたといわれている。
サン・セヴェーロ礼拝堂、彫刻をもっと楽しみたい方へ。
ここからは個人的な体験談。
その礼拝堂へ行った霊感持ちの知り合いがある。
骸骨が展示されている地下の階段を降りているうちに
気分が悪くなり、青い顔をして戻ってきたのを覚えている。
その日の晩、誰かが彼女の寝ている部屋のすぐ下を
何度も通り過ぎては戻って来るような足音が続き、
ついには部屋の中にも入ってきたとか、
部屋をぐるぐる廻って、部屋の椅子に腰掛、朝方に消えていったという。
あまりにも怖かったので、ランプの光を当てて見えないようにして
寝たふりをしたが、まるで包丁で肉を切るような音を出す存在に
恐怖を感じて朝を待ったそうだ。
実際、椅子が動いていたと泣いていた。
あまりの恐怖に翌朝、ナポリをそそくさと去っていった。
彼女曰く、ナポリは霊感のある人にとって、とっても危険な街だとか、
旧市街を抜けたところで、気持ちの悪さが抜けすっきりしたといっていた。
ちなみに彼女、カルメンからは強い霊感を感じ、
カミッラには恐怖を感じたそうだ。