ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

五月のスミス

またオタクな音楽のお話。
 
イギリス、マンチェスター出身のバンドThe Smiths、
80年代に大ヒットし、その後のヨーロッパ音楽及び、日本の洋楽オタクに多大な影響を与え、
87年に解散したバンド。
 
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ボーカルのモリッシーと後ろに写るメンバー、右側に作曲担当のジョニー・マー、左側は演奏するだけのドラムとベース、正式メンバーだが、印税問題でもめた。
モリッシーなこの写真、どうしてこんなに気色悪いのか・・・、ゲイってうわさも聞いた。
 
 
難しい話は抜きにして、五月になるとスミスが異様に聞きたくなる。
 
さわやかなギターのメロディーと暗くて空しいリーリックに
 
"5月病でいいんだよ、何がいけない?"
 
と、自分の陰鬱な気分をポジティブに受け止めさせてくれる、
イタリアに5月病なんて存在しないが、気温の上昇とともに、
些細なことが耐えられないという一種の鬱症状が出始める。
 
日本にいたときは5月のさわやかな空気に休日は東京へ出かけて、
レコード屋や本屋、輸入雑貨店で西洋を満喫したものだ、
17歳のときは学校をサボって海外アーティストの来日公演、サイン会などのイベントにも参加した。
あのころはそういう陰鬱な気分を歌う彼らに憧れ、
自らそういう気分を望んだりしたものだ(今もアンニュイが好きなまま)。
 
そのときの気持ちを思い起こさせるスミスの胸キュンサウンド
まだ、うつ病が現在のように庶民権を得ていない頃、
"陰鬱"は私にとって彼らに近づくひとつの手段でもあったのだ。
 
 
そんな私が見つけたスミスのベスト版、The whitest boy alive に続いてべヴィーローテーションしてます。
ジャケットの人物が中世碑文学及び、ラボでお世話になったロンゴバルド族の子孫、
ランベルト教授に似ていて嫌だけど、アーランドの魔法から開放してくれた一枚。
 
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The very best of The Smits(2001)
The Smith
 
収録曲
 
1 Panic
2 The Boy with the Thorn in His Side (single version)
3 Heaven Knows I'm Miserable Now
4 Ask"(single version)*
5 Bigmouth Strikes Again
6 How Soon Is Now?(album version)
7 This Charming Man
8 What Difference Does It Make?
9 "William, It Was Really Nothing
10 Some Girls Are Bigger Than Others
11 Girlfriend in a Coma
12 Hand in Glove"(album version)
13 There Is a Light That Never Goes Out
14 Please, Please, Please Let Me Get What I Want
15 That Joke Isn't Funny Anymore"(album version)
16 I Know It's Over
17 Sheila Take a Bow
18 I Started Something I Couldn't Finish
19 Still Ill
20 Shakespeare's Sister
21 Shoplifters of the World Unite
22 Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me(single version)*
23 Stop Me If You Think You've Heard This One Before
 
このバンドについて、特にビオについて触れるつもりはない、音がリーリックがいいのだ。
写真でどんなにナルチストだろうが、お花ちゃん(ハンサム)いなかろうが、そんなのどうでもよい。
 
イタリア語がわかるようになってから聞くスミスはとっても御耽美で自虐的、
 
それをもっとひどくて下品にしたのが関東の地方出身、電気グルーヴ
 
攻撃的にしたのが良家のお坊ちゃん小沢健二
 
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 ソフトでストレートにしたのが
根が暗くて陰鬱そうなアーランド・オイエ(私は病気です)。
 
 
 
 
 
 
7曲目のThis Charmingmanの歌詞の一部にはこんな空しさが!
"素敵な青年は素敵な車を乗り回している~今晩出かけたいけど、着る服がない・・・"
・・・共感します。
 
There is a light never goes out
アーランドくんのDJ Kicksでも扱われた曲だが、
簡単に説明すると人生に満足できない少年がこんなんならいっそ、
このまま事故で死んでしまえばいい!という投げやりソング。
・・・共感します。
 
こんな形で今更強い共感を覚えるこの素晴らしきアイルランド系ブリティッシュバンド、
スミスよ永遠に・・・!
 
 
 
解散について
彼らの解散は作曲担当のギタリストジョニー・マー脱退から始まった。
モリッシーのアートワーク問題や他ミュージシャンとの仕事を嫌がるなどの石頭具合に
疲れがでたとの話もある。
ギタリスト脱退後、その代わりとなった演奏するものの候補に
私の大好きなスコットランドのバンド、
アズテックカメラのロディー・フレイムが入るという話もあったらしい、
 
実際はオーディションまでしたそうだが、あっけなく解散になった。
同じく、マンチェスター出身のバンド、ストーン・ローゼスも同じように、
ギタリストのジョン・スクワイアが辞めて、
その流れで解散に至った。ジョンの変わりに加入したアジスとかいうギタリスト、
中近東出身なせいで石油王のパパにお願いしてローゼスのメンバーになったとか、
変なうわさがあったなあ。
 
おまけ
Kings of convenience, The Whitest boy alive も同様に彼らの音楽、
リーリックに相当の影響が見られる。
彼らの方が素直でダイレクト、嫌味や言葉遊びは少ない。
だからといって、そんなダークな音楽にはまっていると人生がややこしくなるのだ。
一度絡まってしまった糸を解くのはとっても難しい。
 
高校のときローゼスなんて聞いてないで、
Trfとか安室奈美恵聞いてたら、今頃ここまでこじらせてないはず。
 
でも、彼らの音楽に素晴らしさに出会い、その偉大さに気づかずに一生を送るなら、
糸が絡まったままでいいとも思っている。
 
おまけの追記Post Scriptum(ラテン語使ってみた)
ストーン・ローゼスの歌詞は攻撃的だが、嫌味よりキリスト教世界における”神より自分を信じよ!”
というアセティックなメッセージ性があった、
本人たちは教会に通って割ときちんとお説教聞いていたんじゃないかなあというのが、
同じく無神論者で教会関係の勉強を専門にしている私の意見。
逆にすっごく嫌味で最後にずっこけさせる歌詞を書くのが、
スウェーデンインディバンド、エッグストーン。
鬱と人生に対する吐き気・・・、とっても親近感があるけど、
メンバーの皆さんハンサムだからただの意地悪か?
 
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エッグストーンの3人、サンバルカンしてるけど、みんな2枚目。
左から文系で華奢なハンサム、パトリック、
明るいみんなの人気者ペール、
右端、マウリッツの写りが肉屋のコロッケみたいだけど、
とってもハンサムで素晴らしいドラマーです。
日本来日の際はスカンジナビア人の心、黒い塩飴ラクリスを持ち歩いていた、
現在、2児のパパ。
 
 
スミスの名曲、This cherming man。
フリッパーズギターのJoy Rideのビデオで使われたシーンにとっても似ている。