本文とは関係のないイルカの噴水
やっと歯の治療をしてきたので、その報告です。
イタリアで3人目になる。
今回お世話になったのは、ジャンフランコさんという方。
大家の知り合いで、私の自宅から歩いて20分くらいのところに
歯科医院をお持ちだ。
イタリア人とは思えない物腰の柔らかさ、
日本人女性にも劣らないくらい、おとなしそうな眼鏡のお兄さんだった。
準備をしている間、私の食生活やノルウェー好きなこと、
日本の歯医者事情などについて雑談、
いつも必要事項を話すだけの歯医者さんしか知らなかった私には、
初対面でこんなにリラックス(しかも歯の治療と費用の心配をしながら)できるなんて
想像もしていなかったので、なんだかちょっと落ち着いた。
"ここにドリル入れて少し削るよ~"とか、
今何をどのようにいじっているか、教えてくれるので嬉しい。
とても丁寧に診てくれて、20分ほどで終了。
しかもマウスウォッシュ入りの水で、何度もうがいさせてくれて
歯の噛み合わせまで考慮して詰めてくれたので、
きっと代金も相当だろうと、覚悟していたのに・・・
なんと、治療代は20ユーロ(2千円くらい)で済んでしまった。
今までで一番安い費用を払って、治療をしてもらったのだけど、
このからくり、勘のよい人なら気づいているかな?
歯医者さんの善意です(法にはかなわない人の真心です)。
教えてくれなくても、誰でも知ってる虫歯の原因
ここで少々、イタリアの歯医者事情を。
治療
何度も通院する日本と違って、余程ひどいものでなければ
一回で終わることが多い。
虫歯には銀歯ではなく、歯と同じ色の詰め物をするが、
詰めて数時間で固まる素材なので、歯の型を抜いたり、
銀歯を作って入れたりする必要がない。
銀歯のほうが強く、長持ちらしいが、
見た目に美しくないという理由から、イタリアでは敬遠されているそうだ。
歯のかみ合わせを見てくれたのも、今回が初めて。
ナポリで治療した歯は、虫歯を何かの樹脂で覆っただけで、
歯として機能していなかったため、
4年前に日本で無理矢理剥がしてもらって、作り直した。
日本だと、すぐにレントゲンを撮るけど、
イタリアでは、余程のことでもないかぎり撮らない?
費用
正直なところ保険が効いたとしても、
日本よりイタリアのほうが安いかも。
虫歯で、そこまでひどくなければ100ユーロ以内で済み、
私は70ユーロが最高支払い金額だった(しかも一回で終わる)。
カルメンはアントニオの知り合いの歯医者で230ユーロを払ったという。
多分、麻酔を使ったからかな?
今回の治療でも、安く済ませるために、実はかなりしみる箇所があったのに
涼しい顔して、額に汗をかきながら"痛くないです"と答え続けていた。
施設と設備
日本の歯医者のように、看板などないところが多く、
アパートなどの一室や自宅の一部が医院になっていたりする。
インターフォンに辛うじて歯科医院の名前か、
"歯科医○○"と書かれているだけ、
歯科医を探す人は誰かに紹介してもらう人が多い証拠だと思う。
うがい用のコップにマウスウォッシュが入っていたのは、
今回のお医者さんが初めて。
私が訪問した他二件は水しか入っていなかった。
しかも、歯を削るときに、水を吹きかけてくれるのも今回が初めてで、
それまでは削った歯の粉を口中の散らされたまま、
あまりうがいもさせてもらえずに、ちょっと不快だった。
おトイレや待合室はホテル並みに快適です。
夕暮れ散歩をしながら帰宅、一安心一安心。
こちらの歯医者さん、予約が一杯のようで、
私も無理矢理お願いして時間をとってもらった。
こんなに仕事が丁寧で、優しそうな歯科医さんだったら、
誰でも見てもらいたいだろうな~。
私の日本で治した治療技術がとても興味深かったようで、
歯を削りながら、一人でずっとブツブツ言ってました。
帰り道、気持ちのつっかえ棒が取れたせいか、
道に迷ってしまった。
・・・一キロの一本道、どうやって迷うの?