ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

大学生と著作権

イメージ 1
ベルゲン大学の学生センター、学食とジム、本屋さんまであります。
ここの学食ほど、食欲を刺激しない場所はない・・・
カミッラはシリアル粥(ポーリッジみたいなやつ)を食べていた、
金額は100円程度だったろうか?
 
 
実は大学生だったことをしばらく忘れていた。
良く考えたらテストの日程も迫っている、お勉強を再会しなければ!
 
テストに当たって、まず最初にすることは本を買うこと。
本は結構な金額なので、あまり興味のない教科にお金をかけたくない私は
裏の方法で本を手に入れている。
 
ナポリ大学の近辺には古本通りがあるので、
そこで本を探すと25%ほど値引きした金額で購入できる。
特にここ数年はベルゲンに行く為の貯金をするので、やたらと古本を求め、探し回っている
そのため、カルメンのお世話になりに週末入り浸ることが多い。
 
イメージ 3
←古本の一例。
中世の聖職者達キリスト教に従事する修道士の生活と
中世起源の修道会について書かれている興味深いけど、
途中で疲れる本。
 
ラテン語文学:今回探し回った本、絶版だったため、古本を購入。イタリアの大学では絶版になった本を探させる傾向もある。
 
美術史B:中学生用中世美術の図解書、大学に入りたてで何の知識も無かった私により良い理解を提供してくれた尊い一冊。
 
 
 
 
ここまではよくある合法的で、ストイックな苦学生的だけど、
ナポリにはまだ存在するある方法だと、もっと節約することができる。
 
 
 
 
イメージ 4
その方法とは、本の全文コピー。
 
コピーセンターなるものが
大学付近に密集している。
大学から借りた本をこっそり
丸一冊コピーすると、
驚きの安価になるのだ!
しかもプラスチックの輪で
製本までしてくれるのだから
ありがたいが、著作権法に触れる。
法律では本のコピーは
15%までと決まっている上、
それすらも印紙を購入することが義務付けられている。
 
 
先週はこういう用事でナポリに行ってきたのだが、
製本を頼んだコピーセンターで意外なことを言われた。
"カバンを持ってくるように"という注意。
図書館に持ち物を預けて、その足で向かった為、手ぶらだったのだが、
本の全文コピーがばれると、罰金に営業停止を食らうので、
隠しながら歩いてくれと頼まれた。
 
ちなみにコピーした本はキケロの雄弁集についてのクリティックとラテン語の手引書。
キケロさんの本はテストが終わったら、二度と開かないと思われる。
コピー印刷のキケロさんの表情が苦くみえる。
 
昔、文化人類学の授業にて、教授にこっぴどく罵られている生徒がいた。
たった6ユーロの本をコピーして授業に望んだ為、
その卑しさを教授に指摘されていたのだ。
この教授曰く、本だったら、興味がなくなったときに古本屋に売ることができるが、
コピーしたら、テストのあとはただの紙切れになるとか。
 
イメージ 5
ついでにこちらは、ディスペンサといって、
教授が自らテスト用にコピーした本の
一部と、学会などで用いた資料を
学部の文房具屋さんに預けたもの。
 
たまに外国語の資料が混じっている。
ラテン語ギリシャ語の資料なら
考古学者として理解もできるが、
(私は辞書がないと理解できない)
英語やフランス語、ドイツ語の資料を
見かけると、教授の語学力を疑う・・・
ので、読まずにテストに望む。
 
 
 
 
私が通っている大学は、機能していないといわれている。
教授によっては、自分の作成した資料をわざわざ関係のない学部の文房具屋に預けたり、
本を自分の事務所まで買いに来させたりと、
テスト勉強に辿り着くまで、随分情報集めをさせられる。
 
イタリアの大学でいつも思うことは
コミュニケーションを駆使しないとと卒業できないということ。
 
 
 
逆に何度も読むだろうと、
イメージ 2
大学近くの本屋で買った新しい本の一例。
 
右から
考古学辞典:文章が古過ぎて読解できない、これが役に立ったことは一度もナイ。
 
中世考古学:私の担当教授の本、ロンゴバルド族の基礎を築くための手引書、
一番面白かったかも。
 
史学生用化学の基礎:出版社はサレルノ大学の教授を相手にしている小さな会社
印税はガンの研究費に寄付されるそうです。
 
ノルウェー旅行ガイド:趣味で買った本、こちらは普通の本屋さんで購入可。
 
 
 
おまけ
イメージ 6
数年前にナポリのコピーセンターで
購入したスウェーデン語の教材と
古本屋で買ったポケット辞書。
ナポリ東洋大学では割とマイナーな
言語学を学べるのだが、
ノルウェー語はない。
 
スカンジナビアで話される各国語は
ほとんど方言といわれているので、
スウェーデン語で基礎を少々お勉強。
実際ノルウェーでもちょっと役に立ったので良い買物だった。
本の製作に関わった皆さん、
ごめんなさい。
 
 
こういった外国語の本が購入不可能だったりするため、
教授が持っている本をあらかじめコピーセンターで製本させて、
生徒が買いに来るという方式が成り立っている。
このスウェーデン語の教科書コピーも、教授から指定されたコピーセンターで購入。
 
特にアジア系の教科書は数年前まで、コピー本以外での購入は不可だった。
何の疑いもなくコピーセンターを利用し、現在も違法な製本がこっそり行われている、
闇煙草もたこ部屋も未だに存在する、ナポリらしい大学のシステムともいうべきか・・・・。
 
私はテストの口答試験が怖くてよく泣き言を言っているのだけど、
勉強をそこそこに、教授とのコミュニケーションで上手に試験を切り抜ける人たちがいる。
 
カルメンは都合の悪い質問は話題を変えて別のことを話しまくり、時間を稼ぐとか・・
この方法は私の教授には通じない。
息せき切って30分話したところで言われることは決まっている
"お嬢さん、沢山話してもらって悪いんだけど、質問の答えになってないね。"
同じ経験は獣医学部だったアントニオもにあるそうだ。
 
テストにパスする方法はただ一つ、きちんと勉強することだ。
 
 
Phoenix - Too Young
 
Tonight everything is over, I feel too young....
歌って踊って忘れてしまえ!ってラテン娘するわけにはいかない・・・。
 
 
 
Tomiちゃんへ。
ナポリ東洋大学で楽しい学生をしていた友人たち
 
イメージ 8
カミッラ→
もう5年くらい前の写真かな?
このときにはニセ金髪に気が付かなかった。
 
テストは教授に文句を付けてパスし、
卒論も書き直しを言い渡されたのに、
ノルウェー人というイタリアではあまり黄門様に
なれない国籍を言い訳に無理矢理学士をとった。
 
ナポリ東洋大学はイタリアでも私立大に続いて
勉強しなくても学位が取れるといわれている。
 
そういえば、テストの前日だろうが
よくご飯を食べにきていたな。
 
 
 
イメージ 7
←ルチアーノ君。
 
春に記事にしたKoCのお絵かきに参加してくれた
心の広いお兄さん。
珍しく未だにコンタクトを取り合っている一人。
漫画家志望で、近々大学を卒業予定、12年かかって卒業か・・
カルメンの20年に次ぐ大記録だね。
ナポリで下宿していた頃、よく食事に誘ってくれて
ママ特製のパスタソースでご馳走してくれたが、
やっぱりカルメンのトマトソースの方がおいしいや。
 
去年最後のテストを受けにきたときに
お茶する時間を作ってくれて
お互いの近況報告、大学に通っているうちは
びっくりするような近況の変化はありません。
数少ない時間止まり友達。