食後に、カミッラがパソコンに電源を入れたら
自動的にDVD鑑賞会が始まります。
こういう日は、外出できないほど雨が降っているか
食事の準備に時間が掛かって、外出には遅い時間になってしまったか。
時間は午後9時過ぎ、正直は私は眠かったりしますが、
テレビのない奴のアパートで、娯楽はこれくらいしかなくて、
出来る限りのホスピタリティーをしてくれているんだろうと
好意にお付き合いです。
今回見た映画は、図書館で借りた来たものです。
døden på Oslo S
タイトルを日本語にすると、“オスロ中央駅の犠牲者”みたいな感じか?
80年代の作品なんで、登場人物が全員Ah-Haに見えます。
♪Take me out~とか歌い出したくなりますが、
ストーリーは結構重くて、暗くて、ハッピーエンド。
自分を愛してくれる家族と自分の部屋がある高校生が
援助交際をしながら、寝床を渡り歩き、
薬物中毒になりつつある少女と出会い
彼女を闇から助け出そうとする、ごく平凡な男子もヒーローになりえるというお話。
住所のない少女を見つけ出すため、不良の巣窟に足を踏み入れる度に
首都オスロに蔓延る闇の部分を直視し、
怖気づきながらも、“愛の力は偉大”で、乗り切ります。
孤児院の院長が実は少女買春をしていたことを突き止め、
タクシーで追いかけて、彼から少女を助けるシーン、
ケンカなんかしたことのない主人公はすぐに伸びてしまいますが、
拳法で、やっつけてくれるという美しい心の東洋人表現が
ありますが、東洋人が全員拳法とか、空手の名人だと思ったら
じ、人種差別です!
と、まあ、主人公の両親二人とも、
息子のやっている危険な夜遊びにも寛容で協力的、
インテリアも、北欧デザインとは違う
とっても物の溢れている家の中や曇りがちで暗い街並み、
性の問題、堕落した若者たち、80年代のノルウェーが凝縮されてます。
カミッラリクエストで3回も見たので、よく覚えてますよ。
Korsveien(十字架の道)
こちらは重い!重すぎて悪夢を見そうだ。
デンマークの映画で現代劇です。
こちらも主人公は高校生で、信心深い母親から押し付けられた
教会生活と、現代の生活との間で一人悩み苦しみます。
その悩みを司祭に話したところで、母親と同じく
お堅い説教で彼女を益々苦しめ、
自分に好意を持ってくれた男子にゴスペルに誘われるも
母親から許可が下りずに、芽生えた恋心も摘み取られてしまいました。
その後、教会で失神したのをきっかけに、
精神科医に罹るようになりますが、
原因が母親とわかっているのに、引き離す方法は強制入院しかなく、
回復の見込みがないまま、彼女は最終的に死を選んでしまいます。
自殺ではあるけど、物理的な死ではなく、
自分はこの世界では生きていけないと悟り、
彼女は司祭を呼んで、最後のお祈りを受けてから亡くなります。
子供の人生を親がコントロールすべきではないという教訓と
最後のシーンで彼女の棺を選びながら、
まだ、娘の死を受け入れられない母親は無表情で
後悔することすら選択肢にないといった様子、
一番味方になってくれていた叔母の存在が薄くなって行きます。
家族は娘の死で人生最大の罪を背負ってしまったのでしょう。
楽しい教会ライフを送っている私には、
恐怖で震えが来ました。
カミッラ程、その会話を理解してなかったことでした。
Fucking Åmål (Show me love)
こっちは軽めです!
スウェーデンの90年代ものですが、
二人の女の子が自分たちのセクシャリティーを
いとも簡単に理解するという、愛と勇気の一本。
オーモールというスウェーデンの小さな街に住む
高校生アグネスには友達がいない。
でも、毎日日記を付けていて、
そこには同じ学校に通うエリンの名前で一杯。
一方エリンは学校で一番人気のキラキラした女の子。
アグネスの誕生日に冷やかしで来たエリンとその姉ジェシカは
アグネスの日記を読み、彼女に冗談でキスをするが、
それをひどく後悔し、謝罪に行くとアグネスは自殺の真っ最中だった。
エリンはアグネスに対する恋心に気付きつつも
否定するが、最終的にカミングアウトする。
二人が夜道を歩きながら、自分を理解してもらうなら
都会に出ないといけない、高校を卒業したらストックホルムに行くと
話すシーンは、青春のステキな一ページだと思う。
作品自体が、丁度私の高校時代と被るので、
懐かしいキャミソールにミニと靴下&スニーカーというファッションや
まだ携帯電話が普及していない時代の
突撃お家訪問、ヒッチハイク・・・
テーマは重いのに、シニカルな表現やポップな登場人物たちのおかげで
見ていて楽しかったです。
Ondine
これは見たことのある人が多そう。
確かアイルランドの小さな漁村が舞台だった気がする。
小さな漁船で生計を立てるシラクスは、
魚と一緒に女性を引き揚げてしまった。
その女性はオンディーンと名乗り、一切の素性を話さないが、
離婚し、一人暮らしをしていた彼はしばらくの間、
彼女を家で匿うことにするのだが、
不思議なことに、彼女が歌うと高級魚が掛かったり、
母親と暮らしている自分の娘と簡単に打ち解けたりと
楽しい毎日を送るようにはなったものの、
彼女の謎やアルコール依存症だった自分の過去と葛藤するようになる。
これ、子供パワーでハッピーエンドです。
シラクスの娘はおませさんで、
いろいろなことに首を突っ込んでくれたおかげで
物事が良い方向に進んでいきました。
上の3本に比べて一番お金がかかっていそうな
安心して見れる作品なんですが、
私には、北欧のテイストがないんで、結構退屈でした。
大人のラブストーリー、私にはまだ早い。
午後11時のオスロ、まだこんなに明るい。
映画を見終わった後でも、こんなに明るいので、
重い作品の後も気分は、そこまで重くはならず。
これから散歩がてら、屋台でファラフェルなんてどう?
なんて誘われたら、多分行ってしまいそう。
大通りから一本入ったところにアパートがあるので、
人通りも多くて、窓の外はワクワク気分で溢れている。