9月です。
私は子供と関わる仕事をしているので夏休み中は仕事に集中しないと体調を簡単に崩すほど休日が貴重です。そんな日々が終わるのが九月というわけで、久しぶりにおいしいカレーを食べに遠出します!(と言っても東京23区内…千葉から出るだけでも一苦労です。)
いつもなら月一で船堀にあるゴヴィンダスでランチですが、今回は上野駅まで足を延ばして行ったことのない店に行ってみようと思います。
入り口の玉ねぎがいいね!
カレー好きな人なら絶対知っているジャイナ教徒も喜ぶストイックなお店であるヴェジ・ハーブ・サーガで働いていた方が独立して開業したお店です・・・って入りにくい店構え。
菜食メニューのみのインド料理店とわかっているので、ゴヴィンダスのときと同様、超著せずにドアノブを掴んで入りました。
店の中は薄暗く、たまり場的な雰囲気。ノルウェーだったらオーガニック飲料のみ販売する持ち込み大歓迎なアナーキーが集まるカフェとか、イタリアだったら、反体制派の学生が集まり政治の話とタバコでない植物を吸引するソーシャルセンターと呼ばれる場所で、そこにいる人たちは首にアラファト議長のスカーフを撒いたり、ピアスだらけだったりする。
怖くて店内写真なんて撮れません!
先客は二名、日本人男性一人とインド系の男性一人、モニターでどんなに陽気なインド音楽のPV流していようとここは日常と違う世界に感じます。
ランチメニューは北と南インド両方、そしてカレーチャウミンのセットもあります!
私は折角来たのだからと奮発して、カレー三種にバスマティライスが付いたCセット頼みました。
飲み物はアイスコーヒーを選びましたが、ラッシーやチャイを頼まない私を不思議そうに見て、何度も確認してきました。とりあえずヴィーガンなんで出来るだけ避けられる動物性食材は避けます。
注文を取ってから10分もしないうちに良い香りのカレーたちが到着。
カレーは左から豆腐パニールのメティカレー、ジャガイモと大豆ミートのカレー、べジダンゴのヨーグルトカレーです。
メティカレーは安定のおいしさ、意外とあっさりしていてズッキーニみたいな野菜も入っていました。
ジャガイモと大豆ミートのカレーは、ニンニクが効いていて三つのカレーの中で一番風味が強く、サラダと混ぜて食べました。食べていて“しまった!”と焦るほど、大豆ミートの感触が肉に近かったです。肉を食べなくなって10年以上たつので肉に近い食感の物も拒否反応が起こります。
べジダンゴのヨーグルトカレーは酸味が強く爽やかでした。
どのカレーもそれぞれの風味が違うのでセットで三つ食べられたのは良かったです。ただ、ヴィーガン視点から見てヨーグルトカレーは乳製品が入っているのではないか?という疑問が残ります。
最近食が細くなってきたのですが、このカレーは胃が重たくならず、そしておなかが一杯にならず、もう少し早く着いていたら追加注文で南インドセットを食べていたかもしれません。
10分で完食してお店を出ますが、今日はここから行くところがあるのです!
代々木上原に来ました!
駅を出るとすぐ、ノルウェーで見かけるような雰囲気のカフェですが、目的はここではなくて、もっと厳粛で神聖な場です。
コロナが流行り出してからずっと日本にいるので、異国情緒のあるところに行きたかったのです!上のインド料理屋も異国情緒と言えばそうなんだけど・・・だって居酒屋だったら絶対行かなかった。
11世紀のアラブ・ノルマン様式に代表されるような見事なアーチ、でもこちらには鐘楼の代わりにムスリム様式のミナレットがある。
玄関から入ると、丁度お祈りの時間のようで、入り口のある一階の電気は全て消灯となり、数名がモスクのある二階へと上がっていく。信者ではない私がモスクでお祈りを見学するのは遠慮して、玄関入ってすぐの休憩所で30分程待機することにしました。
ネットではデーツとチャイが置いてあるという情報がありましたが、感染症対策でしょうか?ウォーターサーバーから水のみいただけるようでした。
しばらくするとスピーカーからお祈りの声が聞こえてきました。アザーンというやつか?
薄暗い場所でお祈りの声を聞いているとノルウェーでの教会のミサを思い出し、日本にいることを忘れるくらいの異世界感!良い機会なので最近始めた瞑想を行いました。いいね!
電気が再び点灯し、お祈りの終わったようなので私もモスクへと入って行きます。
靴は脱いで上がります。
スカーフで髪の毛を隠し、長袖を着て(更にはロングスカートの下にレギンスを履いて)中に入ると。10人ほどの日本人グループがツアー中の様子。
添乗員らしき人がしきりに私を見ているので、またポンペイ遺跡のときに言われた”グループ行動なので離れて下さい”なんてとびきりの笑顔でバカ丁寧にいわれるのではないかと心配していると、どうやら人数が一人足りないらしく、私がツアーに参加している客の一人か確認していたようだった。大人の団体さんが結構勝手なのはバイトでやってたツアーガイドで十分理解しているので、同情する。
皆が写真に収めたくなるドーム天井。ウ、美しい・・・。
アラブ文字の芸術品ともいうべき照明。ガラスのランプも本当に美しくて、11世紀といえども、こんな文化圏に遠征したノルマン人が建築やガラス、陶器にアラブ文化を取り入れたくなった気持ちが今の方が良く分かる。
モスクの美しさは一度その目で見た方が良いので写真はこの辺にしておきます。
ここでコスプレの写真を撮ってはダメです。倫理的に。
一階玄関の照明。ガラスが美しい。
今日はカレーが軽かったのでお腹が空きました。モスク横のカフェで何か食べますか。
トルコチャイセット・・・飾りです。
カフェの前にあるお部屋でトルコのオヤの見本帳展というビーズの縁飾りの展示があり、とてもかわいかったので写真を撮りまくってしまいました。
トルコのセンスは絶対的に私のものとは違うと思うけど、ビーズの縁飾りはお部屋に欲しいくらいかわいい。
イタリア在住中にシチリアの伝統柄だとか、刺繍だとか、いろいろ見てきたけど、日本人のセンスで切り取ったものが一番かわいいのはよくわかっている。
かわいい・・・ワークショップもやっていたみたいだけど、知っていたら申し込んでいてかも。もちろんこの作品を見た上でのことですが。
トルコランプも使われているモザイクのカラーによって印象が随分違います。上の写真はシルバー系で、落ち着いた雰囲気。
周りの電飾は三角のカサの縁にビーズの飾りが付いています。
焦点が見えにくいところに合ってしまいましたが、電飾のカサはこれです。
カフェの窓からモスクを見る。
お腹が空いたのに・・・このカフェはハラルなので、私が食べられるものはありませんでした。バクラバ、プロフィットロール、ピスタチオのケーキが並んでいて、バルカン半島出身のお友だちと20年前に食べたバクラバの思い出をつまみにアイスティーをいただきました。トルココーヒーとか飲んだ方が良かったか?トルコはバルカン半島とも近いことを実感します。
一階にはハラルショップがあるので、覗いてみましたが、気になるのはファラフェルやトルコのパンあたり、食品はほとんどアンビカショップやイスラム横丁で調達できるのでトルコ土産らしきミニ絨毯とかスカーフを見に来たけど、手を出しにくい金額だったので、何も買わずに西葛西まで行ってサモサを買い食いしました。本当にステキな空間だったので、また近いうちに再訪しようと思います。