ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ノルウェー赤十字軍

できることから始める。
私が躓いたときに必ず思い出すようにしている言葉だが、
今回のショックから立ち直るにはどうしたらいいか・・・。
 
日本大使館に行って情報収集しても、落ち着きは取り戻せず、
その辺をフラフラ、国立劇場の辺りで赤十字義援金の募金活動を行っているではないか。
 
図々しく協力させて欲しいと言ってしまった。
 
 
オスロの募金活動国立劇場前にて
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オスロ大学の日本語学部の方と交換留学生の方々が主に参加していた。
写真の奥に見える赤ジャケットのビヨルン君は横浜に留学していたそうだ、
彼の日本語はナポリで一番日本がが話せるパオロと似たイントネーションがあったため、すぐに逃げ出したい気持ちになった。
日本人リーダーをすぐに紹介してくれて
"Støtt Japan(日本に支援を)"というパネルを渡され、
かわいいサラちゃんの横に立ち、日本人を利用して目立つことにした。
 
別に何をしたわけでない。
日本人が募金を募っているというだけで、客引きもせずに
ただ、ただ、"Tusen takk(有難う)"を言い続けるだけ。
街頭での大声を上げての客引きは法律で禁止されているらしく、
私達はただ、立っていただけ。
しかし、次から次に募金をしてくれる方々・・・、
しかも紙幣での募金が多く、30分もすると募金箱に入りきらないほどになった。
 
びっくりしたのは・・・
 
カートをもってのんびり歩くおじ様が、ポケットから小銭を出して募金。
ホームレスの方だ。
助けられる立場の方が、手を差し伸べてくれる・・・
彼は世界一の男前です。
 
 
ビヨルン君のお話では年金受給者はお金が余っているため、
高額な募金をするのは普通だそうだ。
確かに日本円にして1万円とか普通に寄付していく。
 
写真を撮っていく方もいた、
ノルウェー人のどこかのブログに、
私の間抜け面とサラちゃんの写真がアップされているかもしれない。
 
この募金活動の指揮をとっていたのは交換留学で来ている日本人の方、
私が彼女の出身地を聞くと、質問には答えずに作業を始めるようにと言ってきた。
"ちぇっ、冷てーなー"なんて思っていたが、
ノルウェー人のおばちゃんに抱きつかれると、急に泣き出したではないか・・・
もしかしたら被災した地域の方だったのかもしれない。
 
それが本当だったら、実家が千葉で被災していない私は、
彼女にとっては"たるんだ日本人"に見えただろう。
 
回収された募金箱はどれだけ重いだろう、ビヨルン君がまとめてダンボールに入れて
赤十字へと運んでいった模様。
 
 
ベルゲンにて、目抜き通りの一角で募金活動をする家族(パパ撮影)
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モザイク入っているのは私です。
隠すほどの素敵な私ではないが、シリアスな記事に、
間抜け面で笑いを誘うのもどうかと思ったので、こんな形で失礼させていただく。
 
ベルゲンでも赤十字、初めに見かけた親子に協力させて欲しいと申し出る。
息子さんは名古屋市の小学校にいたので、日本語上手でとってもかわいい。
私のやたら多い、いとこの一人にいそうだなぁ。
 
募金活動に協力するなら、赤十字のベルゲン支部に行くことを勧められる、
途中で同じく募金活動をする日本の方がいたので、
赤十字の場所に加えて、日本のニュースなどを聞きだす。
親切に答えてくれる彼女の情報は、ネットのない状態であった私には有難かった。
 
赤十字の近所
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さて、赤十字に着くと、何も聞かずに名前を登録して
ベストと募金箱、名札、そして募金集めの場所と記した地図に
そのお金の行き先などが細かく書かれたプリントを渡された。
 
 
私の派遣先は大好きな赤毛王子Eの自宅近く。
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人通りはまばら、ジョキングや犬の散歩をするヤングが多く、
坂道に差し掛かっているので、立ち止まって小銭を出す余裕のある方は見かけない。
こっちはオスロに比べて、硬貨での募金がほとんど、
地震発生から随分たっている上、新聞でもそのニュースを取り上げることはほとんどない時期
少しずつ風化しているような感じを受けた。
 
ただ、募金する方、うるさいねん!
なんて関西弁がでてしまうほど、何かと日本を支援したい心意気を話していく。
カミッラから教わった緊急ノルウェー"Ikke sant(そうですね)"という相槌表現で乗り切った、
"ノルウェー語は話しません"と正直に言うべきだったのかな?
 
終了時間になり、あまりたまらなかった募金箱を抱え、
赤十字に戻ると、優しいおじさんから感謝される。
私はこの活動を通して随分気持ちが楽になっていったので、
協力させてくれてこちらこそ有難うと思った。
 
そして、ホットドッグと温かい飲み物を勧められ、
この日は久しぶりに肉食した。
 
この施設には暖かい笑顔が張り付いたお兄さんがいた、
チリ人で、スペイン語を話すのでしばらく引っ付き虫になり、
彼の周りの方々に混じらせてもらう。
私はノルウェーは話せないけど間抜け具合に随分笑ってくれて
少しだけ、自分を取り戻し、ベルゲンにいる間中は落ち着きを取り戻しつつあった。
そして、ベルゲンの魔法とも言うべき"わくわく食欲なし"の状態になり、
ステイを楽しむことができた(食欲を刺激する食べ物がないからだったりして)。
 
募金活動を通して、人の温かい気持ちを感じ、
言葉はなくても心の交流が少し通って、私の気持ちが循環し始めたこと
つまり、ヒューマニズムです。
ベルゲンにいると、この感覚を取り戻させられる・・・なぜでしょう?
 
 
予告 Kings of convenience縁の地訪問はファン限定記事で!
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