お庭のワイルドベリー
日本に戻り一週間が経ったのだけど、
冬の関東地方とは思えない湿気の高い曇りと雨で、
暖房設備の整っていない実家は、冷蔵庫の中にいるみたいに寒い。
母から腹巻やヒートテックの下着を買うようにと、
お金を置いていくけど(私はまだユーロしか手元にない)、
そのお金で買いたいのは、古本屋にあったハリーポッターの映画パンフレット・・・。
幾つになってもクソガキでごめんなさい。
日本で一番気になっていたのは内部被爆の問題。
おいしい農家のおばあちゃん宅で収穫されたお米も
精米してよく洗ってから調理していただいている。
新米のビジュアルはイタリア旅行パンフレット的に表現するなら、
"房総の真珠"
つやつやの白い粒、ほのかな甘み・・・マニフィーク!
事故当時に日本にいなかった私は、累計被爆が少ないので、
多少は食べても平気だと姉に怒られながら、ご飯の別の心配をしております。
農家や漁港関係の親戚が多いので、どうしても千葉県産の食品が集まってしまう。
運良く実家には、そういった食品を美味しく食べてくれる存在が!
90歳を超えた婆様です。
庭の豊作みかん、鳥さんにお裾分けだけど、私は食べる勇気がない。
実家の放射線量は千葉にしては低目なので、
ホットスポットの逆だと信じたい。
庭の植物や動物達の様子を見る限り、奇形は見当たらず、
鳥やねずみなどの小動物があたりをうろついているので、
少し安心したけど、事故直後に散歩していた母は白内障の悪化で
手術を緊急で受けることになった、ということは、忘れてはいけない。
放射能処理班、お出掛けの際、帽子を忘れたので私のベレー帽を貸す。
先週は親戚宅に行ったり、近所を散策して終わってしまったけど、
昨日やっとのことで、千葉駅周辺の繁華街に行ってみた。
4年前に比べて、特に変わった様子はなかったけど、
かわいい雑貨屋さんに心を奪われる。
イタリアにもありがちな品物も、勿論あった。
ただ、日本では可愛いことへの提案が分かりやすく展示されているのだと思った。
つまり、イタリアではセンスのある人だけが、かわいいインテリアを上手に配置できるが、日本ではお店でその展示例、使用例などが分かりやすいように展示、表示され、
それに従えば、それなりに可愛い生活を取り込むことができるのではないかと思った。
ついでに言うと、イタリアに留学に来た人たちが
落胆して帰っていくのを沢山見ている。
きっと、フランフランみたいな雑貨に囲まれるような、ステキ生活を求めていたのだろう。
私の部屋を見れば、そんなこと無理だと一目瞭然なんだけど。
アンニュイなネネ。
可愛い雑貨屋ショックから、オタクな本屋へと避難し、
なんと!悪魔の教典とも表現できるひどい本を発見。
この本、放射能被害はないと断言し、
今すぐ避難した人たちを土地に戻すべきだというもので、
頭にきたので、平積みにしてあるその本の束を
目立たないところに移動して、脱原発本で埋めてきた。
この本屋は以後利用しないことにする。
本屋の横のカフェではいとこがバイトをしているので、
雑談して帰ってきた。
私もすっかり気が抜けたのか、イタリアから少々引きずってきた風邪がぶり返し、
咳をごぼごぼさせています。
風邪薬を飲んだら、効果が強すぎて、眠気が取れない・・・。
東京ではノロウイルスが流行っているそうです、皆さんご注意を。