ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ナイトライフ Feat.うつ

がんばろう日本!という言葉を掲げて復興へ向かっている中、
自分の鬱々ノルウェーライフを記事にするのは、いけないような気がするが
いつもの記事に癒されるという読者の方(千葉市在住の私の姉です)がいたので
久しぶりに記事の更新をしようと思う。
 
オスロの公園にて、"冬を!" "暖が来る!" "地球の温暖化反対!" 雪だるまがマニフェスト
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The Smiths
There is a light that never goes out
 
 
 
オスロ滞在中、早めの夕食を終えミサに行くのが日常だった。
30分程のミサが終わると人気の無い繁華街を通り、家路に着くのだが、
綺麗な青い空の下、気持ちは下降線。
妙な恐怖心がのしかかり、家に帰りたくない病が出る。
 
生きた国の味が味わいたいから、若者の集まるところに行きたくてたまらなかった。
 
♪Take me out tonight~
 
カミッラのアパート近所に学生パブがある。
そこに潜入してみることにした・・・。
 
満員の店内ではクイズ大会が行われ、皆さんかなり熱中しているようだった。
質問の内容は"ローマを流れる川の名前は?"など、初級者向けのように感じたのだが、
ビールを片手に真剣に取り組む学生達・・・週末の娯楽がクイズか・・・。
 
素敵な金髪兄ちゃんたち、めかしこんだ女の子達、
一生懸命に質問を聞いて解答用紙に答えを書いている様子は
正直なところウディ・アレンの映画に出てくる皮肉なシーンのようにさえ見えたが、
この滑稽さが可笑しくて、私もハイになって参加した。
 
休憩タイムに外に出て、喫煙中のお兄さんと世間話。
学生ライフに憧れる30代大学生だった。
クイズが再開するからと、10分程でおしゃべりを切り上げて中に戻って行った。
 
私もスミスの曲を大声で歌いながら帰るが、
ノルウェーでは多少の愚行は酔っ払いとして片付けられるため、
音痴でも堂々と歌えることが嬉しい。
 
 
 
 
ピンポン玉ランプは紅茶の美味しいパブにて
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学生が夜出歩くというグルーエンロッカという地域、
紅茶が売りのパブは、内装に凝っていて良い雰囲気だったけど、
音楽の音量が大きすぎて会話ができない。
隣の席には2メートルもあろうかという巨漢の間抜け面・・・、
私の弟君を思い出して、日本に対する気持ちが募り、
座ってジットしていることが苦痛にさえ感じた。
 
凍結した道を2キロも歩いてきたのに気分は"帰りたい"。
帰りたいのはカミッラのアパートではない。
イタリアでも日本でもない。
帰りたいところは元気だった自分の気持ちだ。
 
 
ベルゲンの大学生協(的な)学生パブKvarterイメージ 3
 
このパブには小さなホールがいくつかあり、Kakkmaddafakkaのライブが行われた。
そのために日程を調整してベルゲンに来たというのに、
定員制限で入場できずに・・・。
皆さん、黒いミニスカートとピンヒールのブーツが制服なんじゃないかと思わせるほど、
同じ服を着た女の子達を見た。
ジーパンに長靴で魚市場勤務風の私は浮いていた。
 
 
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↑不良になろうと思って、スヌース・CD・煙草
 
結局、即席売店のCDだけ買って帰ってきた。
売り子のお兄さん、同じくベルゲンのバンド
The New Wineの眼鏡に似てたな。
アーランド君つながりでヘルプに来ていても
不思議ではない。
 
珍しく英語で話しかけられ、
CDの良さについて語っていたけど、
誰とも話したくない気分だったので
軽く受け流して会場を後にした。
 
 
イメージ 5   ←参考までにThe New Wineの皆さん
ベルゲンでは珍しい小奇麗で垢抜けている4人組。
今見ると、売店の人やっぱり似てるわ・・・
 
 
 
ベルゲンでの鬱々は、雨がちな天気も相まって、別の意味で気持ちを盛り上げる。
暗い気分は街を楽しむポジティブな要素に変わってくれる、これってベルゲンの不思議。
 
ノルウェーでは夕刻時になるとやわらかい光を放つ民家の窓が見える。
元気なときでも駆られる"その窓の中に入りたい"気持ち、
暖かい家庭に飢えているのか、そういう気持ちが頂点に達して泣きたくなるのが
決まってベルゲン滞在時であった。
 
それが今回はなかった!
 
ベルゲン在住日本人写真家の方の親切で、最後の日は彼女のお世話になっていた。
そこで出会う地元の方々と会話を交わすことによって、
やっとベルゲンとの人間的なつながりが持てたというのか、
この虚しくて喉元にこみ上げて来る気持ちは、起こらなかった・・・。
多分、今回の滞在は私が憧れていたやわらかい光の中に入ることができたからだと思う。
 
そういうわけで人間的なつながりの大切さを再確認した私は
匿名でもっていたFaceBookの名前を本名に変えた。
苦手な知り合いから連絡を一方的に受けたり、私的な会話や写真を見られることを
嫌がっていたのだが、隠すことなど何も無い。
震災の影響もあってか、ちょっと妖怪人間だった私は少しずつ人間性を回復している。
 
 
なーんて偉そうに!
Kakkのライブどころか、ベルゲン大学生パブHullenにも、
アーランド君出没クラブElectric cafeにも行けなかったけど、
ほとんどの夜遊びスポットが閉まっている日曜日、
北欧娘を引っ掛けに来たイタリア兄ちゃんを誘ってベルゲン夜景ツアーをした。
ベルゲンはつまらないと言った彼にこの街の魅力パンチをかまし
"また来たい街"にさせたことが嬉しかった。
 
 
 
 
Funny little frog
 
 
ちょっと意味は違うけど、私の喉元に引っかかっているのは素敵な男性ではなく、ベルゲンなんです。
 
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