ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

トロールと水遊び

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オスロのえび売り船。
 
前回の記事、タイトルが゛海ライフ″だったので、
全国の海ファンが間違えて訪問してました。
しょぼい海だって、同じ海だ!!
 
そういうわけで、もう5,6年前になってしまった
初めてノルウェーに行ったときの海記事をどうぞ!
 
私がカミッラを訪問した理由は、イタリアの夏の暑さに耐えられず、
カルメンとケンカしていたので、家出して困らせてやろうと思ったからです。
(イタリアに戻った際には、困るどころかお土産を買ってこなかったのでガッカリしてました)。
 
 
では、海記事にまつわるオスロで数年前に起こった本当にあった怖い話をどうぞ!
 
当時、カミッラはまだ実家暮らしで、オスロにあるパパの法律事務所で
裁判に関係する書類を整理する事務仕事をしていました。
そのお仕事の後、海に行くことになりましたが、
そこは・・・・。
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気温は20度前後、雨がちな天気で私は長袖の上着を買わなければいけないほど
肌寒い8月の午後です。
人気のないオスロ中央駅の裏手に私を連れていくと
だれもいない船着き場があり、そこで10分ほど待って船に乗り込みました。
 
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午後の3時だというのに、まるで夕暮れ時のような暗い日でした。
 
ゴム長をはいてネクタイを締めた、金髪で背の高いお兄さんが
切符を切りに来ます。
その姿はあまりにもやせすぎていたので、骸骨にもみえました。
 
オスロ沖に浮かぶいくつかの小さな島々に停留所があり、
家族連れが下りて行きます。
みんな元気がなく、下船しても、しばらく立ち止まっているようでした。
 
3つ目の島で私たちも下りることにしました。
そのとき、船に残っていたのは年をとったおじいさん一人でした。
 
その島は木が鬱蒼と茂っていて、赤いレンガの建物があり、
そこは第二次大戦中、兵舎として使われていたという看板を見かけました。
木で覆われた道はとても暗く、足元も雨水でぬかるんでいるので気を付けながら歩きました。
 
しばらく行くと、海に出たので、カミッラは水着になって海に入っていきます。
 
 
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そこで私は友人が北欧神話に出てくるトロールに似ていることに気が付きました。
 
雷が鳴り、雨が強く降っています。
こういう時に海に入ると雷に打たれる危険があるので、
海岸のくぼみに身を潜めて、友人が泳ぎ終わるのを待つことにしました。
その間、稲妻が海に落ちていくのを見ていましたが、
そして、カミッラの目の前にあった大きなセメントの塊を直撃し、彼女の前に水柱が立ちました。
さすがに北欧雷神トールが怖くなったのか、海から引き揚げ、
近くにあった公衆トイレの軒下で雨が上がるのを待ちました。
 
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トイレの電気はついているのに、全ての個室に鍵がかかっていました。
おかしいな・・・と思いながら、中に入るのはあきらめましたが、
もし、入っていたら、どんなことが待ち受けていたかはわかりません。
 
私のタオルで体の水滴を拭き、10分ほど休憩したあと、
雨脚が弱くなってきたので島の奥地を探検することになりました。
私は気が乗りませんでしたが、ノルウェーという土地はまだよくわかりません、
現地人の彼女についていくほかないのです。
 
そんな彼女が、来た道をたどらずに別方向へ進んでいくので
近道を知っているのかと思ったら、この島についてから方向感覚がなくなってしまったというのです。
つまり、私たちは道に迷いました。
 
この島についてからずっと思っていたのすが、人の気配が全くありません。
途中でキャンプ場や小さなカフェを見かけましたが、
どちらも寂れていて、もう何十年も人が手を入れていないようでした。
 
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やっと森が開けたところに出ました。
そこには小さな石造りの家のがポツンとあり、その周りを囲むように
大砲が並んでいました。
きっと何かイワクのある場所ということだけはわかりましたが、
この島を脱出するために、さらに道を散策しなければいけません。
 
普段、デスクワークばかりしている私は雨にも打たれて
体力が限界になりかけたころ、この島の事情を理解するきっかけを見つけたのです。
 
 
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修道院跡の遺跡です。
 
ノルウェーキリスト教の伝来が他のヨーロッパ諸国より遅く、
紀元前1世紀ごろの地図には、スカンジナビア半島の存在すら知られていませんでした。
キリスト教導入当時の11世紀ごろ、ノルウェーは隣国と敵対関係にあり、
陸地から少し離れた島に修道院を建て、フィヨルドを見守っていました。
それは、近代に入り第二次世界大戦時にドイツ軍が攻めてきたときも
同じように機能していたため、この島で悲しい出来事が起こってもおかしくはなかったのです。
 
 
怖くなかった?
 
いや、カミッラが大切な法律関係の書類を整理してるってだけで、
鳥肌が立つと思うけどな。
パパのおかげでこの仕事を何とかしていたけど、
その数か月後には仕事が面白くないという理由で辞めてます。
 
 
オスロの海では、お天気が悪くて泳げなかったけど、
カミッラの実家近所にある湖には何度か泳ぎに行きましたよ!
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森の中に小さな集落があるような、ちょっとシルバニアファミリーみたいな村ですが、
ノルウェーでは人口の多いほうに入る、オスロベッドタウンらしい。
 
湖も近所に2,3か所あるらしく、2つくらい行ったかな。
午後4時に夕食をとった後にすることがないし、駅近くのカフェも6時には閉まるので
エンターテイメント的に泳ぎに行きましたよ。
時刻は午後7時ごろです。
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陸地近くはそこまで深くなので、その辺で水に浸かっておきますが、
海ではないので体が重く、野望を出して遠くまで泳ごうとするなら、
向こう岸まで頑張って泳がないと命にかかわります。途中で止まると沈みます。
 
 
写真の湖はまだしも、もう一つは底なし沼なんで、足を取られながら水遊びですよ!
 
そして、もっと怖いのは、泳いだ後は絶対にシャワーを浴びないといけないこと!!
 
酸性雨が降ったあとに中和剤を散布しているので、洗い流すように注意されてます。
海はセラフィールドの事故でプルトニウム汚染されているし、なんだかガッカリ。
 
その前に、夏のノルウェーは泳ぎたくなるほど暑くない。
 
 
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湖から戻ったら、カミッラパパが
デザート用意してくれていました。
 
トロールのクリームという名前の
卵白と砂糖、ベリーを練ったデザートで
イタリアだったら、
サバイオーネ・コン・リーベス。
 
トロールが作るクリームという意味が
あるらしいけど、
パパが卵白を一生懸命練っていました。
やっぱりカミッラ一家はトロールだったのか?