ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

オスロ・サバイバルあるある

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サンドイッチ作成中。

胚芽パンにチーズとハムとマヨネーズを挟みます。
って、誰に作ってるの?

薬物依存症の人たちとコミュニケーションをとるための口実に
サンドイッチやチョコバー、果物、ココアを用意しているんです。

そういう崇高な行為はもちろん、カトリック青年団のボランティアによる
“スープと友情”活動です。

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毎度お世話になる教会施設、マリア・ゴード館の台所で
去年もあったピエトロ君もいます。
サンドイッチは全部で30食を用意し、
依存症の方々がいる川沿いから中央駅北側を歩き回りつつ
サンドイッチを渡しながら、会話を期待します。

・・・依存症の方々に気を使って、カメラを持って行くのを禁じられたため、
写真には撮れませんでした。
私は薬物依存症という人とはホスピタル以外で接したことはなかったのですが、
気を付けて見ていれば、こんなにも道端にいたのだと驚き、
注射器を使ってタイムリーに薬物摂取している場面も見てしまって、
ショックを受けました。
この日のお手伝いで、薬物依存症者はチョコレートなどのスウィーツが好きだ
ということもわかりました。
ボランティアの主催者であるフロールは
私に何度もありがとうと言っていたのが印象的で、
カミッラがみんなと言い争いをしないなら、また参加したいなと思いました。
(小学生の絵日記風に)

薬物依存症の人たちに危険を感じることはなかったですが、
むしろ差し入れを素直に受け入れて喜んでくれるので
用意したこっちが嬉しいくらい・・・
カミッラは以前お金をだまし取られたとか言って、ケンカ腰だったので
周りから取り押さえられ、道中ずっと大声で言い争い、
依存症の人よりずっと危険な感じがした。

さて、ボランティア活動で自己満足した私は、
この後、カミッラとキャンプが待っています。

この日は既に8時過ぎまでボランティアをしたんだから、
キャンプは翌日に回して欲しかった。
今回も予定がてんこ盛りすぎる・・・。

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時刻は午後8時、5月なんで、まだ日がありますが、
キャンプをするのに、こんな遅い時間に街を出ますかね?!

地下鉄で終点の一つ手前の駅で降り、
そのままハイキングコースへと入って行きます。
私たちも野営するので、寝袋などのキャンプ用品をバックパックに詰めて
大荷物で森へと入っていきました。

雪や氷こそなかったものの、木々の間の獣道や崖ギリギリの歩道を
一時間くらい歩いたところで、私の足は上がらなくなりました。
いつもながら、行動の終点が見えないまま体力の限界を迎えると挫けます。
重たい水や食料を持っているのは私なので、
途中で戻ろうかと本気が考え始めた頃、頂上が見えました。

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頂上は岩がむき出しになっているので、
そこに簡易的な休憩所とグリルが設置されています。

カミッラは寝袋準備中、
・・・ここで一泊します。本気で!!

山に登る前、足りなくなったら一番困る水だけを買うつもりが、
この晩に本当に必要ではなさそうな食材まで買ったので
荷物は重く、手提げに持って山登りというのが辛かった。
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水は沸かしてお茶を飲むのに使うというが、
2人で2リットルでは不安・・・、
まあ、足りなくなったら山を下りればいいだけだけど。


ソーセージをグリルするカミッラ。
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火はマッチで起こしましたが、木は道端で拾った木材を燃やしました。
オスロ繁華街のゴミ箱から、ここまで持ってくる必要って本当にあったか?
で、グリルの上のソーセージなんですが、
昭和のタコさんウィンナー的に赤いんですよ!
添加物にうるさいカミッラに確認はしましたが、
本人が食べるというので、止めません。
私には薬物依存症に配りきれなかったサンドイッチのパンがあるので
しかも、スペシャルにチーズもあるし、
脳内麻薬が巡って満腹です。

グリルの火を見ながら、一年分のおバカな話をしていると、
時刻は11時近くなっていて、街の灯りが見え始めた。
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時間を確認したカミッラは、寝る時間をとっくに過ぎていると言って
準備に入り、私も時差の関係で眠かったので
防寒対策をして寝袋にはいりました。

・・・って眠れるか?!

キャノンの一眼レフカメラも、クレジットカードもある上、
間抜け面の弱そうな東洋人ですよ、
強盗でも出たら、どうしますか?!

日はどんどん落ちて、真っ暗になりました。
夏至までまだ一か月あるので、3時くらいまではきちんと夜です。
冬なら雪で少しは明るいだろうに・・・

耳をすませば、フクロウさんだけじゃなくて、レディーガガまで歌っている。
割と近いところに若者の集団がいるってことですよ!

寝袋に貴重品を隠し、遠くの街の灯りを見ながら
ガタガタ震えてると、カミッラの夢遊病が!!
むっくりと起き上がり、寝袋から這い出して
“寒い”と言ってから、テーブルに置いておいた水を飲み干してしまいました。
私の目覚めの水であり、膀胱炎対策の水でもあり、
今は寒いが、山を下りるまでに必ず大量の汗をかくことも予想して
買っておいたのに・・・。

寝袋から目だけ出して、明るくなりつつある空を眺めていると、
4時を過ぎた頃、カミッラが起き上がった。
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オシャレなのか?
全身紫の防寒着でキメてるカミッラ、毛糸帽は必要だったのか?
今年は異常気象で暑いオスロなので、
山の中でもヒートテック一枚で十分だったと思うが。

カミッラは朝ごはんの準備です。
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牛乳を沸かしてポーリッジを作る横で、
私は昨日の残り物サンドイッチを温めます。

水はない。

いつも持ち歩いている500mlのペットボトルに少しだけ残っていた
水道水を飲んでその場をしのぐ。

6時頃だったかな?
朝日がオスロ市を照らしてピンク色になってます。
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早く下山して、身の安全を確保したいけど、
地下鉄の駅近くにあるカフェでまともなコーヒーが飲みたいカミッラは
開店時間まで、山中を散策したいとか言う。

サバイバルな一晩を生き延びた私は、
カミッラのアドバイスによって生かされているのも事実で、
登った時とは別ルートで下山することで妥協した。

翌日の新聞にて、
この地域で、強盗殺人があったという新聞の見出しを見たときは
二人で吹いた。
もし、私がボランティア活動があるから、
キャンプは翌日にしようとか提案していたら・・・

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