ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ラッキーババアetジジイ

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タイトルで老人をナンだと思っているんだ!
とお怒りの方、お前がババアorジジイの証拠です。
 
カミッラがボランティアで行っている、
ノルウェーでも屈指の素晴らしい特老施設のカティンカグルベルです。
 
地元の千葉で、ババアがリハビリから戻るのを待ち伏せしたり、
ナポリで老人会、ナポリ民謡の夕べに出没しては、
ナポリ語の詩を朗読してスター気分に浸ったりと、爺婆と普段から触れ合っている私なので、
ノルウェーのクソババア探しに、カミッラについていきました!
 
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待合室。
 
大きな窓辺に木のベンチが北欧らしいですね。
ソファよりもすわり心地は悪いですが、座っちゃいました。
日曜日だったので家族の訪問が結構多く、そんな家族を横目で見ながら
新聞広げて、カミッラのお仕事が終わるのを待っていました。
 
いつも行く3月と違って日が長いので外の風景を楽しみながら
いつまでもいれそうなステキな空間です。
 
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礼拝堂
 
日照時間と伴に、私も少々アクティブになっていたので、
いつまでも待合室にいるのがもったいなくて、
横にある礼拝堂に行ってみました。
シンプルな宗教施設に木のベンチが北欧っぽいですね。
 
日曜日はここでミサが行われるんでしょうね、
去年はなぜか、インド人が集団でサッカーの試合を見ていたのが印象的です。
 
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カミッラの仕事が終わって、いつもなら帰るところですが、
なぜか見学していくように勧められたので、好奇心で行ってみると、
エレベーターホールや廊下に何気にステキなインテリアが!
 
アンティークの椅子と机に蝋燭台、座って一勉強しようという気が起こるか
分からないようなところが、北欧らしいですね。
 
ついでに、二階のホールに行くまで沢山のドアがありますが、
どれも車椅子から届く位置に大きなパネルがあり、
押すとドアが自動で開くようになっています。
 
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ホールには、ボランティア活動に来たばあさん連中が
でかい声でおしゃべりしてました、北欧らしいですね。
 
ここでは、コーヒーを無料でいただけるので、私も御呼ばれして
息子の自慢話と若者のモラル低下について、ひたすらきいていました。
アナーキーな私は若者の代表として意見したいところですが、
貧血に低血圧で、反論する元気なし!
 
口半開きで、間抜け面をしたかわいい孫の振りしてやり過ごす。
 
そういえば、コーヒータダ飲み施設として
ボランティア活動を誇らしげに挙げていた
ハリーポッター男子がいたっけな~、あんた私の来世決定!
・・・もし生まれ変われるなら、大学生活をエンジョイする
金髪で青い目のステキな西ノルウェー人とかお願いしてたんですが、
西ノルウェーで青い目というあたりは叶ってるか・・・。
私の前世は修道士なんで、キリスト教を違った形の聖お兄さんとして
体験したかったのでしょうね。
 
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ここに座ってお食事しようなんて人がいるとしたら、カミッラくらいか?
新品アンティークな感じが北欧らしくていいですね。
 
見ての通り、ただのインテリアになっている家具にも
お花がいけてあり、閉塞感漂う家の婆さんのいる施設とは雰囲気が違います。
うちの特老にいるほうの良いばあさん施設は
かなり良い施設だと思いますが、ばあさん自体がアクティブでないこともあり、
消毒液と給食臭の漂う、カオス空間で、
同室の小倉さんがスネイクに噛み付かれた騒ぎを起こすので、
せっかくお見舞いに行っても、長居は禁物です。
 
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ここでコーヒー飲んで汚しても、無表情で金髪の介護士さん(男)が
お掃除してくれるのが、北欧らしいですね。
 
カミッラは主に食事介助をしているらしく、
自分の食べ物だって上手に切れないくせに
張り切ってお手伝いしているみたいです。
 
相手は聖ヨハンネスでも、動物愛からビーガンやってる聖ダニエラでもなく、
生身の爺婆ですから、いろいろ注文つけたり、直球文句も多いらしく
ボランティア後は機嫌が悪く、夜に夢遊病で爆発してますよ。
"年寄りのくせして我慢が足りな~い!お前ら地獄行き!!"
 
爺婆愛好者として、こういう文句は、
例えカミッラのことを良く知っていても受け付けないですよ。
日曜日の夕方は怒りを静めるために、ひとり泣きながら散歩で
大暴れ(カメラのメモリの無駄遣い)するのが習慣でした。
 
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ソファーのクッションが、ぷーたんママのステキな作品を思い出させます。
後方では、中庭製作中。
これから増えるお年寄り対策が、北欧らしくていいですね。
 
時間になると、職員さんがキャンドルサービスに来て、
施設中の蝋燭という蝋燭全てに火を灯します。
カミッラのアパートで蝋燭に火を点けたのは
私の特技、いたるところでトイレを詰まらせたときと
聖おにいさんが、ただ飯に来たときくらいです。
 
カミッラのアパートはあまり煙をモクモクさせると
私が設置した火災報知機がすぐに作動するので、
下手に鍋を焦がすこともできません、
まあ、鍋自体、カミッラのアパートにありませんでしたが。
 
 
 
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施設が整っているから、インテリアや建築が素晴らしいからといって
全ての入居者さんが幸せでないのは事実です。
もっと家族に面会に来て欲しいと思う人や
真心が通じなくなるほどに心が固まってしまった人、
孫に囲まれた老後という型に嵌った幸せしか求めない人もいるでしょう、
でも、うちの良いばあさんの施設を知っている分、
失望感や喪失感を感じることが、最小限に見えるのは
私がまだ、北欧文化に浸かっていない証拠でしょうか?
 
 
おまけ
 
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日曜日の大暴れ憂さ晴らし散歩で見つけた"ぬりえ"。
アメリカンゴシック画家の作品をぬりえにしたものらしいですが・・・
 
子供がハゲ頭の親父なんかに色塗って何が楽しいんだ!!
 
もしかしたら、今流行りの"大人のぬりえ"かもしれませんが、
私だったら、ゴッホとか、モネを選びますよ!!
 
このぬりえを楽しんでいる子供を見つけたら、
"その楽しみを分けてくれませんか?"
と、わけの分からないことを言って、保護者から遠ざけられる怪しい東洋人になりそうです。
 
この写真撮ってる最中にゲイ兄ちゃんのデート現場を目撃、
ボーイ・ミーツ・ボーイは一体何処で?
北欧にありふれているかわいい眼鏡っこ好きな私にさえ、
パートナーがいないのに!
・・・と怒りの矛先が変わって、カミッラの待つアパートに帰ったのでした。