ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

今更コーヒー

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今更ですが、イタリアでコーヒーといったら、エスプレッソを差す。
 
おままごと道具のような小さなカップ
3口で終わってしまうくらいの濃~いコーヒーを
たっぷりの砂糖でいただく。
 
上の写真のようなコーヒーはナポリのバールだったら、
80円くらいで楽しむことができる。
 
待ち合わせになかなか現れないお友達を待っているとき、
仕事を不当に解雇されとき、テストが終わった後の一息ご褒美に
フラッと立ち寄って一杯引っ掛けることができる。
 
若い女の子一人でバールにいる姿はあまり見かけないので、
本当にコーヒーが飲みたくなければ、私は遠慮している。
 
私の近所にある伝統的なバール、おっさんか子供しなかいない、居酒屋兼駄菓子屋か?
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勿論、家庭で飲むのもエスプレッソなのだが、
それを入れるコーヒー機、最近は日本でも見かけることがあるのではないかな?
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このコーヒー機、MOKAという正式名称もあるが、
一般的にマキネッタと呼ばれ、どの家庭にも置いてある。
遺跡発掘作業所の事務所にもあり、研究員の午後の仕事は主にコーヒー係。
 
 
 
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ついでにコーヒー機の構造。
 
B: ボトムに水を入れる。
 
F: フィルターにコーヒーをこれでもかと詰め込むのが、
ナポリ式、見詰まりを起こしても、替えの部品が別売りされているので、
代償は小額で済むが、コツを知っていると、目詰まりを起こさないように
詰め込むことができる。
 
T: トップに新鮮で濃~いが出てくる。
 
 
美味しいコーヒーはピザやマフィアと伴に、ナポリの代名詞の一つだったりする。
 
入れる人によって、随分味に差がでるので、学生アパート、又は家族内などで、
上手に入れることができる人は、いつもコーヒー係を任されることになる。
 
その逆で、私はコーヒーを入れるのがヘタクソなので、
入れてくれと頼まれることはほとんど無い。
私のコーヒーはきっと醤油の風味でもするのだろう。
 
ちなみに自分の入れたコーヒーよりまずいコーヒーは
ナポリ以外の家庭で入れられるものである。
コーヒーの入れ方を知らないのか、ケチなのか、
ナポリ人でいうところの茶色く濁った水に砂糖を入れた飲み物が出てくる。
つまり、薄くて、香りがなく、苦くて甘ったるい飲み物。
 
逆に、美味しいコーヒーを入れることが得意だったりすると、
ナポリ出身というレッテルを貼られ、
北イタリアなどで、少々肩身が狭くなる傾向があることも書いておく。
 
 
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コーヒーを巡ってのお話しをしたくなったのは、
カミッラに頼まれているお土産を探していたから。
今回頼まれたのは"Caffettiera a due pezzi"という
聞いたことがナイものをお願いされている。
 
カルメンすら知らないコーヒー機、なんとなくこれ?→
 
マキネッタで美味しいコーヒーが楽しめる私達には
それ以上のものは要求しないのだが、
こちらのノズル式コーヒー機のほうが少々濃いテイストのものが
できるらしい、ただ濃いコーヒーを飲みたいだけなら
水の量を減らせばいいだけである。
 
しかも、あいつの場合はノズルの目詰まりが心配だ。
カミッラは物持ちが悪いので、一生ものに近いマキネッタをプレゼントするのは
ケチな私にとって、少々お財布とその後のマキネッタの状態を心配してしまう。
 
 
カミッラ宅の近所にあるカフェ、ショールームのような内装に女の子達・・・(華やか~)
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実はナポリのバールでアルバイトをしていた時期がある。
ナポリの良いところは食べ物に対して気前が良いので、
コーヒーや菓子パンなど、好きなときに好きなだけ食べても良いといわれていた。
大変だったのは、お客さんのコーヒーに対するこだわりに一つ一つ答えること。
 
衛生上、紙コップでしかコーヒーを飲まない人、
雨粒くらいのエクストラ濃いコーヒーを口の中で粗目と混ぜて味わう人、
カプチーノを熱く入れて文句を言う人(イタリアのカプチーノはぬるい)、
自分にぴったりの飲み物を選んでくれという人
 
今思うと、バールマンは飲み物コーディネーターか?
 
中には怪しいおっさんが水道水一杯を毎日飲みに来たり、
おかみさんを口説きに来る既婚男性や
私に買物をさせに行く近所のクソ婆
(アジア系は家政婦さんの出稼ぎが多いので、私をみれば用事を押し付けてよいと思い込んでいる)
ナポリ語しか話せない、お掃除に来るヤンママ離婚組の女の子、
一番手に負えない"いつものやつ"と注文する記憶にないおっさん達。
 
蒸気で入れるハンドル式のコーヒー機で右腕から背中にかけて、
ひどい筋肉痛だったが、続けていたらマッチョになれたかも・・・。
 
I’m the walrus
The Beatles
 
 
コーヒータイムのお供のような音楽を貼り付けず、
バールで働いていたときに頭に流れていた音楽を
つまり、薬でハイにでもならなければやっていられない仕事だったわけです。
お金がなくてできなかったけど・・・。
 
 
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ここまでエスプレッソに対するこだわりを書いておきながら、
私はフレンチプレスで入れるスウェーデンコーヒー派です。
 
 
 
 
・・・返す言葉もありません。