月一回の贅沢をしに、わざわざ電車に乗ってゴヴィンダスへ。
もちろん、カレー激戦区と言われるうちの近所にもおいしい店はありますが、日本ではまだまだ少ない菜食主義者に対して、野菜料理のみのお店は知っている限りはなく、隣で生き物の亡骸を食べる人がいない空間は貴重で、清々しささえ感じます。
今回は北インドセットが食べたくて平日に突撃訪問。
店の前には自転車が三台駐輪されていました。
中に入るとオバちゃん3人組が、前回私が食べた南インドスペシャルタリーを食べながら楽しそうに会話を。インド料理が地元に根付いている感じ、こういう風景が見たかった!
テンションが上がり気味で着席と同時に注文。
セット内容はカレー2種、サラダ、ライス、ラッサム、サモサとナン、そして飲み物。
ナンはお代わり自由だそうです。
前回のドーサに比べて見慣れたヴィジュアル、飲み物は麦茶を選択。
カレー2種は曜日で決まっているので選ぶことはできません。
一つはナスとジャガイモののサブジみたいなカレー
このジャガイモはメイクイーンのようなねっとりした食感で、トロトロのナスとよく合います。
もう一つはマターパニールというグリーンピースとパニールのカレー
・・・ヴィーガンですが、この日は特別です。
パニールはフレッシュなモッツアレラチーズに食感も味も似ていて美味しいです。
ナンにも乳製品が入っていると思います・・・。
圧巻のヴィジュアル。
お米は丸い日本米です。バスマティライスが好きなんですが、こってりした北インドカレーにもあの米を合わせるのでしょうか?私はラッサムに浸したりして食べました。
ラッサムには緑の唐辛子がよーく煮込まれてクタクタになったやつがいくつか入っていました。もちろん激辛。
ごはんとラッサムとサラダを混ぜて食べるとおいしかったです。
二種類のカレーはそれほど辛くもなく、ナンとよく合います。
ナンの大きさがそれほどでもなかったので、お代わりを注文、真顔でちょっと怖い店員さんが、嬉しそうにニッコリしてくれたので、お代わりは美味しく食べてる証拠みたいな感じなんですかね?
長年住んでいたナポリでも食堂でおいしいと言うと、無料でお代わりを持ってきてくれたり、食事に招待されたときにお気に入りの料理を多めに自分の皿に盛ると喜んでくれたりと、食べることに対して心が広い人たちがいたことを思い出しました。
ナンとサモサ
サモサは揚げたてで熱くて持てません。
猫舌なので、全体的に冷ましてからいただきました。
ナンのお代わりをお願いしていると、隣で同じものを食べていた日本人の若い男性にも”あなたもナンお代わり?”と、ついでっぽく聞いていましたが、“いや、ぼくはいいです。”と、とっても丁寧に答えていました。
私は食が細くなってきたので、そんなに食べているつもりではないですが、もしかしたら、このセットを完食するのは実は結構大食いの部類に入るのではないのかと、思いました。
この店は14時を過ぎると前回も来た近所のおっさんが来て、一緒に賄いを食べるらしく、今回はビリヤニっぽいごはんを手の空いた人たちから着席して食べていました。
ホール係の店員さんが宅配から戻ってきたタイミングで会計を済ませ、店を後にしますが、まだドーサが半分以上残っているオバちゃん3人組はおしゃべりに夢中のようでした。
さて、西葛西へと向かいますが、折角東京まで来たのだから、荒川沿いを歩きます。
途中小学生の下校と被ってしまい、“明日もトイレで一緒にうんちしようね!”と挨拶して別れる低学年とみられる女子2人組、小学生のトイレ事情はディープで問題が根深いことを思い知らされる。
新川と交差するところにあった櫓。
土日にしか開放されていないようです。
新川沿いは千本桜といって、散歩道として知られているようでした。
じっくり看板を読みたいところですが、11月ともなると15時で既に日が傾き始めるので、気持ちが焦ります。
新川に架かる橋
向こう岸にある蔵造のような建物は公衆トイレか?
新川を渡って、荒川を目指します。
新しい建物と何にもない広いスペース、バルブや堤防に上がる赤い階段に浮輪が何だかノルウェー沿岸部の地方都市を連想させる。もう二年もノルウェーに行っていないので懐かしく感じてしまいます。
しかし、ヤフーブログから知っている人でない限り、どうしてイタリアに15年も住んでいたのに、ノルウェーに郷愁を感じ、インドにリスペクトしているのか理解いただけない部分が多いでしょう?そうです、私は支離滅裂な人間です。
やっと川沿いに出れました。
ちなみにこちらは中川でした。
荒川は高架橋の向こう側で、あちら側の河原はもっと雑草が生えていて、小さなボートがところどころに見られ、風光明媚です。
暗くなる前に歩きなれた西葛西に着き、いつものインド食材店へと急ぎます。
スワガットインディアンバザール
前回売り切れだったワダミックスと野菜カレーのレトルトも入荷されていて、スパイスやカシューナッツ、ナムキーンというセイボリースナックを購入。
相変わらず、チャイを振舞ってくれますが、今回はパスして、足早に店を出ます、店を出ますが!
店の隣でインドスウィーツを作っている光景が目に入りました。
前はパン屋さんだったのかな?フランス語みたいなパン屋の表示の名残がありました。
そこへ”何にも買わなくていいから、試食して行きな!”と、スワガットのおっさんが出てきて案内してくれました。
インドスウィーツを作っていた店の装飾。
まだ店というより作業所という感じで、ショーケースもなければ、レジも隣のスワガットで会計という、プレオープンなのかな?
西葛西にはミタイワーラーというオシャレなインドスウィーツの店があるけど、正直甘いもの、特にやたらと甘そうなインドスウィーツに手を出すつもりは全くないので、ミタイワーラーに行こうと思ったことは一度もないのだが、こちらは現地っぽい怪しい雰囲気で放っておけない。
ジャレビー
”何が食べたい?”と聞いてくれるが、どれも食べたくない。
とりあえず、ジャレビーからどうぞと勧めてくれた。
かんきつ系のシロップと聞いていたが、そんな爽やかさは全くなくて、シロップ漬けのかりんとうという表現がぴったりだと思った。ナポリのストゥルッフォリというクリスマスに食べる粒クッキーを油で揚げて蜂蜜で固めたやつと似ているかもしれない。
興味のある人はこちらをどうぞ↓
Struffoli Fried Honey Balls | What's Cookin' Italian Style Cuisine
グラブジャムーン
シロップ漬けの練乳ドーナツです。
バルフィだったかな?
牛乳を練ってナッツを入れたインド風の羊羹、右に見えるのは味違いバージョンらしい。
かけらを皿に盛られてしまったので、食べるとこれ、懐かしい味がする。
シチリア菓子のカッサータ!
リコッタチーズにこれでもかって程砂糖を入れて、砂糖漬けのオレンジピールとチェリーとチョコチップを入れたやつです。
最近では日本でもコンビニで日本人向けバージョンが売っている情報があるので、画像は入れませんが、カッサータが大好きならバルフィもきっとおいしいと思うでしょう。
謎の実家感
正月準備をしているように見えるが、グラブジャムーンとピンクの未知なお菓子。
6種盛り合わせも販売中。
バルフィは6スライスで480円でした。
インド菓子を目的を持って訪問したおばちゃんは子どもがインド旅行中に食べておいしかったと言っていたので買いに来たという。
店には3人の職人さんがいたが、オバちゃんの質問攻めに困っていたようで食材名を少々ヒンディー語で知っている私がしばし間に入るが無視された。
・・・とはいえ、見たことのないもの、食べたことのないもの、インド菓子職人さんたちと少し話せて、とても楽しかったのでサモサを買うことにした(昼間ゴヴィンダスで食べたけどね)。
ここではサモサも一つ100円で売っています!
お会計は隣のスワガットのレジでということで、サモサを持ってオッサンの下に戻ると、“ありがとー!”と言いながらニコニコで見送ってくれた。
家に帰ってインド菓子をネットで調べてみたところ、写真右の黄色い丸いものはヒヨコマメの粉を練っているらしく、もしかしたらヴィーガンの私でも食べられたのかもと思いました。
ついでにこのサモサ、青唐辛子がめちゃめちゃ入っていて、と~っても辛くて美味しかったです。
アンビカで売っている“パンジャビサモサ”に味が似ているかもしれない。