ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

男子修道院でお食事を

萩尾望都の漫画みたいなタイトルにしようと思ったのに、

私のブログだと“ハンサム修道士に囲まれて、どうして私が雑用係なの~?”
というサブタイトル付きでレディースコミック風のなるのが不思議なところです。
 
今回は復活祭シーズンだったので、教会活動に参加することが多かったんですが、
キリストが復活した日曜日を過ぎるころ、
修道院の庭仕事をする“ハゲの日”がありました。
 
英語でいうと、ガーデニング・デイですが、
ボランティアを募集していたので、ここぞとばかりに参加してきましたよ。
もちろん、お昼ご飯のご褒美付きと聞いたら、参加しないわけにはいかないでしょう!
 
 
私が作業した垣根コーナー
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雑草をむしるだけなのに、出会いが一杯。
カブトムシさんの幼虫と出会ったときには悲鳴まで上げてしまいましたが、
見たくなかった出会いは土をかけたり、抜いた雑草を積み上げて
ご縁がなかったことにします。
 
この日はカミッラがテストで学校に行ったので、
私一人で参加してきたんですが、朝っぱらから言い合いになって
不良になってやろうと、遅刻して到着したのに、
私服の不良修道士から”気にすんな、来てくれてうれしいよ。”という暖かいお言葉を。
 
いつもの修道士姿とは違うTシャツに軍パンといった、
これから渋谷のセンター街に中古7インチでも
漁りに行きそうな風貌に私の目はハートになっていたと思います。
 
一方、”これからゴルフ”といったポロシャツ姿のヨーナックレ神父も。
この人、カミッラと学校で会っても無視するくらい感じ悪いんで
私も遠巻きにしていたのに、自分の方から寄ってきて
感じよく私に自己紹介してくれました。
 
・・・やっぱりカミッラ、神父さんたちに嫌われてるんじゃ?
 
午後の2時に差し掛かる頃、ホーヴァルがパンを抱えて修道院に戻ってきました。
 
そろそろ昼食(ノルウェーでは晩御飯)だろうと思った頃、
カミッラが学校から戻ってきました。
 
潜入!男子修道院です!!
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修道士たちのダイニングルーム
 
普段は会議室が教会カフェになり、日曜礼拝のあとに
皆でコーヒーをいただくんですが、今回は男子修道院の普段は入れない
生活空間でお食事がふるまわれました。
 
カミッラが言うには
”重労働を無償でさせておいて、出てくる飯なんてインスタントの粉スープに決まっている”なんて言っていましたが、
台所では、フランス修道士のジェラールが煮込み料理を作っています!
 
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ジェラールとホーヴァル。
 
いつもは白い制服を着ている方々が、ラフなファッションをしているというだけで、
こんなに魅力的
 
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ラム肉のシチューです。
 
みんなそろって、そろそろお祈りをしてお食事を始めようとした頃、
カミッラが私の菜食主義に気を使って、野菜を出せと文句をつけ始めました。
家で食べるときは、全く気を使ってくれないのに、
他人に私の世話をさせる心遣いに少々イライラ。
 
ホ~ヴァルに呼び出されて台所の冷蔵庫を開き、
食べられるものを食べろと勧めてくれましたが、
私の目に入ったものは銀のトレーに乗っかった色とりどりのチーズたち。
 
残念ですが、私の食べるものは冷蔵庫にはなく、
今度はもっと狭い薄暗いところに呼び出されました。
 
“もしかして、誘惑されてるのかな~?”
 
という、漫画の草食系男子みたいなことをつぶやいてみたいところですが、
呼び出されたところは、修道院の食糧庫です。
 
そこで得た戦利品が私ランチになりました。
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セロリと果物、そしてジェラールのジジイ・ラムシチューのジャガイモとニンジン。
 
フランスジジイの煮込みと聞くととってもおいしそうですが、
ラム肉の匂いが野菜にもしっかり煮込まれています。
 
カミッラは台所の残り物で作った貧乏料理を出しやがってと
後で恨み言を言っていました。
 
 
 
ところで・・・
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この料理を作ったジェラールなんですが、
シャツとGパンの着方が何だかおしゃれです!
ベストがジジ臭いですが、私のフランス王子様Phoenixのボーカルを思い出すようなルック。
 
 
食事のあとは、リビングでコーヒーをいただきます。
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シスターからのお土産物といった感じの天使や聖母像が並ぶ中、
亡くなったハラム神父の遺影も飾ってあります。
 
ここのコーヒーカップはフランス仕様のデミタスカップ
大きなカップでコーヒーを飲むノルウェーではちょっと異色。
修道士たちがカフェインを摂りすぎないようにそうしているのか、
ジェラールの趣味で集めた食器なのかは謎です。
 
さて、修道院のコーヒーはとっても香り高いんですが
それもそのはず、アッシジのフランチェスコさんのご加護の下、
豆からひいて作っているからのようです。
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台所には、修道院にいる人をチェックする黒板や虚しい予定を書き込んだカレンダーもあります。
 
もっと写真を撮りたかったのですが、ただでさえ立ち入り禁止の場所で
私服姿の修道士さんたちがいるので、あまり堂々と撮影できそうにはありません。
 
食事が終わった後には、作業を再開しますが、
10人ほどいたメンバーもほとんどがお帰りになり、
残ったのはカミッラと私と女性信者の3人だけ。
 
この日の気温は19度もあり、汗だくになりながら作業し、
5時半にお開きになりました。
 
中庭ではアルネ神父が信者の一人と日向ぼっこし、
ヨセフ神父はズボンをはいて自転車で出かけていきました。
軒先からこんな風景をみていると、時間と空間を超えたような感覚さえ覚えます。
 
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糖尿病検診から帰ってきたヨーナックレ神父が
イタリア語で感謝をねぎらいの言葉を下さり、
私の気持ちは満たされていたのに、のに!
 
カミッラが最後まで居たんだから、コーヒーぐらい出せみたいなことを言ったのでしょう。
 
怒って、私のそばに来て、外にコーヒーをひっかけに行こうというので、
挨拶もそこそこに修道院をあとに。
 
30分後のミサでは、髪の毛の濡れたままのホーヴァルが出てきて
典礼を行いました。
きっと、急いでシャワー浴びて、そのまま出てきたんだろうな・・・。
 
 
この日、一番の糧はバチカンから配給されるパンツが
白のブリーフであるということがわかったことでした。
 
…深い意味はありません!念のため。
 
見えたんだよ~、ホーヴァルが屈んだときにズボンからはみ出してたんだったば!