アントニオ・モルジェーゼの絵画教室で趣味のお絵かきをしていたカルメン。
カルメンに好意を寄せる画家、あの手この手で二人きりになろうと頑張っているところへ
邪魔に入っていくのが私の木曜日の任務であった。
報酬はなすの油漬け。
アントニオ・モルジェーゼ
ナポリ出身のニューソーシャル派画家。
作品はこちらの
ホームページでどうぞ↓
ナポリを代表する画家として、その業界ではかなり知られた存在らしいが
私にとってはただのスケベなおっさん。
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スケベは午前七時に電話を鳴らす
会場はカルメンのアパート、ほかにも2人の生徒が参加しするのだが、
それを見計らって、2人きりの時間を作るための計画を練ってくる。
"一本早い電車に乗ってしまい、ナポリに着いてしまったが、
今から行ってもいいか?"
という電話が毎週木曜日の朝7時ごろに掛かってくる。
絵画教室は9時に始まるので、その前に口説きに掛かろうと言うわけだ。
当時の私はまだ大学に入る前、特別な用事でもない限り、
前日の夜には一緒にご飯を食べて、そのままお泊りを決め込んでいたので、
何時にいらっしゃろうと十分邪魔ができる。
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朝ごはんはスフォリアテッラ
ナポリ伝統菓子スフォリアテッラ、丸い形状のものはクッキー生地、
右端の一つはバターの代わりにラードを使ったパイ生地。
中にはリコッタチーズのクリームが入っている、とても甘いお菓子。
私の分はない。
二人きりを想定しているため、大概2個しか買ってこない。
私の考古学の話しなんかを割りと真面目に聞いてくれるが
そんなことしてると
他の生徒さんが来て、教授のチャンスは流れてしまった。
結構みんな真面目。
生徒の作品は良し悪しに関わらず、年に一回、教授主催の個展会場の
一角で展示されるので、
頑張ってます。
おせっかいな教授は
上手く表現できない生徒の
作品にはかなりの割合で
手を加える。
カルメンは自分の作品に決して
手を加えさせないけど、
教授のテクニックは
しっかりマスターしている。
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魅惑のランチタイム
1時半にはお開きになる教室、
二人だけのランチタイムを期待する。
教授も私を厄介払いしたいがために、"二人分"と言う言葉を連呼し始めるが、
私にはまだ、帰宅許可が降りていない。
カルメン宅にいる理由を雨のせいにしたり、
猫の世話を言い訳に居座り、随分困らせたことを覚えている。
カルメン、私に邪魔役を頼んでまで、
このレッスンを取り続けていた理由は
教授の絵の世界が好きだったという甘ったるい夢物語だけではなく、
会場をカルメンのアパートにすることによって、無料でレッスンを受けられるという特権があったからだ。
そして、この教授、時間の経過ともに、私の邪魔者加減に慣れたのか、
朝ごはん用のお菓子も、昼ごはん用のピザも、
3人分買ってきてくれるようになった。
芸術家だけあって、興味深い博物館や考古学の話しをしてくれて、
邪魔役の私も、教授の来る日を結構楽しみにしていたが、
人生の転換期を迎えた(45歳で就職)カルメンは
彼のレッスンを受ける時間がなくなってしまった。
現在、教授はナポリの美術院の油絵指導をしつつも
体調不良のため、海辺の別荘で療養中とのこと・・・。
最後に、カルメンが教授の指導によって作り上げた作品を紹介。
拡大したら結構ブレてた・・・。
そういうわけで、アーランド君のお正月パーティの出し物をどうぞ!
眼鏡を新調したら、次は床屋だな。
(注 真面目な方は避けて下さい。
The Whitest boy alive
Bad conscence
アーランド君のかわいいビデオリンクがうまく行かないので、
ポール・サイモンのYou can call me Alを貼り付けました↓
You can call me Al
頑張れ!モルジェーゼ!!
(カルメンの彼氏、獣医のアントニオはいい人です。)