懲りもせずに、ノルウェー映画のレビューです。
前回の映画記事にて、心優しい訪問者の皆さんに妙な興味を持たせてしまった映画
Få meg på for faen について、もう少し書き足したいと思います。
Få meg på for faen
アルマは16歳、小さな町にうんざりしつつも
学校のアイドル、アルトゥールとのロマンチックなセックスを夢見る高校生。
彼女の止められない欲望は女性専用テレクラを常用するほどに・・・。
そんなあるパーティの晩、アルトゥールから変なアプローチをされる。
あまりに変な行為でのお誘いだったが、喜びを感じるアルマ、
しかし、同じくアルトゥールに恋心を抱いていた友人から、嫉妬を買い
エッチな妄想をする"コック・アルマ"という蔑称を付けられ、
高校生活が一気にダークになっていく。
・・・こんな内容だから、あらすじを書かなかったけど、
映像の色彩だけは、ドッキドキのきれい系。
この映画を去年のベスト映画に選んでいたブログも発見。
激しすぎる感情のティーンズ具合と田舎から出て行きたい気持ち、
そして、冒険を通して周りの理解を得ていく様子も悪くはない。
印象的な映画の冒頭部分
"山、何にもない道、何もない道とトラクラー、そして何も無い道、アホな飼料、アホな羊、
アホなトランポリンガールズ・・・それが私の住む街、ようこそ・・・"
乙女チックなアルマのお部屋。
パーティの翌日ビールを飲みすぎて二日酔いのアルマ、ひどい頭痛とママからのお叱りでイライラ。
アルトゥールからの変なお誘い、夜が明ければ、実は自分の妄想だったかもしれないと思い始める。
毎朝、スクールバス内で自分の住む田舎町の看板に
中指を立てるアルマとその友人サラ。
早く高校を卒業して、地元を出て行きたい二人。
サラの父親が経営するスーパーの裏にて、ワインを持ってアルマを元気付けるサラ
テレクラの請求代金を払うために、スーパーでアルバイトを始めたアルマ。
アルトゥールの変態行為は本当なのに、本人にも否定されてしまった。
変な蔑称で呼ばれ、誰からも相手にしてもらえず、その上失恋もほぼ確実、
落ち込むアルマはセックスの興味を他の誰かに移そうとしたり、
大麻を吸引して不良をしてみたりして、誰かの心配を買おうと努力するもの
益々相手にされなくなる。
母親もテレクラの件ですっかり娘が厄介になってしまった。
自分が正しいことを分かってもらうにはアルトゥールに真実を語ってもらうしかないのに、
彼には正式なガールフレンドがいたことを知り、ショックで家出を決行。
朝になっても戻らない娘を見に来たママ。
独り言:パステルカラーがかわいい、こんなお部屋に住みたかった。
たたみにレコードばかり入ったカラーボックスじゃなくてさ~・・
ついでに本棚もドカベンとか、週間ベースボールのバックナンバーの代わりに
映画のパンフレットとかマチスの画集とか並べたかった。
大学の都合でオスロに下宿するマリアは、町で一番クールな人。
突然の訪問にも優しく受け入れ、他のシェアメイトと楽しい夕食を用意する。
独り言:ナポリ大学に出入りしていた頃の自分と被る。
私にはお兄さんのような存在の友人がいた、この人のアパートでよく夕食をご馳走になり、
同居人の人たちと楽しい会話をするのが、自分にとって最高の時間だった。
年上で物知りな人たちと哲学的な論議を交わすという場に居合わせること自体が
私にとっては、大人な第一歩だったのだ。
翌朝、田舎街へ出戻るアルマとお迎えに来たママ。
楽しい時間と自分を理解してくれる人たちのおかげで、
自分を取り戻したアルマ。
誰が自分をどんな目で見ようが自分は自分、もう怖くない!
独り言:ノルウェーは電車の通っていない地域も多い。
バスも途中までになってしまう街も多いと思われる。
おととし訪問したオーレスン(Ålesund)からベルゲンにかけての
10時間バスの旅では、こんな光景を良く見かけた。
バス停に車を付けて待つ家族の姿を見るたびに
空港に迎えに来てくれるパパと婆様を思い出した、あ~あ、お別れってやだな~。
出戻った晩、アルトゥールから謝罪とお付き合いの正式な申し出がある。
もう、うんざり、あんたなんて必要ない!と追い返すアルマ。
一言コメント:玄関のお花がめっちゃかわいい。
疑いも晴れ、アルトゥールを母に紹介するアルマ。
"テレクラを使っていたのはこの人が原因、もう分かったでしょう?
紹介したんだから、今晩泊まってもらってもいい?"
"駄目!"
お母様の強い一言、ほのぼのムードで終わります。
台所の窓、飾り棚になっていて、ちょっと不思議な感じ。
きっと光を取り入れるという機能以外は必要ないのかも。
この映画、エンディングにFranz is deadのアレンジした"I really need you"が使われていて、
お下品な映像と言葉に負けず、かわいい印象を強く残す映画です、
それとも、それは私がノルウェーびいきだからかな?
この映画に合いそうな音楽をどうぞ!
Razika-Tast my dream