ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

狂気のオリエンテーリング

 
こいつです!
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私が予定したことを後回しにさせたり、
夜半近くまで外を歩き回るハメになった原因のアレ。

皆さん、オリエンテーリングってやったことありますか?

子供の頃、町内会などのイベントで地図を頼りにチェックポイントを
見つけつつ、効率よく歩き回るようなスポーツですが、
これをオスロでやる嵌めになりました。
ルールも規模も少し違うものですが、
上の写真の棒がチェックポイントの役割を果たし、
QRコードを読み取ると自動で情報が送信され、ポイントとして加算されるらしい。
散歩がてら行う健康的なイベントのようですが!

まずはアプリをダウンロードしてから始めるようで、
そこに地図とチェックポイントが記されています。
期間は5月から11月までと長く、現在オスロだけでなく、
ノルウェーの都市部を中心に全部で約2400地点に置かれているとのこと

↓念のため、こういうやつです。
 
最初は夕食後の散歩に始まり、
どこにあるのか見当もつかないまま探していたけど、
アプリには地図と場所が記されているので、
カミッラが地図で方向を、私が的確な位置を探すという役割分担をし、
いつの間にか、お互いに肩で息をするほど本気モードになってしまったという
とっても怖いウォーキング促進のために企画されたイベント。

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ほとんどは公園や公共施設の庭などにあり、
ちょっと気にしていれば、結構簡単に見つけることが出来るのだけど、
たまに暗い藪や森の中、崖っぷちに建てられていて、
よろけたら、死すら待っているようなところにもあった。

やばいところにあったストルペの一例。
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一歩踏み外したら、転げ落ちます。
多分カミッラなら怪我くらいはしても、死にはしないだろうけど。
こういうところのストルぺは赤で示されていて、
緑や青のストルぺよりもポイントが多めに加算されるようです。

赤のストルぺ探しで、カミッラは脛や足に沢山の切り傷を作り、
私は履いていた靴に沢山の穴が開いてしまった。
こんなに真剣に探しているのに、
このオリエンテーリングの存在自体が知られていないようでした。

カミッラはすれ違う人に手あたり次第質問する。

“Har du sett stolpe?(ストルぺ見なかった?)”

“Hva er det?(何それ?)”

まあ、人生に余裕のある人は多いのか、
訳が分からなくても、立ち止まってストルぺについて理解しようと努力してくれる。
声をかけたら、“女性と話すのは数年ぶり”と言うくらいニヤける男子や
“ヤバいものを埋めた”と勘違いして“し、知らないよ!”と思いっきり否定する
子供たち、最後にはみんな“Lykke til(Good Luck)”と言ってくれる。

探し始めて一週間程たった頃、オスロ工科大学“アホ・スクール”付近にて
ストルぺ探しに熟知したオッサンと出会う。
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Architecture Hoyskole Osloの頭文字をとってAHOのオスロ工科大学。

“ストルペ探し?オレは見かけたぞ!
その先の階段の踊り場に緑が一本、更に下っていくと、
川べりの駐車場に青が一本、赤もあったが、そこは危険だった。”

な、なんと的確に教えてくれるではないか!

このおっさん、薬物依存者です。

信用していいのかわからないが、
とりあえず地図にも記されている場所と一致しているので、
行ってみると、いとも簡単に見つけることが出来た。
 
“これからはジャンキーとアル中を中心に聞いて行こう。”と心する。

その後私たちはバーに行って、情報収集したり、
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教会に忍びこんで、キリスト様の前で祈ってみたり、
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二人が一緒にいると面倒が沢山起きる、落ち着きのないアラフォーババアヤング。


 
探しまわって、アマゾン川にたどり着いてしまったり・・・
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オスロを歩き回って、10年は経つカミッラも初めて見る
泳ぎたくない沼。

歩き回って見つけることができたのは50本程度。
11月までにあと2350本は見つかるのか?!

・・・じゃなくて!

雨の日もカッパ来て、足の皮がふやけるまで歩き続ける
狂気のオリエンテーリングやってる場合じゃねー!

私がノルウェーに来たのは療養目的だったのに!!
太陽の下で炭酸水と新聞片手に海の心地よい風を感じたかったのに!!
誰がこのオリエンテーリングの存在をカミッラに知らせた?

そもそも、このイベントに関わり、カミッラに知らせたのは
左から二番目のおっさんです。
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オスロ市役所に勤めているので、ストルぺの場所を知っていても教えてくれません。
左のオバちゃんは毎年老人ホームで会うあのオバちゃん。
そして、このおっさんはオバちゃんの息子だったりする・・・。
まあ、大サービスで一か所だけ一緒に行って教えてくれましたが、
大雨の中をカッパなしで歩いたので、
二人でスポンジボブ状態になり帰宅しました。

このおっさんに連れられて探した黒のストルぺは
崖の中腹にあり、傾斜と泥で滑りそうだった。
カミッラが私のリュックの取っ手を思い切り引っ張ったので
転げ落ちるかと思った・・・けど、
二人とも生きてます。