ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

スープと友情

ビュグドイ半島にはヴァイキングシップ博物館、民族野外博物館、フラム博物館とホロコーストセンターの4つの博物館があるのですが、上記3つの博物館の周辺はあんなに混んでいるのに、それ以外の場所は散歩を楽しむ市民をたまに見かける程度で、こんな雨の日に寂しい海を見に来る人なんて私たちくらいでした。

f:id:monken:20190715000518j:plain

オスロっ子のレーネ・マリーはこの海辺を散歩するのが好きらしく、よく一緒に来ていたとカミッラは言っていた。

 

至る所で見かけた野バラ

f:id:monken:20190715000738j:plain

海から森へと入ると、雨でしっとりとした植物がとてもきれいで、ピンクの野バラが新緑に映えてステキです。

 

 

この後、聖オラフ教会司教館で青年会のパーティがあります。

散歩は2時間くらいで切り上げて、ビュグドイ半島の入り口となるスコイエン駅へと戻り、カフェで一休みしたあと会場へと向かいました。

 

もう少し後で来ればよかったと後悔する私

f:id:monken:20190715001630j:plain

台所には食品が並んでいました。

つまり、準備をこれからするということで、その場に早くついてしまった私たちは予定の動員となり、食事準備のお手伝いをすることになりました。

・・・まあ、タダ飯を食べるのだからお手伝いはしないとね。

 

スープと友情会

f:id:monken:20190715001953j:plain

この青年会はカトリック教会で有志を募ったボランティア団体で、薬物依存症の方々を始め、必要としている人たちに簡単な食べ物を提供して歩く活動です。

去年参加してみましたが、サンドイッチと果物、チョコレートバー、アイスココアをカートに入れて、オスロ駅の裏側辺りを歩き、注射器を持っている人やスプーンに入れた粉をライターで炙っている人たちを見つけては“サンドイッチいかが~?”と声をかけ、世間話に応じて来る人にはできるだけ話を聞くということをします。

カミッラと知り合ってから、ホームレスの人や不法滞在の人など、あまり知り合うことのない人たちとも話す機会が増えたので、薬物依存の人にもあまり抵抗なく話しかけることが出来、彼らが甘いものに目がないということが興味深かったです。

 

薬物依存の方々だけでなく、ノルウェー人は甘党が多いらしい

f:id:monken:20190715004043j:plain

サラダの準備の他、クッキーを皿に並べるよう頼まれたが、数種類のクッキーとブラウニーコーヒー風味が用意されていた。

あまりのビジュアルに数枚つまんでしまった。

そう言えば、この日はバナナしか食べていない。

ボランティア参加者を労ってくれると言うので、どんなものかと思いましたが、食事を提供してくれるようで、参加者は主催者のフロール夫婦、私もよく見かけるイタリア人ハーフのピエトロくんやペンテコステのお手伝いに来ていたトゥルーダ、見たことのない二人の女性でした。

 

聖母に見守られたスナック

f:id:monken:20190715003925j:plain

このスナックがテーブルに置かれた瞬間、凄い勢いで食べ始める人がいて少しびっくりした。

まあ、物価の高いノルウェーで、その中でもスナック菓子やチョコレートは高めなので、この機会に食べておきたいのでしょう。

私も空腹だったので手を伸ばして少し遠慮気味に頂いた。

パーティの始まりは、牧師さんか神学教師らしき女性が家族の重要性や人との繋がりの大切さについて聖書を引用しながら話始めた。

45分程のレクチャーで、少し不慣れな様子が妙に感じの良い人だった。

レクチャーの後は、聖オラフ教会でミサがあるので一度中断して、戻ってくると今度はサラダやソーセージ、ワインが用意されていた。

 

ノルウェーのパーティでは良く振舞われるソーセージ

f:id:monken:20190715005937j:plain

ホットドッグのトッピングやソースにもかなりのバリエーションがあり、サラダのドレッシングもフロール特製のレモンとミントを使ったものや、なんとアボカドも用意されていた。

 

少人数のメンバー

f:id:monken:20190715010500j:plain

あとから、ピエトロの友達や経理のイサベラが参加、この活動を行う上で度々警察から職務質問をされるらしく、事前に警察署に報告をして逆にサポートしてもらえるようになったとか、それでも理解してくれない職員がいるとか話していました。

目の前に沢山の食べ物があるのに、ノルウェーにいると何故か沢山は食べられず、日本で高いイチゴやマスカットを中心に食べて行くことにした。

この日は箱ワインも用意されていた。

ノルウェーでは国営の酒屋でなければ買えないはずのワインが食卓に並ぶのは、よほど特別な日なので、すぐになくなるのもよくわかるが、アルコールを一滴も飲みたくない私には全く理解できない現象だった。

ちょっと酔っ払い気味の参加者たちも、翌日の仕事を考慮して9時には帰って行った。

 

ワインを飲んでも、最後はコーヒーとクッキーで閉める

f:id:monken:20190715011540j:plain

帰りそびれた私は後片付けも手伝うことになり、ペンテコステで司教館の台所の使い勝手を知ってしまったので、何の指示を受けることもなく、自発的に皿洗いや床の掃除をして鍵を閉めるころには10時を過ぎていた。

10時とはいえ、まだまだ明るいオスロ、フロールからはお礼にと飾ってあった黄色いバラをもらい、楽しい気分で帰路に着いた、とっても不快な湿った靴下のことも忘れて。